2013
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組織統治5組織統治 ■ ナノテク参入への間口を広げる より多くの企業が参入しやすいよう間口を広げることも、TIA-nanoの重要な役割です。ナノテクノロジー分野の装置はとても高価なうえ高度な技術を要求されるため、独自に参入することは容易ではありません。 その点、産総研には世界トップクラスのスーパークリーンルームがあり、そこに量産対応できる装置が用意され、24時間利用することができます。さらに、例えば「ナノテクノロジーを使うアイディアはあるが、試作のための専門技術はない」という企業でも利用しやすいよう、いわば定食メニューを用意し、トッピングを選べるような仕組みを用意する予定です。 「小さい企業やベンチャー企業など、アイディアを試してみたいという方にぜひ参加していただきたいですね。チャレンジしなければ、次のイノベーションは生まれません。夢を持つ人が集まらなければ、施設や装置だけあっても宝の持ち腐れです」と、率直に語る金山理事。続けて、スーパークリーンルームを共用するメリットを話してくれました。「細かいプロセス条件、つまりレシピをTIA-nanoの共通財産として提供してくれる企業が増えています。次に来た人が、それを使えるわけです。将来的にみんなの利益になるという意識が広がっているようで、ありがたいですね」 TIA連携棟を人材育成の拠点に 2013年3月には産総研の敷地内にTIA連携棟が完成しました。クリーンルーム、多目的ホール、情報コーナー、ミーティングラウンジなどを備えた建物で、スーパークリーンルーム棟と渡り廊下で結ばれています。ここは研究開発や人的交流はもちろん、TIA-nanoの重要な柱の一つである人材教育の拠点として活用されます。「人材育成の中心となるのは筑波大学で、すでにこの新棟でサマースクールやシンポジウムを実施し始めています。今後は学生だけでなく、企業の若手技術者の人材育成にも活用していく考えです」 また、同年4月のTIA推進本部を設立し、運営管理を一元化して、外部からもわかりやすい体制としました。TIA-nano参加企業は業種も技術内容も多岐に渡るため、統一的なルールでは対応できません。そのため、柔軟な対応を最優先する方針です。 「今後とくに注意を払いたいのは、情報管理の徹底です。信頼関係で結ばれた中で研究開発や人的交流をしてもらえるよう環境を整え、TIA-nanoを世界的な吸引力のある拠点に育てていくことを目指します。できるだけ多くの企業や研究者がここに集まり、新しい領域に漕ぎ出していってほしいと願っています」

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