平成27年度研究評価委員会(生命工学領域)評価報告書
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-42- ・産総研のもつ様々な技術ポテンシャルがどれくらい認知されているのか、心もとない印象を受けた。 ・今後の支援のあり方を考える上で、現在実施している支援の計画や戦略がどうであるのかを明確に示すのが良いように思う。結果良ければではなく、指導助言等具体的な計画性をもって実施することで、効果的な支援がなされると期待できると思う。 (2)マーケティング力の強化 (評価できる点) ・イノベーションコーディネータによる産総研の技術シーズのマーケティングは極めて活発に行われており、企業訪問45社、企業面談32社を実施し、その結果、共同研究という形で23社と企業連携することによって1億8千万円を超える資金提供を受けており、高く評価できる。 ・連携企業数は360社と多く、資金提供型共同研究も多い。 (問題点・改善すべき点、助言) ・外国企業へのマーケティングがほとんど行われていない。 ・産総研のプレゼンス向上においては、CSRの観点から社会の認知拡大に力を更に入れる必要がある。専門家、関係者しか目にしない冊子は社会への訴求力に欠ける。戦略的な広報活動を強化して、積極的な成果発信、研究力のアピールに努めるべきである。ひいては産業界からの資源獲得を実現する。 ・「橋渡し」を重要なキーワードとして遂行しているが、その観点に立つと、研究の橋渡しに向けた度量は評価できるが、社会へその技術を展開させるための広報や橋渡しなど、具体的な仕組み作りとその実践という点ではまだ努力が足りていないように感じる。また、事前評価の評点「B」の根拠がわからない。前年度比較とか、年度目標が示されておらず、絶対的な数値しか示されていないが、そうである場合、その数値の妥当性に関しても言及されていない。 ・従来、企業の研究者とのつながりや学会などにおける研究情報の共有化によって、産官学が研究組織同士でつながることが多いが、企業の基盤的研究組織は必ずしも実用化、応用化にたけておらず、橋渡しが進まない傾向にあった。つまりは橋の同じ側にいると言って良い。意識的に企業の製品化組織(事業体)を動かす方向にシフトすることが真の橋渡しへの近道である。 ・研究内容の充実化と実際の共同研究等企業との連携に相関性があるのかどうか今回のデータからは見えない。橋渡し研究とその実践を目的としているのであるから、努力がしっかりと橋渡しに反映されているかデータとしてまとめることを提案する。 ・外国企業との共同研究開発、ライセンス契約をプロモートすることができる英会話に堪能なイノベーションコーディネータの採用、養成を積極的に行うことが望まれる。 (3)大学や他の研究機関との連携強化 (評価できる点) ・アジアに主眼を置いた国際連携が実を結び、アジアでリーダーシップを発揮する道筋が立っている。インド、インドネシアなど、生物資源多様性の宝庫である地域と新たなつながりを開拓できており、着眼が優れている。 ・国内の21大学、2研究機関、1団体と包括協定を締結し、134件の共同研究契約を結んでいる。また、鳥取大学からの資金提供のもと染色体工学研究センターの産総研分室の設置、千葉大医学部とのクロスアポイントメント制度の導入、つくばライフサイエンス推進協議会や食品分析フォーラムにおける活動などを通じた大学や研究機関との連携強化を推進していることは高く評価できる。 ・インドの科学技術省傘下のバイオテクオロジー部門と産総研とで健康・医療産業のイノベーションを目指した共同研究ラボラトリーの設立、インドネシア技術評価応用庁との包括的研究協力覚書の締結など、海外の研究機関との連携も進めており、その活動は高く評価できる。 (問題点・改善すべき点、助言) ・事前評価の評点「A」とした根拠がわからない。前年度比較とか、年度目標が示されておらず、絶対的な数値しか示されていないが、また、その数値の妥当性に関しても言及されていない。大学等との共同研究や連携に関して、どのような調査や根拠をもって相手先を決めているのかがわからない。その妥当性を示せるようになれば、適切な連携なのかどうかが見えてくると思う。 ・クロスアポイントメントの活用は重要な方向性。病院を持たない産総研にとって、創薬や医療ケアでの研究ステージが進めば進む程、臨床との接点が重要になるので、このような取組みを今後も積極的に進めていくべき。 ・産総研内でも臨床検体やそれに関連する情報(機微情報)の取り扱い等について、倫理面も含めて体制を構築しておく必要があるのではないかと思う。

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