平成27年度研究評価委員会(材料・化学領域)評価報告書
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-7- 成功した。これら成果は、バイオ化学品の高機能化と量産技術開発につながる基盤技術であり、それぞれTRLにおける「3.技術コンセプト確認」(目的基礎)、「4.応用的な開発」(橋渡し前期)に位置付けられる成果である。後者の触媒精密合成技術においては、有機ケイ素原料製造法の開発で、高収率かつ従来製造法の1/4の時間で、砂の主成分である二酸化ケイ素から直接、ケイ素化学基幹原料であるテトラエトキシシランを製造する触媒プロセスを発見した。これは、当初計画を大幅に上回る進展であり、本重点課題のTRL位置付けを応用的な開発ステージに進める顕著な成果である。 ② 化学プロセスイノベーションの推進 化学プロセスイノベーションの研究課題として、高効率反応プロセス技術の開発、化学品製造プロセスの省エネ化のための分離技術の開発、プロセス技術革新による新機能材料開発の3項目をプロセス技術開発による低環境負荷な化学・材料産業振興に向けた重要課題とした。今年度計画における研究成果として、相界面、ナノ空孔材料を利用した分離技術開発と、階層制御によるナノコンポジット機能材料開発を上げる。まず分離技術開発について、高い界面活性と両連続相界面形成特性を満たす、界面活性剤サーファクチンと遷移金属の複合化(錯形成)に成功した。この複合化技術により触媒活性点の付与といったサーファクチン界面活性剤の高機能化が期待される。また、断熱材等のエネルギー制御材料をポリマー階層制御プロセス技術開発によって実現し、発泡ポリマーナノコンポジットなど、高光透過性といった、高付加価値材料開発にも成果を上げた。これら上記の今年度成果はいずれもTRLで「4.応用的な開発」に位置付けられる。 ③ ナノカーボンをはじめとするナノ材料の開発とその応用技術の開発 ナノカーボン・ナノ材料設計による新素材、先端的デバイスの開発に際して、ナノカーボン材料高品質化、低次元ナノ複合体の物質エネルギー有効利用技術開発、高度計測やナノ加工・界面制御技術開発が必須である。また、これらの技術と連動した材料やデバイス機能シミュレーションの高度化、現在我が国が優位を保っているCNT材料の実用化・産業化推進に向けた技術開発までを重点課題としている。本年度の成果として、ナノカーボン材料の高品質化では、グラフェン透明導電フィルムの高品質化(透過率95%、抵抗化130オーム)の達成と大面積、短時間合成(30秒以下)の実証を、低次元ナノ複合体とその計測では、有機熱電変換材料としては世界最高レベルのPEDOT:PSSのさらなる変換効率上昇とモジュール素子試作、高精度熱電評価測定法の開発に成功した。上記成果は、TRLで「3.技術コンセプトの確認」から「4.応用的な開発」に位置付けられる。また、デバイス機能シミュレーションでは目的基礎研究として、デバイスシミュレーション技術の開発、熱電変換効率の高精度化、個別課題(不揮発性メモリデバイス等)への適用を行った。CNT材料については、その用途技術開発研究として、CNT構造体によるキャパシタ作成、CNTロバストトランジスタの開発に成功した。これらCNT用途開発成果は、目的基礎研究から「橋渡し」研究前期に進めた

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