平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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サステイナブルレメディエーションコンソーシアムは、これまで年2回程度、講演会等を実施し、土壌汚染の対策方法を民間企業と共有している。平成29年度には地質人材育成コンソーシアムを設立し、地質調査研修を開始した。 ジオバンク事業によって、地質情報を必要としている企業・個人からの寄付により地質情報発信や人材育成という形で安心・安全な社会のために貢献した。 クラウドファンディングの挑戦では、産総研広報と協力したPR動画の作成や産総研公式Twitterでの寄付呼びかけなど、GSJだけでなく産総研全体での広報を行い、目標を達成した。145名からの寄付があり、添えられた応援メッセ―ジからは既存の地質ファンだけでなく、新たなファンの獲得も実感された。広報の取り組みを通じて、AIST、GSJ、地質情報展の知名度向上にも役立ったと考える。外部資金獲得の新たな取り組みの成功だけでなく、一般国民からの地質の研究への興味を高め、結果的に地質の研究成果の社会への普及を支える下地作りを促進できた。また、北海道胆振東部地震で影響を受けた北海道(札幌)の人的・経済的活動への応援となることも期待できる。今回のクラウドファンディング挑戦については、YOMIURI ONLINEで報道された(平成30年12月13日)。 【課題と対応】 地質調査業界では中・小企業率が高く、1,000万円を越えるような大型の民間資金による共同研究などは少ないため、公的資金を原資とする民間資金がないと大型案件にはつながりにくい。一方で海洋資源関係、産業立地関係は産業規模が大きいため、大型案件になりやすい背景がある。しかしながら、現状では地質図幅などの知的基盤整備計画に基づく研究や、公的資金による研究に人的資源を投入する必要があること、また大型民間資金が地球物理学的な研究テーマに多い傾向があるため、受注できる人的資源に困難がある。また、研究結果や内容だけでなく、組織として企業の信用を得ることが、民間資金獲得には極めて重要であることも全員で理解しておく必要があろう。一方で、地質標本館のアウトリーチ活動を通じてGSJの業務に関心をもっていただける企業も出てきており、地質標本館のショーケース機能をさらに高めることも重要である。GSJでは、理学的な研究内容の研究者が多いこともあって、マーケティング強化のための人材育成も課題である。今後、民間資金獲得に限らず、研究成果の社会実装を進めていく上でも、社会との関係を重視できる人材の育成は重要である。 TBFでは地質に関係する来訪企業はそれほど多くないとの現実もあるが、異業種企業にも地質をアピールできる企画の実施等に引き続き努力する。特に、薄片技術に代表されるように、企業にとってこれまで知られていなかった技術を使った連携が増えるように、引き続き地質標本館のショーケース機能をさらに高める。 GSJシンポジウムはこれまでも多くの来場者に来ていただいているが、研究成果の普及とマーケティングの両面の観点で相応しいテーマ設定を行い、今後も継続して開催していきたい。 GSJ地質ニュースについては、今後、地質コンサルタント会社等から、より興味を持たれるような、平易な技術解説等の内容の充実が必要であると共に、継続性の維持が必要になってくると思われる。 現状では特定少数の方からの寄付に限られている、すなわち、認知度を高めていくことが課題である。実施事業を明確にして着実に実行しつつ、新たに企画しているクラウドファンディング等の活用で、ジオバンク事業の知名度を向上、不特定多数の人から賛同を得る事業を行うことでさらなる外部資金獲得を目指す。 クラウドファンディングを成功させるには、テーマの選定だけでなく、いかに多くの人にその内容を知って共感してもらえるかと言う広報力が不可欠であるので、その点の検討を進めたい。 (4)大学や他の研究機関との連携強化 【背景・実績・成果】 国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人土木研究所との包括連携協定による協力関係を維持・推進した。連携大学院へは、教員を8名派遣した(東京大学、千葉大学、東北大学、広島大学、東邦大学、お茶の水大学)。大学・公設試験研究機関との共同研究は34件(うち、- 12 -

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