平成30年度研究評価委員会(エレクトロニクス・製造領域)評価報告書
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国立研究開発法人 産業技術総合研究所 平成30年度 研究評価委員会(エレクトロニクス・製造領域) 評価資料 1.領域の概要と研究開発マネジメント (1)領域全体の概要・戦略 【背景・実績・成果】 第5期科学技術基本計画に基づいた「Society5.0」の実現に向けて、我が国が「超スマート社会」を世界に先駆けて実現するための研究開発が求められている。エレクトロニクス・製造領域は、第4期中長期目標期間(以降、「第4期」)において、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代に必要とされるサイバー(仮想:Cyber)空間とフィジカル(現実:Physical)空間を高度に融合させたCPS(Cyber Physical System)の基盤を創出する研究開発に取り組んだ。すなわち、(1)膨大なデータ処理と通信に対応した高性能で省エネルギーなハードウエア、(2)あらゆるモノをサイバー空間につなげるためのセンシングシステム、および(3)CPSを活用して高生産性で高付加価値なものづくりを実現するスマート製造に関する研究を「目的基礎」、「橋渡し前期」、「橋渡し後期」のフェーズで展開した。 当領域では、研究資金の割合を「運営費交付金:公的外部資金:民間資金=1:1:1」のバランスを意識し、公的資金については国の政策的予算や科研費等の競争的資金を獲得し、民間資金については技術コンサルティング(技術コンサル)や研究シーズを活用した共同研究等を主とした橋渡し研究を展開することにより研究予算を獲得した。運営費交付金は、研究現場が外部資金を獲得するモチベーションを高めるように外部資金獲得額に応じたインセンティブ予算として配分するとともに、研究現場からのボトムアップ提案による基礎研究テーマに対しても予算を配分し、両者のベストミックスを心掛けた。PDCA(Plan-Do-Check-Action)のための評価指標である外部資金獲得と論文執筆の実績を研究ユニットに展開・共有し、現場が強み弱みを自覚した上で基礎と応用の両方でパフォーマンスを最大化するマネジメントを実践した。 とくに共同研究等による民間資金獲得については現場のリソースが有限であることを考慮し、件数を増やすよりも規模の大型化を図った。その結果、民間資金の獲得額は、第4期に入り着実に増加し、平成27年度の民間資金獲得額は6.5億円で所内交付金の3分の1程度だったところを、平成29年度には11.9億円となり、平成30年度は12月時点で14億円近くに達した。民間資金獲得額の目標達成に向けて、とくに民間企業との共同研究については、必要に応じてイノベーションコーディネータ(IC)がサポートを行い、規模の大型化を促進した。平成30年度後期には、月毎に計画中および交渉中の連携案件の進捗状況を調査することで現場の意識を高め、最終年度の目標達成に向けてさらなる獲得額の増加を図った。 論文発表数および合計被引用数の目標達成に向けた領域の取り組みとして、平成30年度には毎月のユニット長連絡会にて、論文発表促進に関する各研究ユニットの問題意識やマネジメント例を互いに共有して議論することを通じて、論文発表の量と質の向上策をより有効なものとした。 知財については、特許出願の内容を精査するとともに、権利化された知財についてはIP(Intellectual Property)実用化プロジェクトを領域内で実施し、展示会出展可能なレベルの試作品レベルまでの具現化をサポートして、当該技術のポテンシャルユーザへのアピール効果を高めた。 多様な専門性を持つ個々の研究者らで研究ユニットの壁を越えた研究チームを編成することにより、連携研究の促進に取り組んだ。具体的には、領域間連携には企画本部の「戦略予算」を活用するとともに、領域独自の「フィージビリティスタディ(FS)連携制度」により領域内外の- 5 -

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