産総研LINK No.17
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MZ Platformがる。プロジェクトチームは改めて、生産管理や進捗管理システムの開発にターゲットを切り替えることにした。 こうして2004年に「MZ Platform」が完成。製造業で必要だと考えられた機能をできるだけそろえ、180種類からスタートし、現在では200種類ほどのコンポーネントを用意している。一つのシステムには一般的に20〜30種類ほどのコンポーネントを用いる。それぞれの業務に必要な機能のコンポーネントを選び、組み合わせて使ってもらうことになる。 「その企業の従業員がMZ Platformを使って工程管理や生産管理システムを開発すれば、外注に比べて低コストで済みますので、企業がIT化を進めるときの資金的ハードルを下げることができます。このMZ Platformによって日本のものづくりの基盤である中小製造業のIT化が進めば、生産性が上がり、業務改革も果たせ、競争力の維持にもつながるでしょう。名前にある「MZ」とは『ものづくり』の意味です。この名前には、産総研が日本のものづくりに貢献したいという思いを込めました」(澤田) 外部のシステムを導入した場合、自社の既存の業務の流れをシステムに合わせて変えなくてはならないこともある。効率化のために必要なこととはいえ、それまでのやり方を変えることは現場にとっては負担となる。しかし、MZ Platformを使えば、現場にこうした負担をかけずに済むという。 「自社の業務の形式に合わせたシステムを自在につくれますから、例えば帳票にしてもそれまでの記入形式をそのまま使うことができ、今まで通りの感覚で作業ができます」 澤田のこの言葉を受けて徳永は、システムを自社で構築するメリットはほかにもあると熱を込める。 「従業員がシステムを開発すれば、それはつくった人の顔が見える、愛着をもって使えるシステムとなります。しかも、いずれシステムを組み換える必要が出てきても、社内でちょっとした修正や機能拡張に柔軟に対応できます。これはシステムを外注した場合には難しいことです」 もちろん、いくら「比較的容易に」「短時間に」できるといっても、経験のない人が初めてシステム開発に取り組めば、つまずくことも多い。 「私たちは、少しのつまずきをきっかけにMZ Platformが使われなくなるケースも見てきました。そこから、機能を充実させるだけではなく、現場の方々への研修や開発支援も行う必要があると気づきました」と古川は言う。 2005年からは普及体制を本格的に整え、全国の公設試験研究機関などの協力も受けながら説明会や講習会を各地で開催している。メールでのサポートや、企業から人材を1カ月程度産総研に受け入れてシステム開発の指導・助言をする技術研修も実施した。現在では、2日程度の短期間の研修や、より企業に密着してシステム開発を支援する有料の技術コンサルティングを行っている。 「ITに詳しくなくても安心して取り組んでいただけるよう、サポート体制を整えています」(澤田) MZ Platform活用の成功事例には、例えば、プラスチック成形メーカーの作業実績収集システムがある。それまで紙の帳票や事業に合わせてシステム構築カスタマイズも自在使いこなすためのサポート体制も充実情報の一元化でコスト削減が実現14 LINK 2018-03

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