平成27年度研究評価委員会(材料・化学領域)評価報告書
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-12- (3)「橋渡し」研究後期における研究開発 事前自己評価 A TRL「6. 実証・プロトタイプ機(システムレベル)」以降の位置付けを「橋渡し」研究後期と位置付け、研究項目①−⑤中、②、③及び④から主要成果を以下に抜粋する。 耐熱性ガスバリア膜材料として、リグニンと粘土鉱物の複合化により、従来プラスチック材料の10倍程度高い水蒸気バリア性を有する新機能性素材を開発した。さらに本膜材料を用いて印刷技術によりタッチセンサの試作と実証を行った。本研究成果は、項目②中、革新に向けた新機能開発(複合材料制御)課題でのH27年度計画「プラスチック材料に対し優位性をもつエレクトロニクス素材用耐熱性ガスバリア膜材料の開発」の成果であり、民間より16,400千円の資金を獲得する他、特許1件を出願し、すでに取得済の耐熱性ガスバリア膜材料の特許群と併せて知財マネジメントの強化を図っている。 研究項目③では、ナノ加工技術開発、反応プロセスシミュレーション技術開発、CNT合成技術開発を「橋渡し」研究後期の主要成果として報告する。ナノ加工技術開発では、民間企業との共同研究により、プラズマ発生条件最適化などを通じ、産総研発の技術である吸引プラズマ装置を開発、今年度発売を開始した。シミュレーション技術では、電圧印加による電気化学シミュレーション技術の開発、動作中のスーパーキャパシタにおける電極劣化要因探索等に成果を上げるともに、産総研コンソーシアムを通し、シミュレーションの普及・適用事例拡大によるスーパーコンピュータの産業利用促進を進めた。コンソーシアム参画中の一社と、6,000千円の資金提供型共同研究契約が今年度中に締結予定である。CNT合成技術開発では、スーパーグロース単層CNTの低コスト量産技術において、触媒形成方法開発や合成条件制御含めた、新しいビーズを用いた合成法により、従来合成法の15倍以上の収率を達成した。本低コスト量産技術開発では民間企業と大型の資金獲得型研究契約を締結した。また、日本ゼオン社と共同で進めてきたスーパーグロース法に基づく単層CNTプラントが、今年度、同社により商業工場として上市された。 研究項目④中、高次機能部材化及び集積技術開発では、高性能固体酸化物形燃料電池の開発研究において、実用サイズ(10cm角)に適用可能な燃料極プロセス技術開発に成功した。性能面でも電圧損失1/4、発電電力を従来セルの約2倍(800℃)を達成している。同開発研究においては、民間企業より今年度6,000千円(2年契約計12,000千円)の外部資金を獲得している。この他、呼気探知機プロトタイプの試作を行い、臨床研究を推進し、呼気VOCガス探知機による肺がんスクリーニング技術を確立した。本成果は知の拠点重点研究プロジェクトの一つであり、今年度3件の民間企業との共同研究を行った。 以上、その他の研究成果も加え、総計で民間企業から814,000千円(実績値)の研究資金を獲得している。この数字は、これまでの基準値(660,000千円)を、現時点実績値で既に大きく越えている。さらに、そのうち約30%が中堅中小企業からのものであり、また、見込値は1,000,000(千円)と、目標値を満たすことが予想される。加えて、リグニンと粘土鉱物の複合化による新機能性膜素

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