平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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・[環境影響評価技術]インベントリーデータ(IDEA)の構築と普及[P120]:世界各国と連携し、特に経済活動の活発なアジア地域を中心としたデータベースの枠組み構築は、エネルギー環境領域の方向性にも影響する重要な活動として評価したいと思います。 ・超臨界地熱発電に関し、100MW級発電プラントを経済性を確保しつつ実現可能であることを示し、NEDOプロの開始に繋がった点を高く評価する。 ・下水汚泥流動焼却炉の市場投入を高く評価する。 ・SiCパワーMOSFETのボトルネックであった信頼性問題を6インチ量産試作ラインで解決し、コンパクトSiCパワーモジュールの導入に道を付けた点を高く評価する。 ・熱電変換技術で発電効率12%を達成し、実用化を見据えた産総研発ベンチャーを創立したことを高く評価する。 ・都市鉱山開発でNEDOプロを始動させ、世界初の廃製品無人選別プラント構築の目処を得たことは高く評価される。 ・環境負荷排出量データベース(IDEA)が広く使用されている点を高く評価する。 ・テーマを絞ることにより、研究者の知恵が入った最先端の成果が出ている。 ・民間資金23.5億円を獲得し、産総研全体の25%を担っており、評価できる。 ・パワエレは、耐久性や量産性など、製造や実用に向けての課題に適切に取り組み、成果がでている。企業からも多くの資金を獲得し、技術移転もできており、産業貢献が顕著である。 (改善すべき点及び助言) ・SIP次世代パワーエレクトロニクスの開発体制では、具体的に何を目指すのかがよく理解できなかった。事業化もゴールが見えてきたSiCパワーデバイスにおいて、どこが産業界の仕事で、何が産総研の仕事なのか、役割分担を明確にした方がよい。 ・SDGsの普及と共に、環境から人権、社会課題の評価に軸足が動いている。第5期への展開が示されている点は良いが、社会の変化に対して、産総研として取り組む研究テーマを具現化して欲しい。 ・SiC、GaN、ダイヤモンド、これらすべてに企業が投資すると思えないので、対象製品を想定したテーマの絞り込みが必要に思う。また平成30年度の成果がどこかが区分しにくかった。 ・LCA結果を監査する組織も設ける必要があるので、民間が実施できる要件も整理し、国際標準機関を日本が持つ視点での提案がほしい ・パワーデバイス材料の広範な展開よりも、MOSFETに偏りがちなデバイスを凌駕する先端デバイス構造の研究の進展を期待する。 ・昨年度、報告された順方向劣化現象の解析は、信頼性向上の上で極めて重要である。少数キャリア寿命の減少による対処策では、デバイスのリーク電流増等につながる危惧もある。メカニズム解明を進め、抜本的な劣化抑制策の発見を期待する。 ・パワエレは知的財産保護が重要と考える。明確な特許戦略のもとに、特許創出を推進していただきたい。 3.領域全体の総合評価 【第4期全体(見込を含む)に対して:見込評価】 (評価できる点) ・昨年に比べて研究成果の進展の説明が分かりやすく、また第4期全体の包括と30年度に特化した説明が明確で、研究成果の理解に大変役立ち感謝している。 ・エネルギー環境領域の研究開発が「低炭素社会」と「産業・環境共生社会」という2つの目標に集約されて、研究の進むべき方向が明確になっていると思います。これら目標を達成するための新しい開発と、産総研がこれまで培ってきた技術シーズを適切に整合させていく作業は困難だったはずですが、生み出された成果はいずれも高いレベルを有し、社会的にも、経済的にも有意義な効果を各方面に与えていることを考えると、第4期の研究開発とそのマネジメントは概ね成功と言ってよいと考えます。 ・評価委員会でFREA、関西センターを見学させていただいたが、地域と密着した、出口に近い実用化研究を、着実に進めておられる姿勢に深い感銘を受けた。 ・パワーエレクトロニクスでは、国プロから民間資金を活用したオープンイノベーション・プログラムへと着実にスキームの変革がなされている点を高く評価したい。 ・「定地型エネルギー技術から移動型エネ技術へ」、「要素技術からシステムへ」という将来認識は重要です。太陽電池の巻き返しやパワエレの比較優位の拡大など、この方向で海外に勝てる技術を伸ばしていただきたい。 - 122 -

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