平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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ページ、平成30年度250ページ(平成30年12月末時点、9巻)となっている。平成31年度もGSJの研究成果の社会への実装という観点から継続的に刊行する見込である。 産総研コンソーシアムは、参加者が資金を負担して、産総研の業務にかかる産学官連携の支援、 成果の利用の促進、情報の収集及び提供等を行うもので、平成27年度に土壌汚染対策に関するサステイナブルレメディエーションコンソーシアムを設立し、講演会の実施やISOなどの情報の集約や情報の普及を行っている。平成29年度には地質人材育成コンソーシアムを設立し、地質調査研修を開始した。平成30年度は国際ワークショップ1回とワーキンググループの会合を2回行った。 平成28年度より、募集特定寄附金制度GeoBank(ジオバンク)を開始した。これは産総研の目標としての民間資金には含まれないものの、平成29年度は5件(民間企業2件、個人3名)で740万3千円の寄付を受け、寄付金総額は1,200万円余となった。平成29年度は地質調査技術研修、地震・津波・火山に関する自治体職員研修、地学オリンピック代表者研修やジオサロン(東京で2回開催)などのアウトリーチに関わる行事を実施した。 平成30年度にクラウドファンディングによる地質情報展開催の資金調達に挑戦した。国民生活に直結する安心・安全等の研究については、参加意識や興味を高めることが社会実装のために効果的と考えられ、その一つとして地質情報展を実施している。今年度は札幌での開催準備を進めていたが、開催前日に起こった北海道胆振東部地震で中止となった。その再開催のための資金(機材の輸送費、説明員の旅費など200万円)をクラウドファンディングで募集し、広く国民からの理解と協力、応援の下に地質情報展を実施することを計画した。クラウドファンディングへの挑戦は、産総研では初めての試みである。GSJでは募集特定寄附金制度「ジオバンク」の仕組みを有しており、クラウドファンディングの入金先にはこれを利用した。 【成果の意義・アウトカム】 マーケティング力を向上させるため、職員の意識向上に取り組んできた結果、民間資金については平成30年度の目標額2.9億円のところ約3.7億円(平成30年12月末時点)となり、産総研第4期(平成31年度まで)の民間資金獲得目標3.4億円を越えることができた。このことは、マーケティング力強化による成果である。インフラ系会社の立地問題や、資源開発に関わる技術開発、CCS、燃料地質、衛星情報、鉱物素材、鉱物資源、水資源などを通して、社会に貢献できたと考えている。この結果、これまでに増して企業に、GSJに相談できるという認識が広がってきている。しかしながら、これらは資金力のある企業やそれらを顧客に持つ地質コンサルタントに限られ、多くの中小零細の地質コンサルタントには、高度な技術開発や技術移転より、地質情報の整備や、安価な講習が望まれているのも事実である。 平成27年度以降、継続的に行ってきた技術マーケティング会議は、企業情報の共有と民間資金獲得技術の共有、またリスク管理など、民間資金を獲得する上で重要な情報交換を行うことで、民間資金の獲得の機運を高めることにつながっている。 TBFは産総研全体での催しで、発表方法はパネル展示とセミナーというように統一されている。その中で、パネル展示会場での床貼り地質図展示や地質標本館ガイドツアー実施等の地質独自の企画を立てて、来場者へのアピール力を高めてきた。その結果、化学メーカー、鉄鋼メーカー、建設土木会社、機械メーカー等へ、GSJの保有する地質情報や技術の活用事例や各企業の抱える課題解決へのひらめき(シーズ・ニーズマッチング)を提示し、GSJとの連携の実績をさらに広げることができた。 GSJシンポジウムはこれまで、ある程度の専門家向けイベントとして開いてきたが、平成29年度の富士山を対象にしたシンポジウム、平成30年度の房総半島を対象にしたシンポジウムは、行政関係者や興味ある一般市民も対象にして行った。平成30年度の房総半島の地質を対象にしたシンポジウムでは多くの来場者があり、地質情報の一般社会への実装という観点で効果があったと認められる。 GSJ地質ニュースは、PDFでも配信されており、GSJの成果普及に役立っている。平成29年度以降は、編集委員会から原稿を依頼する体制の確立が進み、安定して編集が進んでいる。こういった出版物は継続性が保たれていることが重要で、その点では成果が上がっている。 - 11 -

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