平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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2.知的基盤の整備 【背景・実績・成果】 GSJにおける「知的基盤の整備」は、地質の調査とその情報整備を担うもので、そこから展開する社会への「橋渡し」研究のベースであり、ナショナルセンターとしてのGSJの研究開発活動の根幹を成すものである。現在の「知的基盤の整備」は平成23年度から平成32年度の第2期知的基盤整備計画に基づいており、その計画達成に向け、平成30年度においても着実に陸域地質図・海洋地質図の整備、日本周辺海域の鉱物資源に関する情報の整備等を推進し、当初の年度目標を達成した。ここでは主に運営費交付金を使用し、地質図など地質の情報整備を推進するとともに、世界トップレベルの研究能力の維持や、技術コンサルティングの事業拡大を目的とした研究環境の整備を推進した。また、平成33年度以降の次期計画における新しい形の知的基盤情報の整備の在り方を見据え、より広い地質情報の利活用や、地域性及びニーズ等を意識した取り組みを開始した。地球科学図等の整備として、5万分の1地質図幅4図幅、20万分の1地質図幅1図幅を出版した。また、5万分の1地質図幅3図幅、20万分の1地質図幅1図幅の原稿を完成した。さらに、知的基盤の整備における特筆すべき成果として、以下の研究項目が挙げられる。 ・CCOP地質情報総合共有プロジェクト 東・東南アジア地域の地質情報の総合的なデータ共有システムの構築を目的とするCCOP地質情報総合共有プロジェクトを主導し、CCOP各国が保有する各種地質情報の数値化を進めた。平成30年9月に国際標準形式でウェブにて公開し、それについてプレスリリースを行った。 一方、地質情報の普及活動の取り組みにおいては、地質標本館を核とした活動として、計5回の企画・特別展の開催をはじめ、化石クリーニング、砂の観察、化石レプリカづくり等の体験イベント、研究トピック展示、地質標本館ツアーや薄片技術の紹介等の企業向けイベントの開催、地質標本館グッズの種類及び販売数の増加、キャラクターを活かした避難場所の看板設置、館内の避難誘導看板の増強、館内の展示改修を積極的に進めた。施設前庭の段差解消など、バリアフリー化を実施した。さらに、「地質情報展2019北海道」(平成30年9月分の代替開催)、各種イベントの共催・後援等13件、産総研外への出展9件、GSJシンポジウム2回、ウェブを使った情報発信の拡充等を実施した。 以下に個別の研究開発及び成果普及活動について記述する。 ・CCOP地質情報総合共有プロジェクト 東・東南アジア地域のCCOPに加盟する各国の地質調査機関では、これまで長年にわたり、地質図を始め、多くの地質情報を出版してきた。しかし、これらの地質情報は未だに紙ベースであることが多い。電子化されていても一部が画像データやPDFデータとして公開されていることがほとんどであり、それらを利用するには、さまざまな障壁があった。そこで、各国の地質調査機関が保有する各種地質情報について数値化を促進し、国際標準形式で共有化する本プロジェクトを、平成27年にGSJが主導し立ち上げた。CCOP地質情報総合共有プロジェクトは、CCOP各国が保有する各種地質情報の数値化を進め、国際標準形式でウェブ公開し、東・東南アジア地域の地質情報の総合的なデータ共有システムの構築を目的とする。本プロジェクトは、(1)地質情報の共有化、(2)地質情報の社会への還元、(3)国際標準化、(4)各国スタッフの能力向上、を目的とする。CCOP地質情報総合共有プロジェクトは、平成26年10月にパプアニューギニアで開催されたCCOP管理理事会で、日本が提案し了承された。平成27年9月にタイでキックオフ会合が開かれ、11カ国から23名の代表が参加し、CCOP地質情報総合共有プロジェクトの目標、今後の計画、データポリシーなどを合意した。平成28年9月にインドネシアで第1回国際ワークショップを開催し、暫定的なCCOP地質情報総合共有システムへのデータ掲載の技術講習、各国の5年間のデータ整備計画を検討した(9カ国から47名参加)。平成29年12月にラオスで第2回国際ワークショップを開催し、システムの開発についての討論や、モバイル版の技術講習を行った(10カ国から22名参加)。平成30年度は、9月にマレーシアで第3回国際ワークショップを開催し、技術講習や今後に関する議論を行うと共に、本システムを正式公開した(11カ国から45名参加)。さらに、ASTER衛星データの登録システムを開発した。 CCOP地質情報総合共有システムは、CCOP各国が保有する各種地質情報の数値化・高度化・ア- 18 -

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