産総研LINK No7
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秀な女性研究者が職を離れる例をこれまで数多く見てきたと言う。 「もし、夜の間に『まほろ』が実験しておいてくれれば、研究者は朝に結果を確認し、ディスカッションなどの創造的な仕事だけ行って、早く家に帰ることができます。それが可能になれば、育児などの理由で仕事を辞める必要はなくなりますよね。また、ロボットが活躍するようになれば、人がその場にいなくてもよくなり、ラボレス化が進む。そうなれば、大規模な研究室に所属していない人でも、離れた地域に住む人でも、職場には行かず自宅からでも研究に参加できるようになるでしょう」 そうなると、年齢も場所も関係がなくなってくる。大学や研究所を退職した研究者たちのもつ専門知識や、科学に興味のある才気煥発な高校生のアイデアもこれまでよりも簡単に実験に反映させることができる。活用できる人材の範囲が広がれば、人材の多様性は広がり、少子高齢化に伴う労働力不足にも一つの解決策となるはずだ。 「私も管理職になり現場で研究する機会が減っていますが、本当はやはり研究もしたい。『まほろ』を使えば、その思いもかなえられるかもしれません。つまり私たちは、ロボットを売るというより、研究現場にソリューションのためのインフラを提供する会社なのです」 ライフサイエンスの研究現場を一変させ、人間の創造性を高め、研究人材の活性化と多様化にもつながる可能性を秘めた「まほろ」。現在は日本を中心に事業展開しているが、欧米に拠点を設け、2017年からは本格的な海外展開も始める予定だ。髙木氏の戦略は、まずは技術の拡散スピードの速い米国で成功させて、日本にも波及させることだと言う。 「『まほろ』はこの分野で唯一の製品です。ライフサイエンスの研究分野で、必ず必要とされます。数年後には事業を軌道に乗せ、新たな研究開発を支える体制もつくれると考えています。いずれは自動車や宇宙産業など別の産業分野に導入されていく可能性も秘めています。2020年頃には全世界で『まほろ』が活躍することを目指しています」 二人の夢が詰まった「まほろ」は、2016年5月下旬に開催されたG7伊勢志摩サミットでも公開、日本が誇る最先端技術として各国首脳に実演・紹介された。 また7月には、RBIの事業計画を説明する会が、事業者向け、メディア向けに開催された。「まほろ」ビジネスは、いよいよ本格的な展開期を迎えた。お気軽にお問い合わせください!〒135-0064 東京都江東区青海2-4-7(産総研 臨海副都心センター別館)産総研 創薬分子プロファイリング研究センター: 03-3599-8100: http://www.molprof.jp: molprof-contact-ml@aist.go.jp〒135-0064 東京都江東区青海2-4-7(産総研 臨海副都心センター別館)ロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社(産総研技術移転ベンチャー): 03-6380-7100: https://rbi.co.jp/産総研 ロボティック・バイオロジー・インスティテュート▲「まほろ」 という名は、研究者にとってより良い研究の場を実現したいとの思いから、「理想郷」を意味する日本の古語「まほろば」からつけました(夏目)07 2016-07 LINK

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