平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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GSJの開発機器を用いた2件で約5,000万の契約があり、また継続的にCarbon dioxide Capture and Storage (CCS)貯留・遮蔽性能調査に関するものがあって、この3件で過半を占めるものの、200万以下の少額のものも数は多くなっている。イノベーションコーディネータ(IC)を中心に、技術コンサルティングを実施可能な職員に対し、所内面談等のサポートを行って技術コンサルティング制度を浸透させ、また相手方との面談等にも同席して相手方により満足の得られるよう活動を行ってきたことが結果に表れた。平成31年度も引き続き、技術コンサルティングを推進する予定である。 地質相談は、平成27年度は479件、平成28年度は798件、平成29年度は616件があった(マスコミの取材・報道については後述)。平成28年度は熊本地震に関連した相談が多く、件数が突出した。 平成29年度の地質相談の解析では、活断層、地質、地球化学図、火山、化石・鉱物・岩石の同定、刊行物についての問い合わせが多かった。特に地質図幅のプレスリリースの影響で、「地質図幅がどこで手に入るのか」、「注文を受けているので卸して欲しいがどうしたらよいか」という相談が近年多く寄せられた。平成30年度は377件(平成30年12月末時点)の地質相談を受けている。地質相談窓口はマスコミ等からの取材につながる相談や、各種出版物の相談窓口になっているため、平成31年度も一般の相談者にわかりやすく、かつ効率的な運用をしていく方針である。 平成27年度の取材件数は278件、報道件数は409件、平成28年度の取材件数は309件、報道件数は515件であった。平成29年度の取材件数は284件、報道件数は841件であった。平成30年度の取材件数は252件(平成30年12月末時点)で、報道件数は601件(平成30年12月末時点)となった。近年、人気テレビ番組であるブラタモリの取材は頻繁に受けており、その影響か風景を対象とした番組で、地質のコメントを求められることが多くなった。取材結果を使う場合はパブリシティ向上のため「産総研地質調査総合センター」名義のクレジットを入れるよう依頼しており、平成30年の広島の土砂災害のニュース報道等や、主要メディアが直接取材する場合は的確に対応していただいている。マスコミ対応は、社会での地質の役割を示すために重要であるため、平成31年度も引き続きパプリシティの向上に務めたいと考えている。 広報活動として、地質図幅の発行や顕著な論文成果のプレスリリースを平成27年度は2件、平成28年度は11件、平成29年度は15件、平成30年度は14件(平成31年1月22日時点)行った。平成28年度にプレス発表を行った地質図幅「播州赤穂」は、その学術的価値と地域の資源としての価値を認識した赤穂市からの要請をうけ、平成29年度に同市主催の講演会(聴衆約360名)の実施、同市からの依頼で観光用展示物作成の協力を行った。さらに平成30年度には、赤穂市の観光アプリ「赤穂まちあるき」、赤穂市を紹介するYouTube、赤穂市歴史文化基本構想の資料等で活用されている。平成29年度に出版とプレス発表を行った地質図幅「鳥羽」は、平成30年度にジオパーク認定を目指す地元地域振興団体からの依頼で、鳥羽市長及び教育委員長出席のもと講演会を行い、加えて地元において地質見学会を行った。これらは2例は地質図幅が地域振興・地方創生に貢献した証左である。平成30年度は、5万分の1地質図幅「糸魚川」及び「身延」の刊行に際してプレスリリースを行い、いずれも新聞記事に取り上げられた。 平成28年に産総研技術移転ベンチャーとして設立された地球科学可視化技術研究所株式会社は、プロジェクションマッピングを用いて地形・地質情報を正確に立体模型に投影する技術で、地質標本館第一展示室を始め、各地の博物館、教育委員会から受注を受けて業績を伸ばしている。平成30年度末に薄片技術を用いたベンチャーの立ち上げが予定されており、支援を行っているところである。GSJでベンチャーになる技術はそれほど多くないが、今後設立させた産総研技術移転ベンチャー企業が適切に成長していくよう、サポートする予定である。 【成果の意義・アウトカム】 技術コンサルティングで、契約件数、総額が伸びていることは、依頼企業側にGSJの研究成果や研究者に対する信頼が順調に伸びてきていることを示している。これによって研究成果や地質に関する知見の社会での活用が進み、資源開発、産業立地等でのアウトカムがあったと言える。また、地質相談業務、取材報道対応等でも、一般市民の地質への理解を増進することにつながった。既存の産総研ベンチャーも着実に成長しており、GSJによるサポートが実を結んでいる。 - 8 -

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