産総研レポート 2015
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05組織統治研究開発の推進労働慣行公正な事業慣行社会との共生人 権環境報告組織統治として打ち出されました。 「産総研になって、国家プロジェクトの成果を使って実用化するよう言われても、正直当初はお手上げ状態でした。得てして国家プロジェクトはチャンピオンデータを狙うものですが、データ的に優れた研究成果はあってもすぐに実用化できるものがなかったのです。産総研となって求められるようになったのは、チャンピオンデータよりも本当に使える技術です。そうした背景のもと、新しい産学官連携のしくみである産業変革研究イニシアティブのもと「SiCデバイス量産試作研究」が2009年にスタートしました。これにより、量産レベルで歩留りや信頼性を高める、本当の意味で実用化に近づける、ものづくり技術を確立することができたと思います」 同じく2009年にはR&Dの拠点として、つくばイノベーションアリーナ(TIA)が発足し、パワーエレクトロニクスがコア研究領域の一つに設定されました。 2010年には、SiCデバイス試作用の専用クリーンルーム(約1500㎡)が完成。この施設を活用して、SiCの基本技術をもつ産総研、量産ノウハウに強いデバイスメーカーの富士電機株式会社、装置メーカーの株式会社アルバックの3者で共同研究を行い、SiCデバイスチップの量産技術の開発に成功しています。民活型の共同研究体「TPEC」設立 こうした研究体制の充実を背景に、技術の橋渡しに向けた動きが加速していきました。産総研は、数々の国家プロジェクトで蓄積した成果や専用クリーンルームを活用し、より大規模に企業との共同研究を展開していこうと、つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC) を2012年に設立、現在では約30社が参画しています。 「国家プロジェクトの成果をそのまま出しても企業は受け取ってくれません。また、近年の事業環境も影響し、企業が製品開発に十分な予算と人員を割くのが厳しい状況になりつつあります。さらに、技術が複雑化するいま、単一の技術だけで競争力のある新製品を生み出すことは困難です。 そこで、産総研はオープンイノベーションの拠点をつくり、企業や大学に利用してもらうこととしました。TPECはまさに、産総研が標榜する“橋渡し”を先sic素子量産試作品(3インチウェハ 2011年製作)MOSトランジスタショットキーバリアダイオード

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