平成27年度研究評価委員会(情報・人間工学領域)評価報告書
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-9- (2)「橋渡し」研究前期における研究開発 【テーマ設定の適切性】 経済産業省が 2014 年から開催した「日本の「稼ぐ力」創出研究会」では、ビッグデータ・人工知能の活用の重要性が指摘され人工知能・ビッグデータのもたらす変革を最大限活用することで、日本経済の潜在成長率の低迷等の構造的課題を新たなアプローチで解決できる可能性があるとされている。さらに、ロボットについても「2015年ロボット新戦略」において、就労人口減少および安心安全な社会の実現に向け、ロボットと人工知能とを合わせ、日本全体を、世界最先端のロボット技術の活用を試みる実証実験(ロボット実証実験)のためのフィールドとし、世界をリードするイノベーションの拠点とすることを目指している。このような我が国の施策に対し、そのシーズ技術を有する公的研究機関として、その実現に向けた各事業の立案を積極的に支援し、その中で、公的研究機関として要求される事業に公募を経て採択されている。このように橋渡し研究前期では、政府系競争的資金などを原資として、喫緊の社会課題に資する中核技術の社会実装に向けた研究テーマを設定している。その中で代表的な2課題を紹介する。 ●研究課題3『次世代人工知能の基盤技術の研究』 ビックデータから価値を創出し、高い産業競争力、サービス生産性の向上や生活満足度の向上、社会的課題の解決を実現に資するために、人と協調して機能する新しい人工知能技術の基礎から社会展開までの一貫した研究開発とその橋渡しによる骨太な社会実装の推進を目的として、2015年5月1日に人工知能研究センターを設立し、日本の中核センターとしての活動を進めている。 ●研究課題4『災害対応・インフラ維持管理ロボット技術』 被災直後の調査や応急対応の迅速化のために、災害調査ロボットによる被災状況把握の迅速化及び無人化施工の施工効率向上や高い安全性の確保を課題として、ヒューマノイドタイプの災害対応ロボットの開発を進めている。また、厳しい財政状況や技術者不足のもと、老朽化社会インフラの点検、診断、補修などの維持管理の効率化・高度化を課題として、社会インフラ維持管理支援ロボット技術の研究開発を行っている。 【具体的な研究開発成果】 ●研究課題3『次世代人工知能の基盤技術の研究』 主たるプロジェクトとして、NEDO委託事業「次世代ロボット中核技術開発(次世代人工知能技術分野)」を2015年8月31日に中核拠点として受託(産総研+再委託分 平成27予算額 665百万円)し、下記の研究開発項目に取組んでいる。 (3-1) 「大規模目的基礎研究・先端技術研究開発」では、「脳型人工知能」「データ知識融合型人工知能」等の次世代人工知能技術に向け、多様な状況への対応力、汎用力などを可能にし、人間と親和性が高く協働可能な、世界トップレベルのパフォーマンスを達成する人工知能の実現に取組んでいる。 (3-2) 基礎研究の成果をモジュール化し統合するための次世代人工知能フレームワークと、多様な分野での応用に迅速につなげるために、知能システムの基本機能(データ収集、認識・モデリング・予測、行動計画・制御)と人間知能との接点機能(自然言語テキスト理解)を実現する先進中核モジュールの研究開発を行っている。

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