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東北イノベーション宣言

東北イノベーション宣言について

国立研究開発法人産業技術総合研究所東北センター(以下、産総研東北センター)は、地域イノベーションネットワークを強化するための活動の一つとして、Tohoku Activation Panel (通称TAP)と名付けた意見交流の場を2020年から運営しています。TAPには、東北地域、宮城県の経済、産業に影響力のある産学官のリーダーの方々にお集まりいただいています。そして、地域活性化のための情報交換とディスカッションを行って、地方創生に繋げることを目指して活動しています。

TAPでは、生産性向上・人材育成・イノベーションの3つのキーワードに着目して東北地域の現状分析とともに、発展成長に向けた議論やオンサイト活動を行ってきました。未来の東北地域の経済、産業、知の持続的な発展を目指して、これまで4年間に渡って議論してきた集大成として、ここに「東北イノベーション宣言」としてまとめましたのでご紹介します。この「東北イノベーション宣言」は、地域の潜在力を最大限に引き出し、持続可能な未来を築くための指針としてまとめています。この宣言と共に、東北地方の豊かな自然と独自の文化、そして知の集積を用いて地域の活力を支えるイノベーションにつなげて行きます。イノベーションの力を活かし、東北の魅力をさらに高めるために、私たちは共に前進していく決意を新たにします。

 

 

「東北イノベーション宣言」の骨子

生産性向上: 地域経済を持続的に強化する連携

  1. 技術革新の促進(DX・ロボティクス)
  2. 持続可能な生産方法の推進
  3. 産業クラスター形成

人材育成: イノベーションの原動力となる専門家を輩出すべく連携

  1. 教育とスキルの向上
  2. 地域への人材定着の促進
  3. 産業と教育機関の連携
  4. グローバルマインドセットの育成

イノベーション: 東北地域を真のイノベーションの拠点とするために、創造的なアイデアの創出とプロジェクトの発展を支援

  1. 研究と開発への投資
  2. イノベーションハブの構築
  3. マーケティングの強化
  4. イノベーション創出の推進 
  5. 地域社会へのイノベーションの還元
 

東北イノベーション宣言の運用方法について

  • 東北イノベーション宣言は、連携する団体関係者、見たい方どなたでもいつでもアクセスして活用できるよう産総研東北センターのwebページ(当ページ)で公開いたします。
  • 連携する組織の皆様だけでなく、ご賛同いただける皆様にも利用頂き、ご自身の現業に生かして活用頂けます。
  • 恒久保存できるように揮毫したものも作成しています。来所の際にご希望頂ければ、こちらも御覧頂けます。
 
揮毫した「東北イノベーション宣言」イメージ写真
揮毫した東北イノベーション宣言文
 


東北イノベーション宣言

私たちは、東北地域の産学官のステークホルダーがTAP(Tohoku Activation Panel/地域企業支援事業検討会)の場に集まり、2020年から連携の基盤醸成のために調査やディスカッション、オンサイト活動を行ってきました。これまでの4年間で着実に「ネットワーキング」を高め、連携基盤形成を進めてきました。そして、東北地域の発展のために、肩肘を張らない本質的な意見交換を行い、この会議で得た最新の情報、質の高い情報を職場に持ち帰って、それぞれの成長につなげ、本業の役に立てるユニークな会議として活動してきました。その活動を通して、今後の東北地域の繁栄を追求し、持続的な経済成長を促進する事を目指して議論してきた重要なポイントを整理しました。 そして、産業技術連携推進会議東北地域部会の方々とも共有し、意見を反映させてここに「東北イノベーション宣言」としてまとめました。

宣言本文
私たちは、今後の東北地域の未来を切り拓き、持続的な発展を実現することを目指して、生産性向上・人材育成・イノベーションの3つの柱に着目して、以下の様に東北イノベーション宣言を掲げます。
 
第一項目: 生産性向上
 
私たちは、東北地域の産業界で生産性向上を実現し、地域経済を持続的に強化するために連携します。
  1. 技術革新の促進: デジタルトランスフォーメーション(DX)と自動化をはじめとする最新の技術を導入し、産業イノベーションを推進します。 単なる業務効率改善に留めず継続的な研究開発と新技術の採用を通じて、生産性を向上させ、競争力を高めます。
  2. 持続可能な生産方法の推進: 環境に配慮し、資源の効率的な利用を促進します。循環型経済モデルの採用や省エネルギー技術の導入により、生産プロセスを持続可能なものに転換します。
  3. 産業クラスターの形成: 東北地域内の産学官が連携して様々なカテゴリーで産業クラスターを形成し、相互協力を促進します。クラスター内の企業との連携を通じて、生産性向上とイノベーションを共に推進させます。
 
第二項目: 人材育成
 
私たちは、東北地域の人材を育成し、イノベーションの原動力となる専門家を輩出するために連携し尽力します。
  1. 教育とスキルの向上: 東北地域において高品質な教育を提供し、人材育成に注力します。STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)分野の教育の後押しで連携し、次世代のリーダーを育成します。
  2. 地域への人材定着の促進: 東北地域での生活や仕事を魅力的にするために、住環境の改善や働きやすい環境の整備に取り組みます。地域に根付いた人材を育て、定着を支援します。
  3. 産業と教育機関の連携: 地域の大学や研究機関と産業界との連携を深め、実務経験を重視した教育機会を提供します。東北における様々な最先端科学プロジェクトが推進されている環境の中で、大学と産業界の交流を更に推進し、積極的な発展の後押しを進めます。
  4. グローバルマインドセットの育成:グローバルな視点を持つ人材を育成し、国際的な競争力を高めます。
 
第三項目: イノベーション
 
私たちは、東北地域を真のイノベーションの拠点とするため、創造的なアイデアの創出とプロジェクトの発展を支援します。
  1. 研究と開発への投資: 東北地域において研究と開発を支える環境を整え、新たなアイデアの創出と技術の発展を奨励します。研究機関やベンチャー企業への地域の投資を増やし、革新的なプロジェクトを支援します。
  2. イノベーションハブの構築: イノベーションを促進するために、スタートアップの育成やテクノロジーコミュニティの発展を支援します。イノベーションハブを構築し、東北地域の枠を超えて協力と技術の交流を促進します。
  3. マーケティングの強化: マーケティングに重点を置き、製品やサービスの価値を最大化し、新たな市場への進出を支援します。
  4. イノベーション創出の推進: 新たなイノベーション創出のため、放射光施設の活用をはじめとした幅広い分野で連携・共創し、優れた研究成果の創出や社会課題の解決、新たな社会的価値の創造を推進します。
  5. 地域社会へのイノベーションの還元: イノベーションが地域社会にも貢献できるよう、社会課題解決や地域コミュニティ強化に取り組みます。技術と創造力を活用して、東北地域の発展と持続可能性を支えます。
この「東北イノベーション宣言」は、生産性向上、人材育成、イノベーションの3つの柱に基づいて、東北地域の発展と繁栄を目指すものです。我々は連携協力し、共に努力して、東北の未来を輝かせるために取り組みます。
 
2024年 3月 18日
TAP (Tohoku Activation Panel)
 
TAP (Tohoku Activation Panel ) / 地域企業支援事業検討会
東経連ビジネスセンター
一般社団法人みやぎ工業会
国立大学法人 東北大学
東北経済産業局
宮城県
仙台市
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 東北センター
東北イノベーションキャピタル株式会社
公益財団法人仙台市産業振興事業団
特定非営利活動法人 natural science
 
国立研究開発法人産業技術総合研究所