平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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きると考えます。 ・[太陽光発電]太陽電池性能屋外高精度評価技術[P81]:太陽電池プラント設置後の性能変化を、気象に影響されず、簡便に客観的評価ができることで、性能劣化の大きい海外製粗悪品排除が可能になるでしょう。評価技術の標準化も含め、重要な成果と考えます。 ・[物質循環][P87, P88]日・米・欧・中の各国の「水」「金属資源」研究戦略、政策をしっかり分析している点が高く評価できる。 ・[物質循環]環境微生物解析手法における対象微生物種の拡充と産業廃水汚泥への適用[P89]:広範囲の産業廃水汚泥の解析が可能になることは、生物的廃水処理の高効率化に寄与し、我が国の世界への水ビジネス展開の基礎となることが期待できる。 ・[物質循環]逆浸透(RO)膜ろ過法における膜閉塞機構の解析[P90]:水の膜透過を阻害するファウリング現象の解明は、有用な対策を打つ根拠となり、膜長寿命化とメンテナンスコスト低下に有用と考えます。バイオフィルムの可視化分析と周波数応答分析でファウリング検知技術が確立されれば、世界の水問題の解決に有益で、メンテナンス事業への展開も可能でしょう。 ・[物質循環]戦略的都市鉱山構築のための金属回収技術の開発[P91]:都市部の産業廃棄物を埋蔵資源と捉え、再利用する優れた発想を低コストで具現化する技術が着実に開発され、既にスケールアップの段階にあることは高く評価できます。 ・別添-1. メタンハイドレートからのガス生産に係る圧力コア評価技術の開発[P94]:圧力コア挙動の理解が進展することで、ガス生産プロセスの効率化に貢献し、早期実用化に繋がると期待できます。 ・別添-2. 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の耐久性評価方法開発[P95]:SOFCの開発が実用化フェーズに入りつつあり、これまでの研究開発成果が技術コンサルタント、共同研究に繋がっている点が評価できると思います。 ・高効率Si太陽電池について低コストプロセスを開発した点、スマートスタック技術により高効率多接合太陽電池の開発に成功した点、世界一の成膜速度を有するHVPE装置を開発した点は、次世代太陽電池技術に繋がるものとして高く評価する。 ・メチルシクロヘキサン、アンモニア、ギ酸と水素エネルギーキャリアの高効率利用技術の開発を高く評価する。水素エネルギーに対する世界的関心の高まりは、産総研戦略の正しさを証明している。 ・全固体電池開発において、非Li系全固体電池によって188 Wh/kgを達成した成果を評価する。 ・一つ一つのテーマの目標達成はできつつある。また、掲げたロードマップ、ポートフォリオに示したテーマが予定通り進行している。 ・太陽光発電では、III-V族//シリコン3接合による高効率達成、化合物半導体でも世界最高成長速度達成、CIGS薄膜化合物で最高効率達成など、先端の成果が達成できている。 ・物質循環では、真核生物特定の成果を踏まえ、今後実利用に向けた微生物情報の蓄積が期待できる。 ・特に、太陽光発電は、クリーンエネルギー社会の将来を担う技術であり、さらなる発展を期待する。 ・太陽電池高性能化に関しては、いずれのテーマも顕著な進捗が得られている。モジュール変換効率はNEDOの目標を上回る成果が得られている。個別要素技術のみならず、性能評価やシステム安全性評価など、運用時に必要となる基盤的技術に取り組んでいることも評価される。 (改善すべき点及び助言) ・橋渡し前期からは具体的な応用分野や実用化までのロードマップが必要であり、全体的に要素技術の開発に終始している点が気になる。いずれの技術も産業界と協力して、どこに市場を作るのか、具体的なビジネスモデルを立て、実用化に向けたコストパフォーマンスも含めた技術の出口を明確化した方がよい。そのための研究管理におけるフェーズゲート設定も重要である。 ・[太陽光発電]スマートスタック技術による高効率多接合太陽電池[P78]:量産時は、一括転写技術を使った経済性、変換効率のばらつき、製造コスト、耐久性なども問われるため、総合的なコスト構造分析と経済評価を実施できるレベルを目指してください。 ・[太陽光発電]低コストHVPEによるⅢ-Ⅴ族化合物太陽電池の超高速成長[P79]:世界最高速度を実現させた結晶成長技術のコアについて、海外特許を含めた権利化をお願いします。 ・[太陽光発電]低コストHVPEによるⅢ-Ⅴ族化合物太陽電池の超高速成長[P79]:来年度予定の、Al系材料の導入によるリスクヘッジを十分検討すると同時に、製造コストなど具体的な目標に対する達成率を評価するようにお願いします。 ・[太陽光発電]CIGS薄膜化合物太陽電池の高効率化[P80]:既に世界最高効率を達成している状況において、さらに性能を向上させるには、熱光照射効果のメカニズム解明と性能向上を結び付けるロジックが- 116 -

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