平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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海外は4件)であった。科研費については、GSJ研究者が代表の53件(直接経費で約1億900万円)に加え、大学等との連携により76件(直接経費で約4,000万円)獲得した。また、クロスアポイントメント制度を利用して、1名は東京大学からGSJに雇用、1名は名古屋大学からGSJに雇用、1名は島根大学からGSJに雇用されて人事交流を図った。 地震調査推進本部(文部科学省)の調査・研究実施機関として、文部科学省、国土地理院、気象庁、海上保安庁、大学、(国研)防災科学技術研究所、(国研)海洋研究開発機構などとともに地震に関する観測、測量、調査を推進している。 資源国や発展途上国における資源権益・インフラ整備の基盤となる地質情報の収集、及び、先進国との先端研究情報交換・共同研究による産総研の研究開発の効率的な推進を目的として、海外機関との連携を進めている。平成27~29年度に海外3機関とのMOU新規締結、5機関とのMOUの更新を行い、平成30年度には2機関との MOU更新を行った。平成30年12月末時点で、18ヶ国21機関とMOUを締結している。平成30年度には、MOUの下で、アルゼンチン・ミャンマー(鉱物資源)、カナダ(津波)、米国(鉱物資源、地熱)、韓国(活断層、地熱)、タイ(地質テクトニクス)、インドネシア(地中熱)等の研究機関と海外現地共同調査、共同研究を実施した。 日本企業のアジアにおける活動の支援につなげるため、また東南アジアの地球科学の発展における日本のプレゼンスの更なる向上を目指し、東・東南アジア地球科学計画調整委員会(CCOP)加盟国の地質調査関係政府機関と連携し、加盟国の地下資源、地質災害リスク、環境汚染等の情報収集・データベース構築を進めている。現在、CCOPの下でGSJが技術的に主導し、地下水データベース構築及び熱帯地域での地中熱利用システム実証研究(平成27年~平成30年)、地質情報総合共有システム構築(平成27年~平成32年)等のプロジェクトを進めている。また、アジアの代表として、国際的な全世界地質図共有のためのOneGeologyプロジェクト(平成19年開始)を推進している。地下水プロジェクト(PhaseⅢ)では、東・東南アジア地域における適切な水資源管理及び自然災害対策への貢献を目指しており、加盟国の地下水データベースを構築した。平成27〜29年度は、年次会議を開催し、各国の水文データ整備の進捗状況報告、データの検証、及びプロジェクト遂行に係る問題点の解決を行った。平成29年度末の時点で、計5,188地点の地下水データをコンパイルしている。平成30年度は最終年次会議を開催し、各国の登録した全地下水データの検証及び解説書を作成した。これらの最終成果については平成31年度にレポートを出版予定である。平成31年度以降は、各国と意見調整を行い、新規地下水プロジェクトを開始する予定である。地中熱プロジェクトでは、平成27〜29年度にタイ3カ所及びベトナム1カ所に設置した地中熱システムを用いて実証試験を実施した。加えて、インドネシア技術評価応用庁(BPPT)と共同研究契約を締結し、熱交換器(50m孔井・2本)を設置した。平成30年度にはタイ・チャオプラヤ平野南部における地中熱ポテンシャルマップを作成した(出版物3報 CCOP-GSJ地下水プロジェクトレポートGW-6, GW-7, GW-8;IF付国際誌1報、Chokchai et al., 2018)。平成31年度以降は、各地に設置した地中熱システムを用いて集中実験等を行い、経済性・環境適合性の評価を実施する予定である。 GSJでは東南アジア諸国連合(ASEAN)からの要請を受け、ASEANで整備している鉱物資源データベースの高度利用に関する技術協力を行ってきた。協力は主としてASEAN各国からの研修員を対象とした本邦研修と、その年度の対象国において行う技術研修によって行い、その内容は、広域地質図の作成に係る研究手法の学習(国内及び相手国での実地地質調査研究を含む)、GISを利用した鉱物資源データベースの高度利用手法の学習、及び、経済産業省主管による資源探査衛星用センサーであるASTERのデータを利用したリモートセンシングデータの基礎的利用法である。これまでの年度毎の対象国は、平成27年度カンボジア、平成28年度ミャンマー、平成29年度ラオスであった。また、対象各国では多国間に跨るシームレスな広域地質図の作成を目的とした海外地質調査を実施した。各国で現地地質調査を行った地点はそれぞれ、パイリン(カンボジア北西部、タイ国境付近)、タチレク(ミャンマー東部シャン州、ラオス、タイ国境付近)、ボーケーオ県及びルアンナムター県(ラオス北西部、ミャンマー、タイ国境付近)であり、いずれの調査地域も既存の各国地質図を照合した際に国境での不整合が見られた地点である。本研修におけるこれまでの成果としては、インドシナ半島に存在する5ヶ国をカバーする1:100万シームレス広域地質図(タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナムを対象)や、webGISを利用した- 13 -

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