産総研LINK No12
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[ 事業内容 ]1963年、小嶋淳司氏が大阪十三で4坪半の寿司店を個人創業。関西地方を中心に店舗を拡大し、1980年に「がんこフードサービス株式会社」と社名変更。「高くて美味しい」は当たり前。「美味しくて安い、そして楽しい」をコンセプトに、本当に美味しい料理をリーズナブルに提供することを追求。また、料理を味わう「場」や「ひととき」を大事に、その思いをかたちにしている。がんこフードサービス株式会社◀がんこ和食・銀座四丁目店にて産総研  がんこフードサービス株式会社――外食産業との共同研究は、産総研としては異色と言えるのではないでしょうか。連携を始めた背景を教えてください。新村 私は大学時代にがんこ寿司でアルバイトを始め、卒業後はそのまま就職しました。しかし、もともとは研究者を目指していて、就職後も理解のあるオーナーのもと、働きながら大学院で学び、経営学修士(MBA)を取得しました。サービス産業の効率化と高付加価値化を実現させたい そのとき実感したのは、外食産業のようなサービス産業の課題は経営学の手法だけでは解決できない、工学的アプローチが必要だ、ということです。外食産業では人間の総労働量が人件費に直結するので、まずはその制御が必要です。そこで、サービス産業の効率化と顧客満足度をはじめとする高付加価値化を実現させる視点から、自分たちの手でいくつか実験を行っていました。蔵田 その頃、国が製造業とサービス産業の生産性改善を進めていて、生産性向上の先進的な取り組みを行っている企業を表彰する「ハイ・サービス日本300選*1」という制度ができました。がんこフードサービス株式会社は、第2回の選定でそれに選ばれたのですが、ちょうど産総研でもサービス工学研究センター(当時)を発足させたところで、そういった企業の取り組みに注目していました。新村 私自身は、次は工学分野で博士課程に進もうかと考えていたところでした。それで、2008年に産総研がサービス工学研究センターを立ち上げる際、産総研から、共同研究をしながら博士号の取得を目指そうと声をかけていただいたのです。以来、現在に至るまで断続的に共同研究を行っています。蔵田 新村さんは寿司職人であり、MBA取得者であり、経営者であって工学博士でもある。世界中に1人しかいないようなユニークな方だと思います。*1- 先進的な取り組みを行っている企業・団体を、2007~2010年に表彰・公表。企業・団体の一層の取り組みを喚起し、優良事例を広く普及・共有することで、イノベーションや生産性向上を促進することが目的。07 2017-04 LINK

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