平成27年度研究評価委員会(材料・化学領域)評価報告書
70/76

-66- (評価できる点) ・研究項目①「グリーンサステナブルケミストリーの推進」の中でセルロースのような木質材料をエンプラモノマーにする技術は優れている。 ・木質系バイオマスを原料とする有用化学品製造技術開発では、選択的セルロースと新規触媒を組み合わせ、高効率のレブリン酸合成に成功した点。 ・高価なインジウムを用いた触媒系から、安価なアルミニウム系触媒の開発に成功し、かつ世界最高水準の 高収率を達成し、実用化レベルの触媒コストを実現した点。 ・光誘起相転移によるスマート接着材開発でも明確な前進が見られる点。 ・研究項目③「ナノカーボンをはじめとするナノ材料の開発とその応用技術の開発」の中でLiイオンを電顕観察できたのは世界初で感心した。原子レベルでの化学結合・構造の「見える化」は、広範な応用展開に期待が持てる。 ・研究項目④「新たなモノづくり技術を牽引する無機機能材料開発」の中でナノキューブにすると誘電率が向上したのは素晴らしい。ナノクリスタルは現状の積層コンデンサーを更にダウンサイズできるので、デバイスとして価値が上がる。 ・難燃性マグネシウム合金など軽量構造物部材開発や、CFRTP(熱可塑性炭素繊維強化プラスチック)などでも成果が得られている点は評価できる。 ・萌芽研究プロジェクトは興味深い。新しい基礎研究を生み出すという点で評価でき、また、持続的な多くの萌芽研究の採択も期待できる。 (問題点・改善すべき点、助言) ・発表論文数の目標値を達成していない。論文数については、センターや部門ごとの年次変化を含めた緻密なデータからの解析が必要ではないか。 ・大学の基礎研究で実用化につながっていくようなものを、クロスアポイントメント制度等を利用して、取り入れても良いのではないか。 ・基礎研究レベルでは、山谷の上がり下がりが大きい。柔軟なマネジメントで、研究人員のインセンティブを引き出すことが肝要。評価を研究者にリターンし、予算や待遇に反映できているかが最も重要。 ・先進的取組みであるクロスアポイントメントの成果の発信と、実施する中で出てきた課題の抽出及び改善策の提示が他機関の参考となる。 (2)「橋渡し」研究前期における研究開発 (評価できる点) ・CO2塗装技術開発で、一部、企業のラインへの実装も始まっていることなどは評価される。 ・研究項目④の中でフロンフリーな磁気冷凍技術の提案。磁気冷凍技術は、エントロピクス材料という新分野を押し広げていく可能性を示している。 ・CO2塗装技術、フロンフリー磁気冷凍技術・システムの開発の他にも摩擦抵抗性低減機能を有する界面材料、ガラス微細構造成型技術、など広範囲な分野での成果が得られた点。 ・知的財産の実施契約等件数の目標値を達成している。また、公的資金獲得額も設定値の10%超えとなっている点。 ・「橋渡し」研究前期の強化やそのためのハブと期待される「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター」の設立。日本のマテリアルインフォマティクスの拠点として、世界の物質科学を牽引する組織として期待する。また、開発した国産ソフトウエアを世界に発信してほしい。 (問題点・改善すべき点、助言) ・次のステップに進むための、GATE(ガイドライン)は必要。各ステージ間の進階における評価システムを作る必要があると考える。しかし、粘り強く研究開発を継続することで、事業化への道が開けることがある。 ・無機機能材料開発の中でエントロピクスのコンセプトは興味深いが、エネルギー収支の概算が欲しい。 ・CO2塗装での特許出願件数が少なくはないか。権利が保護できるかどうかが不安。 ・摩擦抵抗低減機能を有する界面材料の応用が見えない。橋渡し前期なので、企業からのヒアリング等を行い、意味があるものか明確にしてほしい。 ・早くから、民間企業と並走し、場合によっては中堅、中小、ベンチャーへの働きかけを更に強める必要がある。そのためには、今まで以上にコーディーネータの量、質を高めるなどの方策が必要。 (3)「橋渡し」研究後期における研究開発 (評価できる点)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です