平成30年度研究評価委員会(エネルギー・環境領域)評価報告書
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評価委員コメント及び評点 1.領域の概要と研究開発マネジメント 【第4期全体(見込を含む)に対して:見込評価】 (評価できる点) ・産総研は第4期中長期目標として「持続可能な社会の構築」を最上段に掲げ、それを受けて当領域は低炭素社会の実現手段として創・蓄・省エネルギー技術の開発、また産業と環境が共生する社会の実現手段として物質循環技術やライフサイクルアセスメント(LCA)、ナノ材料などの環境影響評価法の開発を通し、産業界と連携し、多大な研究成果を創出してきたことは高く評価できる。 ・特に本領域では重要な指針であるエネルギー問題に関してフォアキャスト、バックキャスト両面から定量的にロードマップ(RM)を策定し、それをブラッシュアップして具体的目標値の精度を高めている。 ・第4期を通して、着実に論文引用数が増え、また論文発表数も着実に増加している点は、産総研の先端研究の質の高さを示すものであり、今後も継続して発信してほしい。 ・国内外研究機関との比較を民間資金獲得額や相対引用度CNCIで示すなど、ベンチマークが進化している。 ・技術コンサルティングは大幅な伸びを見せ、大きな貢献となっている。 ・[(1)領域全体の概要・戦略][P12,P13]世界各地で水の安全確保に危機的状況が今後予想さますが、水の有効利用と保全技術などの水循環技術は日本が得意とする分野であり、国際貢献の期待も高まっている。こういった背景の元、水循環技術の開発に着手した先見性は高く評価できると思います。 ・[(1)領域全体の概要・戦略][P15] 領域が目指す目標を「Zero-Emission Society」というわかりやすい端的な言葉で表現することで、研究開発のベクトルが揃うことになり、大きな成果を生むための基盤、目標が明確になっていると思います。 ・[(1)領域全体の概要・戦略][P15] 欧米では方針や政策がトップダウンで決定される傾向が一般に強いと言われていますが、これはマネジメントが優れているという前提のやり方です。これとは異なり、ミドルレンジの人材を中心とした現場主義を目指す戦略をとるということは、マネジメント能力の差が如実に現れるため、突出した成果を期待する実力主義の組織としては合理的であると理解できます(※トップのマネジメントは、底上げが必要でしょう)。 ・電源構成シミュレーション精度の向上。 ・FREA被災地企業の地場企業シーズ支援に成果が出ている点。 ・「急がば回れ」方針は成果主義の弊害が露呈しつつある中、卓見であり、強く支持する。 ・民間資金獲得は目標値を下回っているが、目標値が領域現状のマンパワーを踏まえているとは言い難く、産総研全体の17%の研究者で産総研全体の25%の民間資金を獲得している成果はきわめて素晴らしい。 ・創エネ・省エネ・蓄エネの3つの柱、産業・環境共生の2つの柱に沿って、それぞれシナリオを作成し、戦略的にテーマ選定を行い、指標のKPIをマネジメントしながら、研究の上流から応用の下流まで人材育成を、海外を含め包括的に進めている。これら全体を戦略的に行うため、国の方針・ベンチマークによる他国との比較を通じ、産総研の強みをより引き出すテーマに絞る考え方を整理して示し、研究員がわかりやすく、また外部から見てもわかりやすいマネジメントになっている。 ・それぞれのKPIが着実に改善され数値が向上している点は、このマネジメントが有効に機能していることを示していると判断できる ・領域は、今後、人類や文明の維持発展に重要なエネルギー・環境問題の課題設定、研究テーマ設定、研究マネジメントがなされ、今後とも、社会に貢献することが期待できる。 ・創/蓄/省の技術区分けをもとに、個々の研究開発ターゲット、研究テーマ内容が明確に設定され、多くの研究開発成果が期待できる。 ・中長期ロードマップにそって研究が遂行されている。2050年のあるべきエネルギー構成をシミュレーションし、その結果が研究提案に活用されている。 ・「急がば回れ」のとおり、メカニズム解明から地道な研究の成果がでており、論文数や引用数は第4期全体通して目標達成と結果に現れている。 ・FREA被災地企業のシーズ支援は、取り組み自体が評価されるが製品化など成果も現れている。 ・コンソーシアムを通して、大学・企業・研究機関のハブとしての機能を果たしている。 ・内外の人材育成に注力し、優秀な人材が育っていることがうかがえる。また国際標準化活動も評価される。 - 107 -

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