産総研LINK No7
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実験を可能にしたのです。それがこの共同研究における最大の発見でした。ロボットは人間の能力を置き換えて人件費を削減するだけの存在ではなく、人間と協業することで不可能を可能にすることがわかったのです」 例えば、ピペットで試験管に溶液を入れるとき、人間は手が震えるので溶液を試験管の縁につけて入れる傾向がある。しかし、ロボットであれば、決められた位置に完全に静止できるため、縁につけることなく垂直にピペッティングできる。あるいは、最も成功率の高い実験方法を見つけたら、それこそ100回でも1000回でもまったく同じ形の実験方法を再現できる。このようなロボットの特性から、実験の精度が大幅に向上するのだ。 「まほろ」を導入した企業や大学からは、それまで2年ができる汎用ロボットの開発へと発想を転換した。 ちょうどそのころ、安川電機が、工場などでの人間の作業を置き換えられる双腕型ロボットを発表。夏目はこのロボットを使うことを考え、同社に共同開発を申し入れ、活動をスタートさせた。そして10年を超える試行錯誤の末の2012年、人間が行うさまざまな動きに対応できる汎用ヒト型ロボット「まほろ」が誕生したのである。 「当初、ヒト型ロボットは、人間の能力を置き換えるために構想しました。しかし、実際には人間より高レベルな高レベルな実験能力でライフサイエンスの研究は一変する▲人間ができない高精度の作業までも繰り返し何度も行える「まほろ」は、ライフサイエンスの研究現場を一変させる可能性をもつ。▲一台のロボットでさまざまな作業ができる汎用ヒト型ロボット「まほろ」YouTube産総研チャンネルで「まほろ」の動画を配信中BUSINESS MODEL04 LINK 2016-07

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