平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
123/132

達成の鍵となるコア技術のアピールがないため、成果が過小評価される可能性があります。改善ポイントとブレークスルー技術を強調した表現が必要と思います。 ・[太陽光発電]CIGS薄膜化合物太陽電池の高効率化[P80]:既に世界最高効率を達成している状況において、さらに性能を向上させるには、熱光照射効果のメカニズム解明と性能向上を結び付けるロジックが必要と考えます。 ・[太陽光発電]太陽電池性能屋外高精度評価技術[P81]:光源やキャリブレーションに関する技術が成果に含まれていると思います。重要な技術であり、是非アピールしてください。 ・[物質循環]環境微生物解析手法における対象微生物種の拡充と産業廃水汚泥への適用[P89]:真核生物を特定は、汚水処理対策にどう反映されるのでしょうか。研究開発の出口に直結した成果を強調してください。 ・[物質循環]逆浸透(RO)膜ろ過法における膜閉塞機構の解析[P90]:水の問題は、水不足、飲料水、各種産業、災害など全人類が今後直面する最大の課題につき、産総研殿が主導しあるいは方向性を示して実行的対策に結び付くよう、本研究を拡大・発展させていかれることを希望します。 ・[物質循環]逆浸透(RO)膜ろ過法における膜閉塞機構の解析[P90]:閉塞原因物質の解析結果を対策に役立てるのは、具体的にはどの組織が担うかを明確にしていただきたい。 ・[物質循環]戦略的都市鉱山構築のための金属回収技術の開発[P91]:例えば溶融塩電解でネオジムとジスプロシウムの相互分離技術を実用化する上で、技術以外にどのようなハードルがあるかを今後明確にすることを期待します。 ・PVは、一つ一つのデバイスの年度目標を達成しているが、コスト目標に対しどの位置づけにあるか、成果の意義に記載がほしい。 ・物質循環は、成果によりこれまで困難だった場所や課題が解決できる例えを示してもらうと学術的価値だけでなく産業として波及する範囲への利用という視点の理解が進む。 ・今回は、太陽光発電や物質循環に係わる研究開発が示された。総じて、産総研の貢献は、評価できる。特に、太陽電池のモジュールや評価技術の研究開発でも、さらなるリーダーシップを期待する。 ・エネルギーネットワークやエネルギーマネジメントの研究開発も重要である。 ・ロードマップ、ベンチマークの練り上げ。マイルストンの明確化。例えば、セルモジュール性能評価技術などは3つのフェーズにわたるが、少なくとも各フェーズで何を目指すのかを明確にできないか。 (3)「橋渡し」研究後期における研究開発 【第4期全体(見込を含む)に対して:見込評価】 (評価できる点) ・先進的なパワーエレクトロニクス技術に関しては、つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC)を立ち上げ、SiCウエハの超低抵抗バルク成長や高耐圧厚膜ウエハの開発、SiCデバイスではトレンチ型MOSトランジスタの量産レベルでの開発、更には高温・高速動作を実現するためのパワーモジュールの試作など、国内におけるパワーエレクトロニクス開発の総本山として機能し、産業界との密接な連携のもと、パワーエレクトロニクス技術の基盤技術から最終製品に至る開発を可能とした産総研研究者の絶え間ない実績に敬意を表する。 ・環境影響評価技術に関しては、ナノ材料のリスク評価やライフサイクルアセスメント(LCA)の根幹であるインベントリデータベース(IDEA)を高度化し、3,800以上の製造プロセスを網羅するアジア唯一のデータベースを構築し、世界的に拡大しているLCA開示に対して、日本の製造業がLCAを実施可能とした点は日本の企業が国際競争力を失うことなく、世界に進出する上で大きな支えとなっている。 ・[パワーエレクトロニクス]炭化ケイ素半導体(SiC)パワーデバイスの量産実用化技術開発[P107]:量産実用化において特筆される成果であり、次年度のスイッチング特性と破壊耐性向上の計画も期待できると思います。 ・[パワーエレクトロニクス]超高圧領域用炭化ケイ素(SiC)半導体バイポーラデバイス[P108]:性能だけでなく、劣化の抑制を目標に設定している点は評価できると思います。 ・[パワーエレクトロニクス]1kV級高温高速動作SiCパワーモジュール[P109]:SiCパワーモジュールにおけるユーザーの要求は第一に小型化です。熱の問題が大きいはずであるのに、一般市販品に対して1/4サイズが実現できたことは特筆すべき成果と考えます。 ・[環境影響評価技術]事業者による工業用ナノ材料の安全性評価のガイダンス[P116]:ナノ材料を使用する産業、ビジネスの拡大が予想されるので、労働者の安全に欠かせない技術的指標作成の意義は非常に大きいと思います。社会的責任も背負った重要な研究と考えます。 - 119 -

元のページ  ../index.html#123

このブックを見る