平成27年度研究評価委員会(材料・化学領域)評価報告書
14/76

-10- ズへの展開が確実な成果である。その他、光誘起相転移によるスマート接着剤開発や強誘電性ナノキューブといった企業ニーズの高い技術について、その課題解決指針に基礎研究による一定の裏付けを与える目的基礎研究成果として重要度の高いものが多く、評価指標における「具体的な研究開発成果」についてはAと評価した。目的基礎研究としての「テーマ設定の適切性」についても、領域でTRLロードマップに基づいた設定と機動的見直しを行っていると同時に、各ユニットが、それぞれ招聘した外部研究アドバイザーと研究テーマの位置づけや詳細を検討し、研究テーマの適切性を確認している。また、後述するように、「目的基礎研究」においては「モニタリング指標」である「大学との連携」状況についてもAと評点を高くした。総発表論文数は12月末時点の実績値285、年度末時点の見込値360であり、今年度目標値500の70%程度である。しかし、IF値5以上の雑誌への掲載率が約3割と高く、また論文被引用数は10,275(実績値)と、各研究開発成果は高いレベルにある。評価指標「具体的な研究開発成果」の重みに対し、論文数など、モニタリング指標の重みがその半分であることを考慮に入れた結果、総合的に事前自己評価を「A」とする。 (2)「橋渡し」研究前期における研究開発 事前自己評価 B TRL「3.技術コンセプトの確認」から、「4.応用的な開発」「5.ラボテスト」までを大きく「橋渡し」研究前期と位置付け、研究項目①−⑤に対応させ主要成果を記載する。 研究項目①では、化学材料の高機能化技術として、摩擦抵抗の低減機能を有する界面材料の開発成果が上げられる。H27年度計画は抵抗低減材料の放出やその可視化技術開発であり、光照射で高分子放出制御が可能なナノカプセル材料の開発に成功した。実用材料では、抵抗低減効果の持続性が重要で、本成果はその要素技術にあたり、関連技術含め特許出願2件、特許登録3件と知財マネジメントも戦略的に進め、知財創出も順調に進展した。機能化学品の燃焼性・環境影響評価技術の高度化も、①に設定された課題である。微燃性冷媒の混合効果については、知見蓄積が本年度計画であったが、燃焼性評価法の構築により新規冷媒評価が可能となり、また混合による燃焼性抑制現象を発見した。開発した評価法は標準規格(ISO3件、JIS1件)にも登録されたため、今後の民間企業との受託研究加速が期待される。 研究項目②では、高効率化に向けた反応制御技術開発において、グリーン溶媒を用いた化学プロセス構築という課題が設定されている。今年度は、グリーン溶媒CO2での塗装技術開発とものづくり技術への展開で、顕著な成果が上がった。実環境試験で自動車塗装を高圧CO2で行い、業界塗膜性能基準をクリアした。建機塗装へのCO2塗装技術では、関連企業のラインに塗装装置が実装され、パワーショベル塗装の実装試験のフェーズに移行している。 研究項目③では、関連研究成果に加えて、計算シミュレーションを「橋渡し」前期研究の要とし、今後予想される国の大型プロジェクトの受け皿とするため、新たに「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター」を11月1日に設立した。マルチスケール計算材料設計手法を構築し、

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です