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第3回サイエンスカフェ in 北海道
「夢のあるロボット、役立つロボット、未来のロボット -産総研ロボット技術の紹介-」

 平成26年9月20日(土)、R&Bパーク札幌大通サテライト HiNT(北海道札幌市)にて第3回産総研サイエンスカフェin北海道「夢のあるロボット、役立つロボット、未来のロボット~産総研ロボット技術の紹介 ~」を開催しました。話題提供者は、知能システム研究部門 フィールドロボティクス研究グループ 神村明哉 主任研究員です。カフェ当日は、市内の工業高校生の皆さんを中心に定員いっぱいの20名の方にご参加いただきました。

 まず神村さんは、モジュール型ロボット開発についての説明を始めました。開発のきっかけは、生物の再生や進化、増殖といった特徴をヒントに、機械も複数の細胞機械(モジュール)で構成してはどうかと考えたことだったそうです。環境や目的に応じて形態や大きさが変化し、故障箇所は切り離したり置き換えたりして自己修復し、長期間安定的に仕事ができる夢のような機械システムです。神村さんは、現在までに3世代のM-TRAN(Modular Transformer)モジュールを開発しました。M-TRANは構成だけでなく、移動動作にも生物のシステムを応用することで、ロボットが自律的に環境に適応したリズミカルな動きを作り出すことが可能になったそうです。説明の後、M-TRAN3の変形と移動を参加者の方々に実際に見ていただきました。同じ形をしたブロックを組み立てると、プロック同士が協調しながら変形し、移動するという一連のスムーズな動きに、参加者も思わず見入っていました。それぞれのモジュールには頭や足といった役割の初期設定はなく、合体後、モジュールそれぞれが自身の位置を把握し、それぞれの役割を決めて動き始めると神村さんは説明しました。

 休憩をはさみ、続いて小型点検ロボットDIR-3の説明が始まりました。人間が入れない環境下で探査、点検ができる点において、ロボットには大きな利点があります。神村さんは、災害現場などで複数の探査ロボットが自動的に情報収集を行うシステムの実現を目指し、移動検査ロボットを開発してきました。開発したロボットは、温度湿度、気圧、明るさ、磁気の方向、一酸化炭素、放射線量などの測定、探知が可能で、人間がカメラの映像を見ながら遠隔操縦することで、人間の入ることが困難な狭い場所の点検ができます。最新の小型点検ロボット新DIR-3では、従来の産総研の小型点検ロボットが苦手としていた「段差を下りる動作」が改善されたそうです。神村さんは、DIR-3の応用先として床下検査の例を挙げ、安全性と時間短縮、状況の記録の面で、ロボット利用のメリットがあると説明しました。説明の後、新DIR-3を実際に参加者の方々に操縦してもらい、段差の上り下りや各種の探査機能のデモンストレーションを行いました。現在は移動、測定に手動の操作が必要ですが、近い将来、これらのロボットが自動で探査を行う時代が来るかもしれません。

 最後に、神村さんは、相互に学習、情報共有を行う未来のロボット像について紹介しました。皆さんも、インターネット関連の用語でクラウド(雲)という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。クラウド(雲)とは、クラウドコンピューティングの略であり、パソコンや携帯端末にデータを保存するのではなく、インターネット上にデータを保存し、時間や場所にとらわれず情報を共有できるサービスのことをいいます。既に、クラウドを利用した便利なロボットが開発され始めています。M-TRANも将来は、合体変形した後、クラウドから情報を取得し多様な機能を持てるようになるかもしれません。クラウドの利用によって、ロボットは他の電子機器やインターネットから情報を得て、どんどん賢くなっていくのです。その一方で、ネットワークの切断によるロボットの不具合や、ロボットによる個人情報の漏洩などの、悪い面も考えられるそうです。

 カフェ終了後も、神村さんに沢山の質問が寄せられ、参加者の方々のロボットへの興味、関心の高さを強く感じました。

 今後も、北海道では引き続き産総研サイエンスカフェを開催していきます。皆さんのご参加をお待ちしております!。

写真2
DIR-3の実演の様子
写真3
M-TRAN3の実演の様子


サイエンスカフェの様子を撮影編集した動画。

開催概要
日時 2014年9月20日 土曜日 13時30分 ~ 15時30分 (開場:13時00分)
会場 R&Bパーク札幌大通サテライト HiNT
〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西5-8 昭和ビル1階(地下鉄大通駅1番出口直結)
主催 産業技術総合研究所
共催 R&Bパーク札幌大通サテライト HiNT
参加費 無料 (ドリンク・お菓子をご用意)
定員 20名 ※要予約(先着順に受付、定員になり次第締め切り)
対象 一般の方(特に中学、高校、専門学校、大学生、およびその教員を歓迎します。)
申込方法 オンライン登録、電話、FAX
問い合わせ先 産業技術総合研究所 北海道センター
〒062-8517 北海道札幌市豊平区月寒東2条17-2-1
電話:011-857-8406
プログラム、申込先、その他詳細情報 第3回サイエンスカフェ in 北海道
「夢のあるロボット、役立つロボット、未来のロボット -産総研ロボット技術の紹介-」
https://www.hint-sapporo.jp/seminars/index/53
※産総研の広報活動に使用することを目的としてサイエンスカフェの様子を写真・動画撮影させていただきます。その他の目的に使用することはございません。またご提供いただいた個人情報はお申し込みの確認および産総研の各種イベントのご案内以外には使用しません。あらかじめご了解されますようお願いいたします。
産総研サイエンスカフェのページ

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