平成18年度年報
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研 究 (258) 2)クルベロミセス・ラクチス酵母より同定したΔ12不飽和化酵素遺伝子と発現プロモーターの領域を改変することにより、出芽酵母に発現させたときの不飽和化酵素活性を顕著に上昇させた。 3)出芽酵母のSNF2を破壊した株に、2種類の脂質合成酵素の遺伝子を過剰発現させることにより、培地中の脂肪酸を高濃度に取り込む能力を持つ株を取得した。 4)サルフォロバス属好熱性古細菌を増殖させるための培養条件、細胞から脂質を抽出する条件の至適化を行って、この古細菌からのテトラエーテル型脂質の生産性を顕著に向上させた。 [分 野 名]ライフサイエンス [キーワード]脂質生産、微生物、高度不飽和脂肪酸、遺伝子組み換え [テーマ題目15]天然物由来の機能性食品素材の開発 [研究代表者]丸山 進(健康維持機能物質開発研究グループ) [研究担当者]丸山 進、山崎 幸苗、河野 泰広、 市村 年昭(常勤職員4名、他2名) [研究内容] 皮膚の健康維持や糖尿病など生活習慣病の予防・改善のための機能性物質を開発し、実用化することを目標として研究を行った。 エンドセリン-1は強力な血管収縮物質であると同時に紫外線刺激による皮膚のメラニン合成に関わることが知られている。培養ヒト表皮角化細胞への紫外線刺激により促進されたエンドセリン-1合成を、ルテオリンなど数種のフラボノイドが抑制すること、亜熱帯植物(クミスクチン)抽出物もエンドセリン-1合成を抑制することなどを確認した。そして、企業との共同研究でクミスクチン抽出物がヒト皮膚3次元モデル実験でメラニン合成を抑制すること、さらにヒトへの安全性を確認した。関連特許の実施契約を締結し、化粧品会社向けの美白化粧品原料「クミスクチンエキスBG」として企業が商品化した。 アディポネクチン遺伝子の発現機構に基づき、転写因子PPARγのリガンドとその類似物を中心に活性化合物を検索した。その結果、魚油に含まれるドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸やゲラン酸等の不飽和モノテルペンカルボン酸等が昨年度までに見出されたフェルラ酸誘導体やジンゲロールによるアディポネクチン産生促進作用を相乗的に強化することを培養細胞レベルとマウスによる動物実験で見出し特許出願した。この知見は食用されている安全なドコサヘキサエン酸等を併用することによりフェルラ酸誘導体等の必要濃度を低減させられる点で、本技術の実用化上重要である。さらに、各種の食用植物に含まれる天然カルコン類がアディポネクチン産生誘導作用を持つことを確認し、次いで合成的に得られる簡単なモノヒドロキシカルコン類も当該活性を持つことを見出した。 [分 野 名]ライフサイエンス [キーワード]皮膚美白、糖尿病、エンドセリン、アディポネクチン、ポリフェノール [テーマ題目16]体内時計を利用した健康医療の研究 [研究代表者]石田 直理雄(生物時計研究グループ) [研究担当者]大西 芳秋、大石 勝隆、宮崎 歴、 花井 修次、冨田 辰之介 (常勤職員6名、他6名) [研究内容] モデル動物を用いた時計分子機構の解明;ホヤで網羅的遺伝子解析の結果、ホヤの分子時計の存在を網羅的遺伝子解析と酸素消費量の両面から明らかにした。マウスの系でユビキチン分解系の時計制御を見出した。哺乳動物サーカディアンリズム形成機構の基盤研究;哺乳類新規時計分子GSK3β(Glycogen Synthase Kinase 3β)を同定したがさらにGSK3βが抗うつ剤Liclにより脳内で発現調節を受けその機序の一端を見い出した。Per2遺伝子改変トランスジェニックマウス作製により、Per2が生物時計の周期を決める役割を持つことを明らかにした。per2mRNAの24時間振動発現に負の転写因子E4BP4が関わることを見出した。(Nuclic.Acid. Res.2007, 35,648-655. B.B.R.C.2007, 354(4)1010-1015) 体内時計により支配される細胞周期とその異常(ガン化)の分子機構の解明;時計遺伝子過剰発現した癌細胞のヌードマウスでの腫瘍形成抑制能を見出した。レチノイン酸がclock/Bmalを介した時計遺伝子発現に影響を与えることを見い出した。今後、核内受容体を介した時計制御研究が展開すると思われる。 高脂血症/糖尿病と体内時計の関連性の解明;クロック変異マウスとob/obマウスを交配させると体重、中性脂肪、血中コレステロールの増加が見られ、この機序に脂肪細胞のサイズの増加が関ることを明らかにした。(J.Thrombosis Haemostasis.2006, 4,1774-80, Neurosci. Res.2007.57,483-490)糖尿病に伴う梗塞の原因として時計分子が制御するPAI-1遺伝子の関与を、(J. Thrombosis Haemostasis. 2006, 4,1566-74)脂肪酸分解に関る転写因子(PPAR-α)が時計分子に直接転写制御されていることを見出した。(Thrombosis and Haemostasis. 2007, 5, 428-31) [分 野 名]ライフサイエンス [キーワード]体内時計、時計遺伝子、転写因子 [テーマ題目17]細胞・タンパク質の分子認識の解析とウイルス膜タンパク質発現系の開発 [研究代表者]岡田 知子(分子認識研究グループ) [研究担当者]岡田 知子、森井 尚之、小川 昌克 (常勤職員3名、他4名)

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