平成27年度研究評価委員会(材料・化学領域)評価報告書
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-11- 企業等が研究課題を持ち込んで集中研究を行うコア機能として、産業界への普及を図るとともに、オープンイノベーションハブを構築する。 研究項目④に設定された研究課題では、機能融合部材化技術開発におけるガラス微細構造成型技術とグリーン磁性材料及び機能化技術開発における、フロンフリー磁気冷凍技術・システム開発の成果を報告する。前者では「ガラス組成と粘弾性の相関」「金型の開発」「大面積成型」の3点から開発を進めており、今年度、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における共同研究によりPV精度2μm以内、3インチ以上のマイクロレンズ成型を達成した。後者では、産総研で集中的に開発しているLa(Fe-Si)13Hxを、低酸素プロセスにより、長時間の熱処理を施さず生成することを可能とした。これは磁気冷凍の基幹材料高性能化につながるため、知財としても重要であり、現在、1件の特許を出願中である。 研究項目⑤では、産業分野での熱エネルギー制御部材開発課題中、今年度成果として、パワーエレクトロニクス用基板材料開発に進捗が見られた。本課題は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の委託事業でもある。今年度、高熱伝導窒化ケイ素(140W/mK級)の基板材料、電極材料、接合プロセスの最適化により、耐温度サイクル性と高放熱性を兼ねたメタライズ放熱基板開発に成功した。 各研究項目①−⑤の「橋渡し」研究前期テーマ成果の拡張を行うべく、領域において別に領域重点加速研究プロジェクトを設定、今年度9件の研究提案を採択した。一例として、研究項目②での主要成果として上に述べた、高効率化に向けた「反応」制御技術開発と併走し、領域重点加速プロジェクトでは、高次「構造」制御技術開発を進めており、ZIF-8(Zn(2-methylimidazole)2)による分離膜形成と選択透過特性解析などに成功している。 この他の成果を含め、知財出願100件、取得件数は101件、実施契約等件数190件(全て実績値)であり、年度末までに実施契約等件数目標値230の達成は確実である。従って「橋渡し」前期研究の評価指標「知財(質的量的)」についてはBとした。また、領域戦略部による知財マネジメントの一環として、知財創出の量的・質的強化に向け、今年度より各ユニットと(株)産業革新機構との意見交換会も実施した。加えて、CO2塗装技術開発、フロンフリー磁気冷凍技術・システム開発の成果2件については、一部は既に企業のラインに実装されるなど、今後大型の受託研究に結びつくことが確実視される特段の成果であり、研究開発成果の評点を高くした。また、「橋渡し」前期研究としての「テーマ設定の適切性」についても、領域でTRLロードマップに基づいた設定と機動的見直しを行っていると同時に、各ユニットが、それぞれ招聘した外部研究アドバイザーと、研究テーマの位置づけや詳細を検討し、研究テーマの適切性を確認している。その他、「その他の指標」である公的資金獲得額も今年度実績値として約2,550,000(千円)(間接経費等含む)と、当初研究計画遂行にむけ設定していた金額を達成している。これらを勘案し、事前自己評価は「B」とする。

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