アニュアルレポート 2005-2006
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80Annual Report 05-06Environment & Energyコンパクト化学プロセス研究センターReseach Center for Compact Chemical ProcessURL: http://unit.aist.go.jp/ccp/TEL: 022-237-5208FAX: 022-232-7002研究センター長水上 富士夫研究の概要代表的な研究成果当研究センターは、安全な環境の創造、二酸化炭素排出量削減に貢献するコンパクトな化学プロセス技術の開発により分散適量生産方式ひいては物質循環システムの確立に資し、当該分野の国際競争力を高めることをミッションとしています。超臨界流体技術と無機系膜技術をコア技術として、多段反応の簡略化、装置の集積化、小型化をはじめ、物質の高効率分離など、省エネと環境負荷低減効果の実現をねらっています。本年度には、直接通電加熱法を用いた高効率超臨界水供給装置の実機としての検討、PETの分散リサイクル技術、粘土を主成分とする柔軟な耐熱ガスバリア膜の製品化への歩固めを行い、企業からの注目を集めています。また、産学官の結集による「グリーンプロセスインキュベーションコンソーシアム」を組織し、研究成果を産業ニーズとマッチングさせる組織つくりや、大学との研究協力協定、連携大学院ならびに東北地域の機関とのネットワークの構築により、迅速な研究成果の普及に努めています。超臨界水を用いたコンパクト化学プロセスの実現のため、高温高圧マイクロリアクターを開発しています。5本の耐高圧細管からなる基本モジュールの並列化(ナンバリングアップ)による処理量の大幅な増加(最大100 kg/h)を達成し、直接通電加熱法を用いた高効率超臨界水供給装置の商品化に一歩近づきました。300 ℃の熱水により、PET が原料成分のテレフタル酸とエチレングリコールに効率よく分解する条件を見出し、PETボトルの化学リサイクルに道をつけました。また、水を反応溶媒とし、高速(反応時間0.1~10秒)、高選択(ほぼ100 %)、高収率(99 %以上)に、C-C結合生成やO-アシル化反応を起こす新しい合成法を見出し、水の利用による低環境負荷プロセスとして期待されています。水素貯蔵材料として有望なシス-デカリン(シス選択性90 %以上)を、従来法に比較して25倍の高効率で合成するプロセスを開発しました。粘土を主成分とする柔軟な耐熱ガスバリア膜の作製に成功し、アスベスト代替材料として有望視されています。さらに企業との共同研究により、長尺フィルムの製造法および製造条件を明らかにしました。また、膜の透明度を実用透明フィルムレベル(全光線透過率90 %以上)に高めることに成功し、ディスプレー用フィルムなど、新しい用途に道を拓きました。Claist TPPETNylonPP200℃で1時間加熱後の各種透明フィルムの外観写真(左上が開発品) PET、ナイロン、ポリプロピレンは加熱により、変色や縮みが起こります。

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