平成30年度研究評価委員会(エレクトロニクス・製造領域)評価報告書
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開発が課題であり、産総研ではIoTセンサ応用などの用途開発に協力することを検討する。また、用途展開を広げるにはコーティングコストの低減に課題があり、これには、産総研は成膜メカニズムの詳細な解析に取り組み、先進コーティングアライアンスを活用してこれらの知見を粉体メーカーに展開し、複数社連携の実用化開発に取り組む。光MOD法による高輝度蓄光膜の開発では、風雨や紫外環境下での信頼性試験が必要不可欠であるため、建物や高速道路での実証試験を行うことで信頼性評価、課題抽出を行う。 ●印刷フレキシブルデバイス(ウェアラブルセンサ、ストレッチャブルデバイス)の開発 印刷フレキシブルデバイスを商品として市場に展開させるためには、製造コスト削減が課題となっている。とくに、新規開発材料に基づく新製品は、材料コストが大きく、普及の壁となっている。その対応として、多様な用途のデバイスの製造プラットフォーム化や、デバイスの基本仕様の標準化、カスタマイズ製品の共通仕様化を推進することで、製造コスト削減を実現する。 ●極微量ウイルスの検出が可能な外力支援近接場照明バイオセンサの開発 外力支援近接場照明バイオセンサは、その性能を高感度検出に特化していることから、機能面で、定量性向上と広ダイナミックレンジ化が課題となっている。現状の性能でも、検出そのものは問題ないが、これらの性能向上により、装置の信頼性向上が実現でき、さらには、環境中のウイルス検知センサとしてだけでなく、感染患者の発症前診断を可能にする診断装置、がんや認知症などの早期診断が可能な在宅医療機器などとしての利用シーン拡大が期待される。いずれの課題も、ビーズの大きさや濃度、試料セル形状の改良や最適化によって改善できる見込みである。また、実用化に向けては、利用シーンに応じた、消耗品の補給機構やウイルス廃液の処理機構なども検討しなければならない。これらの実装関連の課題に関しては、連携先企業と議論しながら開発を進める。 ●センサ用高圧電性材料の開発 新規の窒化物薄膜は計算によって予測されたもので、実際に作製可能かどうかが大きな課題である。その対応として、統計学的な手法である実験計画法などを用いて、作製プロセスの制御因子の詳細に検討する。 ●スマート製造ツールキットの開発 スマート製造ツールキットを用いて企業が独自のスマート製造化に取り組むことが可能となったが、一方で専門家に依頼して市販のツールおよびプラットフォームでスマート製造化を進める企業も存在する。それぞれの取り組みの効果を最大化するためには、それぞれが扱う情報に関する相互接続性が重要である。データ標準化に対応することで相互接続性を確保する。 3.前年度評価コメントへの対応 (1)領域の対応状況 コメント(領域の研究開発マネジメント) ・当該領域が対応する市場での顧客要求レベルは高く、産総研全体のマネジメントへの準拠のみでは対応不足の懸念がある。一部すでに試みもみられるが、独自の対応を特区的にでも一部試行し、市場関係者をさらに引き付ける活動を推進するべきである。 対応状況 実験室での試作レベルから実用化に至るまでの道は険しく、産総研単独で乗り越えることは困難であることは自覚している。平成30年11月に開設した「人工知能に関するグローバル研究拠点(GOIL)」は、社会実装に向けた実証試験を行える模擬環境を備えており、企業等を巻き込んで社会ニーズに応える研究開発を推進する拠点となると期待されている。GOILが所在する柏の葉エリアは、スマートシティ社会実験を推進しており、自治体や住民も参加できる実証実験を行う- 29 -

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