平成30年度研究関連業務評価委員会評価報告書
74/364

する仕組みを構築する。加えて、産総研と民間企業の経営幹部間の意見交換を通じたマーケティングも行い、研究戦略の立案に役立てるととともに、包括的な契約締結等への展開を図る。 なお、イノベーションコーディネータは研究職員のマーケティング活動に協力して、民間企業のニーズと産総研のポテンシャルのマッチングによる共同プロジェクトの企画、調整を行い、民間資金による研究開発事業の大型化を担う者として位置づける。マッチングの成功率を上げるため、研究ユニットや領域といった研究推進組織内へのイノベーションコーディネータの配置を進めるとともに、それぞれが担当する民間企業を定めて相手からの信頼を高める。イノベーションコーディネータに要求される資質として、民間企業、外部研究機関等の多様なステークホルダーに対応できる経験や、人的ネットワークなどを有することが求められることから、内部人材の育成に加え、外部人材を積極的に登用して、その専門性に適した人材の強化を図る。 【実績】 企業のイノベーション創出に貢献する連携拡大のため、産総研の複数の領域にまたがる多様な技術シーズや研究リソースを連携させ、幅広い産業への技術の橋渡しを行った。さらに、企業の事業戦略等を分析し技術の事業化の可能性が高く、経済的効果の高い連携企業を見つけ、組織的な連携体制を構築した。特に、研究に高い専門性を有するイノベーションコーディネータを各領域やTIA推進センターに平成27年度から平成30年度までの累計で延べ34名配置し、企業専任の担当を割り当てることにより、産総研技術シーズの正確な理解と企業ニーズのきめ細かな把握によってマッチングを効率的に行った。さらに、一層の加速を要する領域には、イノベーション推進本部においても強化すべき分野の専門性を有するイノベーションコーディネータを採用し、連携活動を支援した。 特に、生命工学領域においては、産総研が所有しない大学病院等の臨床機関と共同した技術の事業化が求められたため、バイオベンチャーでの経験を有するイノベーションコーディネータを平成29年度にイノベーション推進本部で採用することで、その事業化構想を進めることができた。また、エネルギー・環境領域においては、急速に注目の高まっているESG投資(環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮した企業への投資)の社会的要求を踏まえ、金融業界での業務経験をもつ連携担当者を平成29年度にイノベーション推進本部で採用し、環境負荷データベースをもとにした投資インデックスの確立に向けた金融機関との連携等を進めた。 平成31年度には、上記の構想から具体的な連携にするとともに、新たな事業化に直結する組織的連携を増やしていく見込みである。 理事長裁量の戦略予算において、民間資金獲得強化を狙った提案を優先的に採択するとともに課題ごとに担当イノベーションコーディネータを配置した。これらの課題では、民間資金獲得額目標を設定するとともに、全テーマを対象とする中間評価を実施して、民間資金獲得状況の進捗を確認した。平成31年度も民間資金獲得強化を目指す。 - 70 -

元のページ  ../index.html#74

このブックを見る