アニュアルレポート 2005-2006
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Life Science & Technology37Annual Report 05-06研究ラボ長浅島 誠器官発生工学研究ラボOrgan Development Research LaboratoryURL: http://unit.aist.go.jp/odrl/ci/TEL: 029-861-2575研究の概要代表的な研究成果これまで私たちは、カエルの未分化細胞(アニマルキャップ)やマウスES細胞を用い、試験管内での組織・器官誘導系の開発を行ってきました。これらのノウハウを活用することによって、臓器形成メカニズムの解明と臓器形成ロードマップの作成を目指しています。また、器官や臓器の誘導再生技術をより高度なレベルに引き上げたいと考えています。これらの研究を通し、新しい発生学の研究領域を開拓すると同時に、確立された臓器誘導技術を医療・創薬へ応用し、ガンや生活習慣病の治療といった新しい医療応用技術の創成を目指しています。私たちは、主にツメガエルとマウスES細胞の系を用い、臓器分化のメカニズムを探ると共に、臓器ロードマップの作成を行っています。脳・神経系に関しては、神経分化に関与する新規因子Dallardが、BMPレセプターのリン酸化を抑制することによってBMPシグナルを抑制することを見出しました※1(図1)。また、レドックス関連因子nucleoredoxinがWntシグナル経路に関連し、ツメガエルの頭部形成に必要とされていることが分かりました※2。心臓・循環器系については、Xapelin遺伝子が心臓形成に関与することを明らかにし※3、 また、心筋の誘導系においてN-カドヘリンが心筋マーカーとして有効に機能することを明らかにしました※4(図2)。膵臓の誘導系に関しては、マウスES細胞からアクチビンやレチノイン酸を様々な濃度で処理することによって、アミラーゼを分泌する外胚葉性細胞とインシュリンを分泌する内胚葉性細胞を作り分けることができました※5。(参考文献)※1. Sato et al., Dev. Cell.(2007)※2. Funato et al., Nat. Cel. Biol. (2006)※3. Inui et al., Dev. Biol. (2006)※4. Honda et al., Biochem. Biophys. Res.Comm. (2006) ※5. Nakanishi et al., Differentiation (2006)図1 新規因子Dullardの機能DullardはBMPレセプターの脱リン酸化によってBMPシグナルを抑制し、神経分化を活性化する。図2 (A)FACSによるNカドヘリン陽性ES細胞の分離 (B)各画分における心臓マーカーIsl1の発現タイプⅡBMP受容体の脱リン酸化タイプⅠBMP受容体の脱リン酸化DullardBMP シグナル神経分化-/-+/--/++/+1.00.50ls/1Flk1/N-cadherinBAFlk1N-cadherin8.12.155.633.210310210110002010304

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