アニュアルレポート 2005-2006
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47Annual Report 05-06Information Technology& Electronics近接場光応用工学研究センターCenter for Applied Near-Field Optics Research研究センター長富永 淳二URL: http://unit.aist.go.jp/can-for/TEL: 029-861-2934FAX: 029-861-2902研究の概要代表的な研究成果局在光と呼ばれる物体表面近傍にのみ存在する特殊な光を応用した次世代超高密度光ストレージシステムの研究開発が、世界各国から注目を浴びています。その中でも、産総研が民間企業と共同で研究開発を実施している「スーパーレンズ」方式と呼ばれる光ディスクは、信号強度と優れた超解像性を併せ持っていることから、近年脚光を浴びています。近接場光応用工学研究センターではスーパーレンズの研究開発を中心に、100 GBから1 TBの記録容量を有する次世代の光ディスクの研究開発と、その技術を利用した局在光応用デバイスの研究開発に取り組んでいます。市販のDVDやブルーレイ光ディスクに採用されている光学系を用いて、これまで薄膜による光超解像では再生信号光が微弱で対信号雑音比が確保できないと言われていた近接場光と回折光が混在した状態から、ピット長75 nmの近接場光信号を分離することに世界で初めて成功し、動画を記録・再生できる十分なエラーレートを確保することが可能になりました。この技術開発により、スーパーレンズ方式を用いれば50-100 GBの光ディスクシステムが可能であることを実証しました。さらに、スーパーレンズの派生技術として、酸化白金薄膜の高感度ナノ爆発作用を応用して、これまで電子ビームでのみ可能であった、大きさ100 nm以下のピットやパターンの描画を、安価な半導体レーザー光によって高速・広面積で加工できる新規ナノパターン加工装置を民間企業と共同で開発し、商品化しました。この技術開発によって、光ディスクのピット加工以外に、直径10 cmを超える広い面積をもった基板上へのナノ加工が、研究現場ではなく製造現場が必要としている加工時間内で実現できます。また、スーパーレンズの技術開発から生まれた銀ナノ粒子構造膜の応用展開も加速されており、高感度分子・バイオセンサーとして研究開発が行われています。さらには、生物機能工学研究部門と共同でDVDのシステムを応用した「バイオDVD」と呼ばれる、多機能光ディスクの研究開発もスタートしています。

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