平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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GSJ開発の機器を用いた海洋資源探査、地球物理学的解析手法、公的機関からの学術的な面からの最先端知見の伝授、断層粘土の鏡下観察手法などの技術コンサルティングを行うことで、公的機関の資源開発に携わる企業のサポートや企業立地に関わる地質コンサルタントに対するコンサルティング等を行って、社会に最先端の地質の技術による成果を浸透させた。またCCS、土壌汚染など各分野にも継続的な技術コンサルティング需要があり、土木系企業の技術開発等にも貢献している。 平成29年度末に八峰白神ジオパーク推進協議会より過去の地質情報展の展示物を活用したいという地質相談に対応し、平成30年度初頭に展示物として利用されるに至った。また、出版物の販売促進・データベースの使い方の案内を通じて、成果普及につながる指導助言を行っている。相談窓口にマスコミからコンタクトがあり、番組の取材になる案件も多い。アウトリーチの窓口と地質相談及び地質図が橋渡しにつながることが期待される。 人気テレビ番組であるブラタモリなど地質を紹介するテレビ番組や、地質に関する災害のニュースを通じて、GSJの知名度は向上している。ただし、産総研地質調査総合センターの名称を含め、肩書きが長いため、新聞等での組織名のパブリシティに壁があることは事実である。 プレスリリースについては、初動7日間のアクセス件数に関して、産総研全体で上位10位に入った発表は2件(平成30年12月末時点)あり、高い関心を呼んだ。中でも、平成30年9月にプレスリリースした「日本を分断する糸魚川-静岡構造線最北部の謎が明らかに」は、新潟日報、日本経済新聞等での掲載など大きな反響があった。このような報道を通じて、GSJの知名度、及び、地質に関する国民のリテラシーの向上に大きく貢献した。 平成28年に設立された地球科学可視化技術研究所株式会社のプロジェクションマッピング技術は、GSJの地質情報の当該地域での普及に大きな役割を果たしている。つくば市、赤穂市などが好例である。また、3D地形モデルはブラタモリ等で活用されており、地形・地質を理解できる人々の裾野を広げるために役立っている。 【課題と対応】 技術コンサルティングについては、職員に認知が浸透してきたため、件数が着実に増えているが、単価の小さい案件が多く、また件数としては物理探査関係が多い。今後も民間企業が大きな公的資金を取る際のバックアップ等で単価の高い案件にしていく必要がある。知財実施契約件数についても同様で、大きな実施料が入るものについてGSJとしてバックアップしていく必要がある。 地質相談については、今後の連携につながるもの、広報として重要な案件を積極的に受けてきた。数多くの相談に対応するには、GSJの研究内容やアウトリーチ事業に詳しい人材が少ないことが課題である。また、化石・岩石・鉱物を写真だけで同定して欲しいという個人の方からの相談がしばしばあり、写真だけからでは困難なため、これらを同定する地質標本館行事に誘導したり、外部機関に紹介している。 取材・報道も他のアウトリーチ事業と同様に、いかにGSJの研究活動が広く社会に認知されるかが課題である。テレビ、新聞、雑誌の取材のうち、旅番組、バラエティ番組において、写真だけですぐに地質を教えて欲しいといった依頼があり、困難な場合には断ったり、技術コンサルティングに誘導しているが、対応に苦慮する場合もある。企画段階から相談があり、積極的にクレジットを出していただけるところを選択して、コストをかける方針で臨みたいと考えている。 広報活動については、いかにGSJの研究活動が広く社会に認知されるかが課題である。プレスリリースを柱としつつ、地方でのシンポジウムの開催など、自治体や企業に向けた広報活動を展開する。また、広報についての研究者側の意識改革や広報費の明示的な予算化を行い、効率的かつ効果的な広報を展開する。 ベンチャー企業の課題については、当該企業の秘匿情報に関わるところがあるため、課題を本資料で明らかにすることは難しいが、当該企業には1-2週間に1回面談して相談に乗っている。産総研ベンチャーの中では順調に経営が行われていると推測される。 (3)マーケティング力の強化 - 9 -

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