平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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・[水素]ギ酸・メタノール/CO2の相互変換を利用したエネルギー貯蔵[P59]:低温、低電位でのCO2電解還元とメタノール合成反応の成功は、 マイルドな条件でのエネルギー貯蔵が可能、つまり低コストでのエネルギー利用につながる画期的な成果だと思います。来年度、高性能化に向けた開発への基礎が完成したと推察します。 ・[水素]太陽エネルギーを用いた光電気化学的な反応による有用化学品製造[P60]:副反応なく生成物を得る技術は、目的物質を狙って反応を制御できることを意味しており、非常に価値ある成果だと思います。 ・[水素]アンモニア製造利用技術[P61]:水素キャリアとしてアンモニアを用いる水素エネルギーシステムにおいて不可欠な、アンモニアタービン技術とアンモニア合成技術の実用規模における実証は非常に有意義な成果であると思います。 ・[水素]未利用炭素資源からのCO2分離型発電技術の開発[P62]:いわゆる副産物としてのCO2利用技術適用は、未利用炭素資源利用技術において必須の条件であり、この利用技術の見通しを得られたことは大きな前進として評価できると思います。 ・[水素]再生可能エネルギーを用いた水素エネルギーシステムの実証研究[P63]:システムの自動運転実証完了は、技術的には完成したことを意味していると思います。経済性の成立はまだですが、いつでも事業を開始できる状態に漕ぎ着けた意義は大きいと思います。 ・別添-1. ナノ・メソ・マクロ解析による水素脆化の基本メカニズム解明[P66]:今年度の進展は、「水素脆化を水素が抑制する」という現象を発見し、モデル化したという理解ですが、水素脆化抑制対策につながる可能性があり、非常に優れた成果といえます。 ・別添-2. 超臨界地熱発電技術の研究開発[P67]:試掘に向けた調査に着手したことは大きな前進であり、研究成果に説得力を与えることができると期待しています。 ・別添-3. 未利用エネルギーからの電力回収に向けた熱電変換の高効率化:変換効率を7%から12%に大きく向上できた原因が構造にあったことは、さらなる構造最適化の可能性もあると考えます。 ・別添-3. 未利用エネルギーからの電力回収に向けた熱電変換の高効率化:変換効率向上は直接的な低コスト化であり、実用化にむけて大きな弾みになると思います。エネルギー損失は88%と、改善の余地はまだ残されており、今後を期待したいと思います。 ・別添-4. ダイヤモンド半導体基盤技術:ウェハサイズが2cm2に到達したことにより、実用化開発が加速されると思います。特に宇宙空間のシングルイベント耐性など、衛星通信分野の衛星軽量化、データ転送量増大などに貢献する半導体増幅器への適用を期待しています。 ・EV用二次電池の開発にて、現行LIBの3倍の走行距離を見込める金属多硫化物正極材料の開発に成功した点を高く評価する。 ・熱電変換効率12%を達成した点を高く評価する。 ・2つのテーマともテーマを絞って、世界最先端の成果が出ている。 ・個々には、優れた成果が得られていると考える。 ・全体として、高インパクト・ファクターのジャーナルへ高被引用の論文を発表しており、評価できる。 ・熱電変換材料等については、興味ある結果が得られているが、新規性を明示して欲しい。性能指数ZTは2程度でしょうか?ZT>10を目指すような展開を期待する。 ・二次電池については、個々のテーマに進捗が見られ、出力密度などで目標値を達成している。新型カリウムイオン電池については多くの特許が創出されている。水素についても個々のテーマで着実に成果がでており、橋渡し前期、後期へのフェーズの移行が行われている点も評価される。アンモニア製造は、特筆すべき成果と言える。 (改善すべき点及び助言) ・水素社会の実現は安全認証が将来的な鍵といえる。また、認証制度との相性も非常によい分野と言える。国際的な競争力を高めるうえでも、認証試験なども視野に入れた国際標準化を準備する時期ではないか。 ・褐炭からの発電技術やメタンハイドレード技術は興味深いが、昨今のESG投資などの現状を踏まえて将来的に企業で実現可能にするためのシナリオ構築や政策的な戦略での支援も視野に入れてほしい。 ・蓄電池の開発では、米国はじめ、多くのベンチャー企業が台頭してきている。日の丸日本の開発体制で将来的に対抗できるのか。海外ベンチャー企業とのベンチマークやAISTとしての優位点を説明することも必要である。 ・新型カリウム電池の関連特許が24件と際立っている点は大変すばらしい。一方で、他の電池材料では論文は多いが、特許出願が少ない点が気になる。 ・[P40] 平成30年度の論文引用数は目標達成ですが、投稿論文数が落ち込んでいます。論文は数ではなく- 114 -

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