アニュアルレポート 2005-2006
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Life Science & Technology39Annual Report 05-06研究ラボ長中西 真人バイオセラピューティック研究ラボBiotherapeutic Research LaboratoryURL: http://unit.aist.go.jp/btrl/ciTEL: 029-861-3040FAX: 029-861-2798研究の概要代表的な研究成果分子生物学や細胞生物学の成果を応用して開発された新しいバイオセラピューティック(Biotherapeutic:生物由来の医療用材料)は、まだ治療法がない難病に対する革新的医療を実現するための技術基盤として大きな注目を集めています。当研究ラボは、独創的なバイオセラピューティック基盤技術を開発し、その実用化への道筋をつけることを目指しています。●染色体に取り込まれることなく持続発現を可能にする新規遺伝子治療用ベクターの開発遺伝子治療では、生体に遺伝子を導入して発現させるツール(ベクター)がその成否を握っています。染色体に遺伝子を挿入できるレトロウイルスベクターは、遺伝子治療のツールとして成果を上げていますが、一方では染色体へのランダムな遺伝子挿入による副作用が問題となっています。我々は、細胞質で安定に維持されるRNAをプラットフォームとして使うことにより、染色体に遺伝子を挿入することなく持続的に外来遺伝子を発現できるベクターの開発に成功しました。本年度は培養細胞でその活性を確認しました。今後は動物実験により生体組織での有効性を確認する予定です。●ヒト細胞の寿命決定機構の解明と、細胞寿命を人為的に調節する技術の開発ヒトの組織を構成する細胞の多くはある決まった回数だけ分裂すると増殖を停止し老化することから、細胞には自らの寿命を決める遺伝プログラムが備わっていると考えられています。細胞寿命を決めるメカニズムの解明は、癌の新規治療法開発や再生医療の実用化などの先端医療と深い関係がある重要なテーマです。我々は、染色体末端のテロメアを構成するタンパク質TRF1の発現が細胞の寿命と密接な相関があることを発見しました。現在、この成果を基にTRF1を中心とした寿命を決める遺伝プログラムの解明を行っています。

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