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第30回産総研サイエンスカフェ

「iPS細胞で描く未来社会 これからの再生医療への期待と課題」


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 2011年10月21日(金)、つくばカピオ別棟「カフェベルガ」(茨城県つくば市)にて第30回産総研サイエンスカフェを開催しました。テーマは『iPS細胞で描く未来社会 −これからの再生医療への期待と課題−』、話題提供者は、幹細胞工学研究センター 器官発生研究チームの小沼泰子研究員です。今回はテーブル担当として同研究センターより、原本悦和さんと石嶺久子さんにもご協力いただきました。


 今回は再生医療への期待の大きい「iPS細胞」について、その能力や作成方法から実用化への課題、またその課題を乗り越える試みについてもご紹介いただきました。

 まず前半ではiPS細胞とは何であるか、またその作り方をご紹介していただきました。

 「iPS細胞」とは、induced(誘発された)Pluripotent(多能性)Stem cell(幹細胞)——人工多能性幹細胞と訳される細胞のことです。

 ヒトは身体のどの細胞にもなれる能力を持つ受精卵が、それぞれの身体を作る細胞へと変化していきます。これを「分化」と呼びます。例えば、イモリは手足を切られた際に、切断付近の細胞を分化する前に戻し、戻した細胞を再び切断された手足の細胞へ「分化」させることで再生させることが可能です。ですが、人間は分化した細胞を再びもとの分化する前の状態に戻す能力がありません。それを遺伝子導入などの方法により人工的に「分化する前の状態」に戻したのがiPS細胞です。

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顕微鏡で実際にiPS細胞を観察。参加者の皆さんから小沼さんへの質問が止まりません。 iPSの培養の際に実際に研究者がする作業を、電動ピペッターを使って体験

 後半では、最初にiPS細胞の再生医療への課題を挙げ、グループディスカッションをしました。そこで意見の多かった、「遺伝子組み換えをしている」「移植した細胞ががん化する可能性がある」「時間がかかる」という課題を解決しようとする研究について紹介していただきました。「がん化する遺伝子を使わずにiPS細胞を作る方法」「DNAを傷つけずに遺伝子導入する方法」や「iPS細胞バンク構想」など、再生医療での活躍に向けた研究が行われているようです。

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iPS細胞の可能性について語る小沼さん

 今回の産総研サイエンスカフェは第30回目の節目と記念すべき回となりました。5年前の2006年10月20日より始まった第1回から、参加していただける方が一人また一人と増え続け、現在では毎回定員を大幅に上回るお申し込み者数となり、毎回抽選で参加者を決めさせていただいています。ご参加いただけなかった方々は、申し訳ありません。

 これからも参加者の方々により満足いただけるイベントを目指して運営してまいりますので、今後ともよろしくお願いします!


 次回は地圏資源環境研究部門の安川香澄主任研究員に、「地球の熱を利用する」をテーマとして、地中熱利用や地熱発電について話題提供していただく予定です。


開催概要
日時 2011年10月21日 金曜日 18時30分 ~ 20時00分
(終了後、30分程度フリーで話題提供者とお話いただく時間をご用意しています。)
会場 カフェ・ベルガ
〒305-0032 つくば市竹園1-10-1(つくばカピオ別棟)
※駐車場は、周辺の有料駐車場をご利用ください。
主催 産業技術総合研究所 広報部
定員 30名
参加費 無料(ドリンク・菓子付き)
申込方法 参加申込につきましては、お申込フォーム、Eメール、電話でお願いいたします。

[1]サイエンスカフェ専用お申し込みフォーム

[2]Eメール:必要事項を記入の上、事務局宛に送信
 必要事項・・・お名前(ふりがな)、参加人数、連絡先

[3]電話:必要事項をお伝えください
 必要事項・・・お名前、参加人数、連絡先

※ご登録いただいた個人情報を本イベントの対応以外に使用することはありません。
問い合わせ先 産業技術総合研究所 広報部 産総研サイエンスカフェ事務局
〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 つくば本部・情報技術共同研究棟8F
電話:029-862-6211 Eメール:メールアドレス:s.cafe-ml*aist.go.jp(*を@に変更してご使用ください)
※「産総研サイエンスカフェ」では、お子様のご参加はご遠慮いただいております。
※「ラヂオつくば」の番組制作に協力するため、会場で録音させていただく場合があります。
※「産総研サイエンスカフェ」を紹介する目的で、Web等で動画公開するためのビデオ撮影を行うことがあります。

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国立研究開発法人産業技術総合研究所