2011
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第三者意見「産総研レポート2011 社会・環境報告」第三者意見 本報告書作成過程で私たちとのダイアログを開催し、そこで出された意見を真摯に受け止めていただき、当初の草稿を編集し直すことも含めて推敲を重ね、全体的に読み易い出来ばえになっていることを実感します。 本報告書の大きな特色は、昨秋発行されたISO26000を参考に、社会的責任に関する中核主題に沿って(消費者課題は除く)構成されていることです。今回の取り組みを契機に、今後ISO26000に示された手引きに沿って産総研のSRを検証され、より高度化されることを期待します。特に「人権」については、海外のうねりがわが国にも及んできていますので、700名を超える外国人研究者を擁する産総研においても重要な取り組み課題になっています。本報告書の「人権」では、ダイバーシティとハラスメントが取り上げられていますが、ISO26000の人権の8課題に示されるようにその対象領域は広いものです。従いまして、今後、人権認識のミスマッチが起こらないように積極的な取り組みを展開していただきたいと思います。 2011年版の報告書に対するステークホルダーの大きな関心は東日本大震災での対応とどのような教訓を得たか、ということです。産総研には危険な薬品や実験動物、微生物などがあり、2次災害の懸念を抱いた方も少なくないと思います。この点については、小野晃副理事長のインタビューで適切に報告され、懸念が払しょくされたことでしょう。教訓については、特に「今まで、発展というのは新しい建物を建てて新しい装置を入れることだと考えられていました。しかしこれからの発展は、むしろ無駄なスペースを削り、研究の効率を高めることです」との指摘が、東北ばかりでなく日本再生に向けた取り組みに対して示唆に富み、印象に残ります。 産総研はトップメッセージにおいても述べられているように、新たな飛躍に向けてオープンイノベーションハブ機能の強化に積極的に取り組んでいます。社会的課題の解決には、さまざまな主体がSRを自覚し、取り組む「SRシェアリング」が注目されていますが、オープンイノベーションはその実現に重要な役割を果たしています。その取り組みについて、多くのページを割いて多面的な活動報告をされており、読者にとって産総研の社会的存在価値を知る上で大いに役立っています。その中で、今日の重要なテーマになっている省エネルギー技術について研究特集を組み、その研究内容と実用性について研究の当事者を加えて読みやすく報告している点は、産総研の研究が社会との繫がりの深いものであることをよく伝えています。欲を言えば、オープンイノベーションの研究拠点である「蓄電池研究拠点」や「太陽電池研究拠点」について、なぜその研究が重要なのか、何を目標にしているのかをもう少し付言していただければ、さらに身近な存在としての産総研を示すことができたように思われます。 個別項目の報告は、ダイアログで表明された「制度の紹介から一歩踏み込み、当該年度の活動を紹介する」という編集方針通りの記載になっているとともに、定量情報も増えてきています。報告書はコミュニケーションツールであると同時にSRのチェックシートでもありますので、今後は、PDCAのCAを強く意識して記載されると、産総研のSRの高度化に結び付くとともに、読者への訴求力も増すと思います。特定非営利活動法人 循環型社会研究会 代表 山口 民雄 副代表 田中 宏二郎 産総研は、2010年に従来の「環境報告書」に産総研の社会的責任(SR)への取り組みを加え「産総研レポート-社会・環境報告-」として一新しました。今回の発行にあたり、ISO-26000に準じた項目に、産総研が取り組んでいる「オープンイノベーション」の実現に関する項目を加えて整理し、産総研におけるSR活動が、多くのステークホルダーの方々にご理解していただけるように努めました。 今回のレポートでは、巻頭特集「震災特集」として東日本大震災に際して産総研が取り組んだ活動について紹介し、また、産総研が取り組んでいる研究開発の中で“省エネルギー関連技術”については、研究特集「産総研における省エネルギー研究」として3つの研究を紹介させていただきました。 また、2010年度は産総研第3期中期計画期間の初年度にあたり、10月に所内の研究推進および支援の体制について大幅に再編しました。その中では、産学官連携を推進する「イノベーション推進本部」、環境安全関連を一体的に取り組む「研究環境安全本部」などを設置しました。産総研は社会の一員として、これからも持続的発展可能な社会の実現に向けて研究開発をはじめSR活動に邁進していく所存です。 来年に発刊が予定されている2012 年版においても引き続き、わかりやすさ、親しみやすさを追求した「産総研レポート」とするよう努めるとともに、皆様から寄せられたご意見も反映していきたいと思っています。 発行に寄せて理事・広報部長 瀬戸 政宏「産総研レポート2011 社会・環境報告」をお届けします。循環型社会研究会:次世代に継承すべき自然生態系と調和した社会の在り方を地球的視点から考察し、地域における市民、事業者、行政の循環型社会形成に向けた取り組みの研究、支援、実践を行うことを目的とする市民団体。 URL:http://www.nord-ise.com/junkan/53第三者意見第三者意見

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