平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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ングなどへの若手研究者のチャレンジがあっても良いと思う。 ・[(1)領域全体の概要・戦略][P13] 「省エネ型から創エネ型水処理へのパラダイムシフト」について、ロードマップではもう少し具体的な内容に言及していただきたい。水を有効に利用した発電システムの構築でのアジア貢献という理解でしょうか。 ・[(1)領域全体の概要・戦略][P16] 民間資金の獲得額は、前年度と比較して増加しているが、平成30年度目標の達成は見込めそうにありません。この目標を来年度も維持するのであれば、今年度の民間資金未達の原因を詳細に分析し、具体的対策に落とし込む必要があると考えます。 ・[(1)領域全体の概要・戦略] [P17] 民間資金獲得として、直接的な資金ではないですが、大学のような寄附講座、あるいは複数の大学を束ねた講座をもっと検討してはどうでしょうか。民間資金の獲得だけではなく、社会のニーズをリアルタイムに捉えることができます。 ・[(3)マーケティング力の強化][P25] ISO/IECの活動において、各TCの国際議長の任は大きな労力であり敬意を表します。日本産業界の意向を吸い上げて、国益に沿った標準作成は、国際アピールにもなり、産総研殿しかできない活動だと思います。エネルギー環境領域がカバーする専門領域の広さを考慮すると、標準作成の中心となるプロジェクトリーダの人数は、もう少し多くてもよいと考えます。 ・[(4)大学や他の研究機関との連携強化][P27-29] 国内・国際連携の方針・目標とその内容は明確になっていると思いますが、連携で達成された学術的あるいはビジネス創出の成果をフォローしてアピールして欲しいと思います。“連携”だけが目的では残念です。また、成果を求めることが次の連携に繋がるし、ネットワークの拡大に直結すると思います。またこの活動こそが、“基礎体力”増強の源泉ではないでしょうか。 ・民間からの研究資金目標未達が本当の課題か心配します。産総研として民間の資金で非公開の研究を進めることが国民にとって良いことかの指標が必要。得られた知見のうち科学技術の発展に寄与することが論文として発表するなど税金をもらって仕事をしている研究者の創出した知恵を社会へ還元することもマネジメント課題に思う。 ・スローガン”産業界ご利用頂きやすい”や「橋渡し」機能を重視し、民間資金の獲得を重視していることは良い事だと思う。しかし、このような目標を重視し過ぎると、研究内容が短期的な近視眼的な研究開発になりがちで、”世界最高水準”を目指す研究開発とのバランスを持って、研究開発を進めて欲しい。 ・基礎体力増強の結果が民間資金獲得大につながるという考えは間違っていないと思うが、資金獲得には何かしらの追加的対策が必要ではないか。課題分析をさらに掘り下げて、それに対する具体的アクションが求められる。 ・Society5.0への取り組みは検討されてはいるが、来年度は具体的なテーマの立ち上げに期待したい。 2.「橋渡し」のための研究開発 (1)「橋渡し」につながる基礎研究(目的基礎研究) 【第4期全体(見込を含む)に対して:見込評価】 (評価できる点) ・蓄電池に関しては、先進リチウム電池とともに、ポストLi電池も見据えたロードマップを策定し、研究開発を進めている。 ・先進リチウム電池では、正極材候補の硫黄材料から非晶質金属硫化物での高容量化を確認し、314Wh/kgのエネルギー密度を達成したことは大きな成果と言える。また、シート型硫化物全固体電池の製造プロセスの開発や、リチウム-空気電池やリチウム-硫黄電池などの革新型高容量リチウム電池の高効率化・高耐久化に資する基礎技術が大きく進展している点を確認した。これらの技術は、低炭素社会の実現や蓄電分野での国際的競争に寄与できる可能性が高い。 ・エネルギー貯蔵・輸送技術に関しては、メチルシクロヘキサン、アンモニアなどの水素・エネルギーキャリアの高効率利用技術、水電解装置、水素吸蔵合金を用いた水素貯蔵、燃料電池など、水素を用いたエネルギー貯蔵技術において大きな進展が得られた。再生可能エネルギーの課題である変動するエネルギーを必要な時に利用できるという技術の克服であり、水素社会の実現に一歩近づいたといえる。 ・[P46]公的機関による二次電池の研究開発動向とターゲット一覧は、各機関・各国が何の材料に注力し、どの研究開発としのぎを削っているのか、協力関係にあるのかを見渡せます。また、この表を継続的にアップデートすれば、スタンダードになる材料、技術は何かがわかる整理された表であり、開発計画立案時に重要な表だと思います。 ・[蓄電池]金属多硫化物正極材料の開発[P47]:電池に必要な基本性能として、エネルギー密度と充放電サ- 110 -

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