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第21回産総研サイエンスカフェ

「自然界の燃える氷 メタンハイドレート」


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 4月23日(金)、第21回産総研サイエンスカフェ「自然界の燃える氷 メタンハイドレート」をつくばカピオ別棟 カフェベルガ(つくば市)にて開催しました。

 話題提供者は、メタンハイドレート研究センター 小笠原啓一 主任研究員です。

 今回のテーマはメタンハイドレートですが、前半は、科学技術コミュニケーターという肩書きも持つ小笠原研究員から、サイエンスカフェの歴史と定義、参加の仕方についての説明がありました。ご参加いただいた全員の方に、身近なところでエネルギーに関して考えていることを交えて自己紹介をしていただき、会場は自由に発言をしやすい雰囲気となりました。

 続いて、主に石油と天然ガスに関する日本のエネルギー事情についての様々なデータの紹介がありました。今回のサイエンスカフェは、話題提供者が一方的に話すのではなく、数値やグラフを見て、参加者の方々が思ったこと、考えたことを自由に発言していただきながら進みました。日本の1次エネルギー供給推移や主要国の石油依存度、原油輸入先国などが示されたとき、会場からは「日本は石油に依存しすぎている」「しかし、供給エネルギーの総量は増えているが、石油は横ばいである」といった声が上がりました。液化天然ガス(LNG)についても同様で、LNG輸入プロジェクトと契約期間が紹介されたときには、「東南アジアにおける大口の契約は、この先10年以内にほとんどが終了してしまう」といった声が上がりました。解釈には正解がありません。データを基に自ら考えることが重要なのだそうです。

 これらのデータを踏まえ、参加者がテーブルごとに「日本の化石型燃料に関するエネルギーはどうあるべきだと思いますか?」というテーマでディスカッションを行い、テーブルに広げた模造紙に自由に書き込んでいただきました。

 後半は、人工のメタンハイドレートをそれぞれのテーブルに配り、触れた温度やガスが噴出する音、実際に火をつけて燃焼する様子などを観察していただき、五感でメタンハイドレートを感じていただいた後、メタンハイドレートの海底の分布や研究の動向が紹介されました。

 メタンハイドレートは高圧で低温な深海の海底下などに多く分布し、日本近海にも存在しています。東部南海トラフと呼ばれる海域のメタンハイドレート原始資源量は、天然ガス換算で1兆1,400億m3であり、これらが全て利用できるとしたならば、日本の天然ガス年間消費量の約13年分に相当します。メタンハイドレート資源開発の直接的効果として、年間100億m3生産されると、エネルギー自給率がおよそ4%から15%まで上昇し、CO2排出量削減効果も炭素(C)量に換算して年間400万トンと見込まれています。

 ところが、メタンハイドレートは高圧ガスとして存在する天然ガスと異なり、未固結の砂層中に固体結晶状で存在するため掘削するだけでは自噴しません。ガスのみを分解するためには、(1)「温度を上げる」、(2)「圧力を下げる」、(3)「生成・解離平衡条件自体を低温高圧側にシフトさせる」、そして(4)「(1)~(3)の組み合わせ」の4通り考えられますが、現在は(2)が有力視され研究が進んでいます。

 話題提供者である小笠原主任研究員の研究グループでは、メタンハイドレート資源開発における生産性低下要因である坑井内など流動場のメタンハイドレート再生成挙動について、その生産障害予知・予防・対策のため、メタンハイドレート再生成挙動の実験的検証などを行っています。

 今回のサイエンスカフェでは、話題提供の最中だけではなく、ディスカッションにおいても多くの方がご自分の意見や考えをたくさん述べられ、活発な議論が交わされていました。そのことからも、エネルギー問題に対する参加者の皆様の関心の高さが伺えました。

 次回は2010年6月25日(金)に「環境を数字にする~都市ヒートアイランドについて語ろう~」をテーマに開催します。ご興味のある方は、ぜひお越しください!

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開催概要
日時 2010年4月23日 金曜日 18時30分 ~ 20時00分
(終了後、30分程度フリーで話題提供者とお話いただく時間をご用意しています。)
会場 カフェ・ベルガ
〒305-0032 つくば市竹園1-10-1(つくばカピオ別棟)
※駐車場は、周辺の有料駐車場をご利用ください。
主催 産業技術総合研究所 広報部、メタンハイドレート研究センター
定員 30名
参加費 無料(ドリンク付き)
申込方法 参加申込につきましては、お申込フォーム、Eメール、FAX、電話でお願い致します。

[1]サイエンスカフェ専用お申し込みフォーム

[2]Eメール:必要事項を記入の上、事務局宛に送信
 必要事項・・・お名前(ふりがな)、参加人数、連絡先

[3]FAX:参加申込書に記入の上、事務局宛にFAX
 FAX用参加申込書[ PDF:9KB ]

[4]電話:必要事項をお伝えください
 必要事項・・・お名前、参加人数、連絡先

※ご登録いただいた個人情報を本イベントの対応以外に使用することはありません。
問い合わせ先 産業技術総合研究所 広報部 産総研サイエンスカフェ事務局
〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 つくば本部・情報技術共同研究棟8F
電話:029-862-6211 FAX:029-862-6212
Eメール:メールアドレス:s.cafe-ml*aist.go.jp(*を@に変更してご使用ください)
※当日撮影した写真等を産総研の広報活動に使用させて頂く場合がございますのであらかじめご了承下さい。
※ラヂオつくばの番組制作に協力するため、録音させて頂く場合がございます。
※一般の方が対象ですが、お子様のご参加はご遠慮頂いておりますのでご了承下さい。

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