平成30年度研究評価委員会(エレクトロニクス・製造領域)評価報告書
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柏センター等での社会実装までを一貫して実施する体制を整える。 もう一つの中長期的な課題として、知財強化に関しては、研究現場の知財リテラシーの不足から、効果的な特許出願が出来ていない事例やノウハウとして秘匿すべき情報を公開してしまう事例がいまだに散見される。その対応として、研究者を領域戦略部に兼務させ、知財関連の研修を受講するとともに、領域の知財戦略検討会に参加させる等により、研究現場の知財リテラシーを向上させる取り組みを継続していく。 (4)大学や他の研究機関との連携強化 【背景・実績・成果】 大学等のシーズ技術の産業界への橋渡しを担うオープンイノベーションラボラトリ(OIL)については、平成28年4月に名古屋大学内に設置された「窒化物半導体先進デバイスオープンイノベーションラボラトリ」(GaN-OIL)は、パワーデバイスと光デバイスに関する研究を行ってきた。後者の光デバイスに関する研究をより重点的に推進するために、エネルギー・環境領域のマネジメント下にあったGaN-OILをエレクトロニクス・製造領域へ移管した。また、平成30年8月には、半導体設計の教育において実績のある東京大学大規模集積システム設計教育センター(VDEC)と連携する「AIチップ設計ラボ」を設置し、新規人工知能チップの開発と社会実装の取り組みを開始した。 人工知能に関するグローバル研究拠点(GOIL)として、東京大学の柏Ⅱキャンパスの中に産総研の柏センターが平成30年11月に設立され、ここに新設された人間拡張研究センターにおいて、当領域の研究者からなるスマートセンシング研究チームが活動を開始した。もう一つのGOILが産総研臨海副都心センターの人工知能研究センター内に置かれ、ここに当領域の研究者が参加して、「つながる工場」と「ミニマルファブ」における人工知能の活用についての研究開発を平成30年12月に開始した。 ミニマルファブ技術に関して、産総研つくばセンター、上記の臨海副都心センター、九州センターのミニマルBGA(Ball Grid Array)パッケージング試作ライン(平成30年度に稼働)の3拠点体制で技術の高度化と普及を進めるとともに、豊橋技科大に平成27年に設置された「AIST-TUT先端センサ共同研究ラボラトリー」において生体感応センサなどのセンサ開発における学術研究と実用化の促進を図った。 公的資金によるプロジェクトを実施する技術研究組合への参加については、5つの組合(ミニマルファブ技術研究組合、次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)、技術研究組合NMEMS技術研究機構(NMEMS)、技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM))に参加し、プロジェクトの成果創出に貢献するとともに、メンバー企業との連携を強化した。ミニマルファブ技術研究組合とJAPERAについては、産総研研究者が研究開発部長を務めた。 平成28-29年度に実施したNEDOプロジェクト「IoT技術開発加速のためのオープンイノベーション推進事業」(総額 約63億円)では、TIA推進センターが整備したスーパークリーンルーム(SCR)のウエハレベル3次元実装装置群等を活用して、企業等との連携したIoTデバイス開発を進めた。 産総研とともに特定国立研究開発法人に指定された理化学研究所とは、平成27年から毎年、「理研-産総研量子技術イノベーションコアワークショップ」を開催し、次世代量子技術の方向性を継続的に議論している。平成31年度は、ワークショップでの議論から生まれた理研―産総研の共同研究提案2件(有機材料の誘電性および光電変換機能に関する課題)に対して領域予算を措置し、両機関のシナジー効果を活かした連携を具体化する。 海外の研究機関との国際連携については、フランス原子力・代替エネルギー庁 電子情報技術研究所(CEA-Leti)、台湾Nanodevice Laboratories等と連携を進めた。また、当領域の若手研究員の在外研究を領域が補助する取り組みを平成29年度から開始し、これまでに5人の研究員がアメリカ、イギリス、スウェーデン、ドイツで在外研究を行った。 - 11 -

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