平成30年度研究評価委員会(エレクトロニクス・製造領域)評価報告書
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これらの課題の対応策としては、平成30年度に設置された人工知能に関するグローバル研究開発拠点(GOIL:Global Open Innovation Laboratory)の模擬環境を活用して、ユーザや関連企業を巻き込んだ実証実験を実施して、その成果を積極的に発信する。産業界との信頼関係の強化については、技術コンサルティング制度や共同研究などの個々の研究テーマレベルの連携に加えて、組織同士で将来像や目指すべき方向を共有した包括的な連携強化を推し進める。 (2)技術的ポテンシャルを活かした指導助言等の実施 【背景・実績・成果】 当領域の研究者が有する専門知識や技術的知見を活用した技術コンサルティングや、産総研が組織として保有する知的財産(知財)のライセンシング(実施契約)を通じて、我が国産業の競争力を強化する活動を推進した。技術コンサルティングは、技術相談や展示会等をきっかけに企業から舞い込む技術課題に対して、知的財産が発生しないものについて実施しており、その収入は平成27年度368万円から右肩上がりで増加している。平成28年度は2,543万円と約7倍、平成29年度はさらにほぼ倍増の4,710万円を記録した。平成30年度は前年度並みが見込まれている。 知財等の技術移転については、平成30年度は前年度並みが見込まれている。研究者自らの活動に加えてIC等の貢献により、第4期中は平均約6,500万円/年の知財収入を得た。とくに平成28年度には、スカンジウムを含有する窒化アルミニウム(ScAlN)圧電材料のライセンシング等による知財収入も加わり、例年の3倍近い結果となった。平成31年度は、実施契約等により、さらなる増収を見込んでいる。 つくば地域を中心に他機関と共同で運営するオープンイノベーション拠点TIAにおいては、組織内外のユーザが利用する共用施設運営等について、当領域からTIA推進センターへ異動した複数の研究者が貢献した。超伝導アナログ・デジタルデバイス開発施設(CRAVITY)やMEMS研究開発拠点では、現場の研究者もその経験や技術を活かして装置の維持管理や人材育成の面から協力した。 グローバル化により国際的な技術競争が激しくなり、その優位関係を左右する国際標準の重要性が増している。国内および国際標準化活動に対しても、当領域から多くの人材を派遣し、専門的知見を活かした規格文書の提案や策定に貢献した。一例としては、IoT時代のものづくり「スマートマニュファクチャリング」に関しては、経済産業省の委託事業を主体的に実施し、ISO/TC(International Standard Organization/ Technical Committee)およびIEC/TC(International Electrotechnical Commission/ Technical Committee)のエキスパートとして国内の関係団体と連携して規格の審議や提案などを行ったことを含めて、多くのISOやIECの技術委員会において国際標準化活動を展開した。これらの貢献が認められ、平成29年度には当領域のICがIEC1906賞を受賞した。 ●技術コンサルティング収入 ・平成27年度:368万円 ・平成28年度:2,534万円 ・平成29年度:4,710万円 ・平成30年度:4,669万円(平成30年12月) ・平成31年度:5,500万円(見込み) ●技術移転収入 ・平成27年度:6,530万円 ・平成28年度:1億5,747万円 ・平成29年度:6,669万円 ・平成30年度:4,878万円(平成30年12月) ・平成31年度:2億5,000万円(見込み) - 8 -

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