平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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イクル容量維持率の両性能が現行材料を上回る目途がたてば、VS4に置き換えられていく可能性があると思います。 ・[蓄電池]新型カリウムイオン電池の開発[P48]:リチウムに替わるコストの低いカリウム系材料系の候補を見いだし、実証まで達成すれば二次電池の選択肢の幅が広がり、社会の多様な要求に応えることができ、意義があると思います。 ・[蓄電池]金属-空気電池用材料の開発[P49]:白金だけでなく、レアメタルフリーの正極触媒は世界でも成功実施例がほとんどなく、画期的な二次電池が期待できます。 ・[蓄電池]硫化物系全固体電池の実用化に向けた取り組み[P50]:寿命特性に及ぼす製造プロセスの影響を評価しながら、重量エネルギー密度を現行のリチウム二次電池レベルに近づける目途がたってきた点で評価できます。 ・[水素]ギ酸・メタノール/CO2の相互変換を利用したエネルギー貯蔵[P59]:ギ酸を水素キャリアとした研究で重要なポイントは、CO2の水素化とその逆反応効率の最大化と、変換に伴うエネルギーロスを最小化できるかです。カギとなるCO2の水素化触媒技術が見通せたことは、本格的な水素貯蔵技術の開発に道を開く成果として評価できます。課題も多く見いだせたと思いますので、次期フェーズに向けた詳細なロードマップの構築を期待します。 ・[水素]太陽エネルギーを用いた光電気化学的な反応による有用化学品製造[P60]:有用化学品の効率的製造に着目し、化学工学分野の省エネ化と高効率化に寄与する技術を支える意義は評価できます。 ・[水素]アンモニア製造利用技術[P61]:水素貯蔵技術の本命技術の一つと認識しています。既存の社会インフラとの親和性を図る上で不可欠なアンモニア合成プラントとアンモニアガスタービンが実用化できれば、水素貯蔵技術はほぼ完成を見ることになり、次世代エネルギー循環システムとして期待が持てると思います。 ・[水素]未利用炭素資源からのCO2分離型発電技術の開発[P62]:褐炭から得られるエネルギーは通常の石炭に比べて低いですが、埋蔵量は石炭の半分を占めます。本研究におけるCO2の分離回収装置を使えば、これまで使えなかったエネルギーをCO2フリーのエネルギーとして利用可能になり、人類貢献という意味で意義深い技術であり、評価できると思います。 ・[水素]再生可能エネルギーを用いた水素エネルギーシステムの実証研究[P63]:システムの自動運転実証完了は、技術的には完成したことを意味していると思います。経済性の成立はまだですが、いつでも事業を開始できる状態に漕ぎ着けた意義は大きいと思います。 ・太陽電池モジュールに関し、スマートスタック技術の開発により、高効率太陽電池の低コスト化実現に向けた研究が進展した点を高く評価する。 ・EV用二次電池の開発にて、現行LIBの3倍の走行距離を見込める金属多硫化物正極材料の開発に成功した点を高く評価する。 ・熱電変換効率12%を達成したことはすばらしい。 ・MCH、ギ酸、アンモニア等の水素・エネルギーキャリア材を幅広く、かつ利用技術を視野に入れつつ研究展開している。 ・電池・水素の開発シナリオを国・NEDOのロードマップに連動させて作成し、計画に沿った成果を出しつつある。 ・電池では、材料創製のテーマが多くあるが、それぞれ世界先端の結果が得られており、ロードマップに示す時期に成果が出せると見込める点が評価できる。水素では、ギ酸の触媒反応に着目しこれまでにない反応プロセスを実現させることや、CO2フリーアンモニアというコンセプトを先行して実証させるなど、水素基本戦略のカギとなる研究成果が出つつある。 ・個々には、優れた成果が得られていると考える。 ・全体として、高インパクト・ファクターのジャーナルへ高被引用の論文を発表しており、評価できる。 ・水素脆化現象の解析や電池の表面や界面の解析など、基礎研究も進展しており、材料改善に貢献できるインパクトを期待する。 ・難しい課題へのチャレンジだが、個々のテーマにおいてエネルギー密度などのメトリックが大幅に改善されており、第4期としてNEDOの目標値を上回る成果が見込まれる。論文被引用数は毎年目標を達成しており、優れた研究成果の結果として評価される。論文数もおおむね目標を達成している。コア技術創出の最初のフェーズとして、本質課題に立ち向かいそれを克服する努力が評価される。 (改善すべき点及び助言) ・産総研に期待される目的基礎技術は他者を圧巻するブレークスルーの種である。その観点からは、2つのテーマに絞ることなく、別添資料に掲載されているような熱電変換や地熱発電、ダイヤモンド半導体- 111 -

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