平成30年度研究評価委員会(エレクトロニクス・製造領域)評価報告書
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に対し成膜効率を10倍以上に向上することに成功し、コストダウンの目途を得た。平成31年度は、エネルギー関連部材応用や歯科部材応用、調質材料応用など、各々の材料に対し用途に応じた膜質・機能の検証、特性改善を行う。 光MOD法の蛍光体コーティングでは、平成27年に新規LED(Light Emitting Diode)用の高輝度蛍光材料開発を行い、資金提供型共同研究に繋がった。平成28年度は、LEDに対応した新規高輝度・蓄光材料とフレキブル高輝度蓄光膜の開発に成功した(従来比3倍の輝度:平成29年2月6日プレス発表)。平成29年度は、先進コーティングアライアンスを活用した出口企業とのバリューチェーンを構築し、蓄光材料の応用仕様に基づいた開発方針を明確化した。これより、室外応用に対応した高輝度・長残光材料を産総研で主体となって共同開発した。平成30年度は、材料の量産化技術の確立とともに、蛍光体部材の信頼性評価を行い、耐久性を確認した(高温高湿環境下1,000時間の加速劣化評価にて輝度変化率が1.7%)。平成31年度は、企業とのバリューチェーン(材料メーカー、建築メーカー、高速道路、鉄道等)を活用した部材性能の実証試験を行うことで課題を抽出し、光MOD法の用途拡大を図る。 ●印刷フレキシブルデバイス(ウェアラブルセンサ、ストレッチャブルデバイス)の開発 大面積の情報入出力デバイスの幅広い普及を目指し、省エネかつ高効率で変量多品種生産を可能にする、常温大気下での高精細印刷デバイス製造技術の開発を行った。 平成28年度までに、世界屈指の高精細印刷デバイス製造を実現した。その配線形成分解能は、サブマイクロメートルに達し、印刷製法では従来マイクロメートル台であった分解能を大きく改善した。また、平成29年度までに、汎用プラスチックフィルムや繊維などのフレキシブル基板上に損傷なくデバイスを製造する技術として、150 ℃以下の加工温度で、デバイス製造、実装、接合などを可能にする印刷製造技術の開発に成功した。平成30年度は、これらの低損傷大面積デバイス製造技術と別途開発した伸縮性電子材料を組み合わせるストレッチャブルハイブリッド化技術を確立し、触覚により物流の効率的管理を実現させる触覚ディスプレイ、筋音計測により筋肉疲労を評価するウェアラブルセンサ、音が鳴る生地という独創的な特徴を有するファブリックスピーカー、輸血や点滴時の不具合の早期発見のためのウェアラブルシート漏血センサ、車両の運転制御に用いる気流センサシートなど、フレキシブルセンサを中心とした多様な実用フェーズにあるデバイスの製造を実現した。これらは、製品化に向け企業への橋渡しを進めている。平成31年度は、企業との連携の基、開発デバイスの社会実装試験を実施し、実用仕様を満たすための設計とその実証を行う。 ●極微量ウイルスの検出が可能な外力支援近接場照明バイオセンサの開発 インフルエンザウイルスやノロウイルスなどによる感染症予防を実現するために、環境中に放出された極微量のウイルス粒子を検出可能なバイオセンサの開発を行った。 平成29年度までに、抗体を修飾した磁気ビーズと標識ビーズによって対象のウイルスをサンドイッチして外部磁場によって動かすことができる光点を作り出し、この動く光点をシグナルとして検出することを原理とする外力支援近接場照明バイオセンサを開発した。本手法により、都市下水の二次処理水100 µl中に40個程度混合したノロウイルス様粒子の検出に成功するとともに、夾雑物が多く含まれる自然環境試料中からの極微量ウイルス検出を実証した。平成30年度は、本技術の実用化に向け、複数の企業と共同研究を実施するとともに、会員企業13社から構成される「外力支援型バイオアッセイ技術コンソーシアム」を設立し、技術の社会実装を推進した。平成31年度は、センサの実際の利用シーンや測定対象物質毎に実用化に向けた課題を見極め、装置性能の最適化を図るとともに、連携企業と協力してプロトタイプ開発を実施する予定である。 ●センサ用高圧電性材料の開発 圧電センサは IoT機器のキーデバイスの一つであり、高感度化や小型化などの特性向上が求められている。その対応として、圧電センサ材料として期待されている窒化物薄膜の特性向上に関する研究を行い、第3期に、高い圧電性を示すスカンジウム添加窒化アルミニウム(ScAlN)薄- 25 -

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