アニュアルレポート 2005-2006
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highlighthighlight14Annual Report 05-06熱交換器用の熱電発電モジュールナノテクノロジー研究部門 舟橋 良次最近、スチームオーブンや食器洗い機など過熱水蒸気(100℃より高温の水蒸気)の家庭での利用が広がっています。しかし、ガス燃焼で直接に熱交換を行う方法では、部品の熱劣化や火炎温度の低下による一酸化炭素(CO)の発生が問題となります。私たちは、大阪ガス株式会社・エネルギー技術研究所と協力して、発電に加え、ガス燃焼型水蒸気発生器の問題解決も可能なパイプ型熱電モジュールの開発を試みました。新たに開発する水蒸気発生器では、天然ガスの燃焼火炎内でモジュールを冷却するための水を用い、過熱水蒸気を生成します。そのため、モジュールの表面温度は1000℃を超える温度で加熱しなければなりません。つまり、パイプ型モジュールの熱電素子には、優れた発電特性だけでなく、火炎に対して高い耐久性が要求されます。そこで、私たちが開発した耐熱性に優れたセラミックス熱電材料を用いて作製したのが下図に示すパイプ型モジュールです。このモジュールの全長は30cmで、64対のp-n型セラミックス素子対から構成されています。モジュールを元止め式湯沸かし器に取り付け給湯を行いました。モジュール表面は天然ガスの燃焼火炎に曝されており、パイプ中には湯沸かし器から得られた温水の一部を流しました。モジュール表面付近は1000~1200℃になっており、その終端からは約200℃の過熱水蒸気が得られました。また、1本のモジュールから1.3~1.5V、0.28Wの電力を得ることができました。今後、モジュールの改良により発電量を増加できれば、電源が必要のない完全自立型蒸気発生器を実現することができます。また、セラミックス素子による鋼管表面の保護効果により熱交換器の寿命を延ばすこともでき、モジュール表面の温度を水量などで制御すれば、COやNOxの発生を抑制することも期待できます。このように、今回開発したモジュールは、ガス機器の安全性、利便性を高め、日常生活をより快適にするだけでなく、使われていなかった高温エネルギーの利用により省エネルギーにも貢献するものと考えています。直接熱交換可能なセラミックス製パイプ型熱電モジュール30 cm

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