平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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以外にも各ユニットにおける特筆すべきテーマを紹介し、将来的なビジョンや研究スケジュールなどを議論する場としてもよいのではないか。目的基礎研究での議論が、その後の橋渡しへ繋がっていく重要な時期と考えられる。 ・水素に関しては、JSTではSDGsの取り組みとして取り上げられているにも関わらず、産総研上ではSDGsへの貢献にあまり触れられていない点が残念。本件にとどまらず、本領域の研究活動はSDGsへどのように貢献しているかという観点からの紹介も必要。 ・マテリアルインフォマティクスやAIの導入で、最近の材料開発は目覚ましく進歩しているが、産総研での導入度合いはどの程度なのか?それにより、材料開発がどの程度短縮されたかを示してほしい。 ・[蓄電池]金属多硫化物正極材料の開発[P47]:バナジウムはレアメタルに属し資源的に偏在した元素ですが、埋蔵量は世界規模の供給に耐えられるでしょうか。資源的検討をお願いします。 ・[蓄電池]金属多硫化物正極材料の開発[P47]:電気自動車用の利用形態として、1年間50サイクルを10年と仮定すると、最低でも500サイクルは必要だと思います。100サイクルで必要寿命を見通せるとは言えないので、加速方法など評価方法の検討をお願いします。 ・[蓄電池]金属多硫化物正極材料の開発[P47]:電解液量の制御は、電池製造における課題であり、軽量化とは直接関係しないように思えます。電解液量を極端に少なく抑えるのなら別ですが、電解液量に関するメリットの再検討をお願いします。 ・[蓄電池]新型カリウムイオン電池の開発[P48]:テルル、カリウムなど比較的重い元素で構成された活物質では、重量エネルギー密度の達成は難しいのではないでしょうか。エネルギー密度としてのメリットがなければ、現行品に置き換わる可能性は低いと思われます。理論エネルギー密度を正極材単体、電池としての検討をお願いします。 ・[蓄電池]金属-空気電池用材料の開発[P49]:自動車用を目指すのであれば、空気中から取り込む酸素を酸化剤とする場合、CO2や埃などのフィルター、ポンプ、浄化プロセスのコスト増、重量増があるはずです。全体システムのメリットデメリットのトレードオフが必要です。また、他のアプリケーションで使える場合もあるので、アピール先の検討も必要と考えます。 ・[蓄電池]硫化物系全固体電池の実用化に向けた取り組み[P50]:重量エネルギー密度は現行のリチウムイオン電池より高いレベルを目指し、その戦略を明示してほしい。 ・[蓄電池]硫化物系全固体電池の実用化に向けた取り組み[P50]:全固体電池の課題は、水分管理のシビアさなど製造にかかるコスト増をどのようなメリットで補償するかを示さなくてはなりません。安全性もその一つですが、定量的表現は困難です。 ・[水素]ギ酸・メタノール/CO2の相互変換を利用したエネルギー貯蔵[P59]:技術的な課題解決と並行し、経済性の成立、CO2削減効果など、システム導入時のメリットを定量的に把握することが重要だと思います。課題を技術的に解決できるか否かのリスク、技術以外で解決可能かどうかの判断など、最終年度に向けて総括をお願いします。 ・[水素]太陽エネルギーを用いた光電気化学的な反応による有用化学品製造[P60]:有用化学品を高効率で製造できる光触媒を見出し、開発するには優先順位があると思いますので、判断基準を明示していただけないでしょうか。産業界が望むもの、コストの劇的な低減、有用な副産物の生成、触媒コストなど、判断軸は多岐に亘ると思います。 ・[水素]アンモニア製造利用技術[P61]:水素貯蔵に毒性と腐食性があるアンモニアを使うシステムにおけるもう一つの重要な課題は輸送です。輸送に関する課題に関する評価委員会でのご回答は、既に輸送インフラは整っているというものでした。しかし、水素社会になればこれまでの輸送量とは桁違いに大量のアンモニア輸送が必要となり、安全性の課題を一度整理しておくことも今後の研究開発にとって重要と考えます。 ・[水素]未利用炭素資源からのCO2分離型発電技術の開発[P62]:EORは石油の採掘場所、採掘時期しかCO2の利用がありません。国内ではEORの用途はほぼないので、分離した高濃度CO2の有用な利用方法を考えて欲しいと思います。 ・別添-1. ナノ・メソ・マクロ解析による水素脆化の基本メカニズム解明[P66]:モデル化完成後には、対策への道筋を提示できるレベルまでもっていってほしいと思います。材料的ブレークスルーが必要であるならば連携先の模索も必要でしょう。 ・別添-2. 超臨界地熱発電技術の研究開発[P67]:NEDOから示されているように、経済性の評価、超臨界水に耐える材料と機器の開発、環境破壊の最小化などを並行して進める必要があると思いますので、これらを考慮した開発ロードマップの策定をお願いします。 ・論文数が前年比減であるが軽微であり、とくにマイナス評価とは思わない。 ・研究者評価では、国際指標ということでどうしても高インパクトファクター(IF)雑誌への投稿数が表- 112 -

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