| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
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| 5巻1号 | 研究論文 | 高品質なプロジェクトマネジメントを実現するトレーサビリティ・マトリックスの構築 [PDF:3.1MB] − プロセス中心から情報中心のプロジェクトマネジメントへの変革に向けた基礎理論の提案 − |
ソフトウエア開発プロジェクトにおいて、設計に関する情報は予算や品質を左右する重要なものである。そこで、この研究ではプロセス中心のプロジェクトマネジメント技術では見え難い情報に着目し、情報がプロジェクト内でどのように移転していくのかトレースを可能とするモデルを構築した。そのモデルにより、トレースの複雑性を定量化するトレーサビリティ・マトリックス手法を構築した。そして、ソフトウエア開発プロジェクトにそのモデルと手法を適用することで高品質な情報中心のプロジェクトマネジメントを実現する手法を示した。 | 榮谷 昭宏 ほか |
| モノピボット遠心血液ポンプの実用化開発 [PDF:2.2MB] − 製品につながる医工連携とは − |
長期埋め込み人工心臓の前に4週間以内のつなぎに使用できる、補助循環遠心ポンプを製品化することに成功した。独自の軸受として採用した1点支持型のモノピボット軸受は、世界に先駆けて提唱した機構である。医工連携として大学医学部と意見交換をする中から、動物実験前の設計検証のために提唱した流れの可視化実験で血液適合性を定量的に評価・改良し、独自に開発した模擬血栓試験で抗血栓性を評価・改良し、最小限の動物実験数で生体適合性の評価を実施できた。技術シーズを提供して一つの製品を世に出したばかりでなく、その評価技術を他機関の製品化にも提供し、さらに医療機器ガイドライン事業にも協力して広く産業界に貢献している。 | 山根 隆志 ほか |
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| マグネシウムおよびその合金中の不純物酸素分析手法 [PDF:2.8MB] − 研究開発と併行した国際標準化への取り組み − |
マグネシウムおよびその合金中の不純物酸素を対象とする簡便かつ信頼性の高い分析手法を開発した。今回、分析対象の不純物酸素を直接分析するのではなく、不純物酸素が含まれる酸化物の部分を試料から分離した後に酸素分析を行うという「多段階昇温法」を考案した。酸化物中の酸素の分析は、金属中酸素の分析手法として広く用いられている不活性ガス融解−赤外線検出法を用いて試験装置毎の温度校正を行うことで、十分な精度での分析が可能であることを実証した。また、これらの研究開発と併行して国際標準化の準備を進めた。韓国への技術協力により日韓両国で整合性のあるデータが得られることを示し、ISO専門委員会への提案を円滑に進めることができた。 | 柘植 明 ほか |
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| Synthesiology論文における構成方法の分析 [PDF:2.9MB] − 研究の成果を社会につなげるための構成学的方法論をめざして − |
2008年に創刊された学術雑誌Synthesiology(構成学)に掲載された70編の研究論文を対象にして、構成の方法論を分析した。その結果、研究分野ごとに構成方法に特色があり、バイオテクノロジー分野やナノテクノロジー・材料・製造分野ではブレークスルー型の構成に特徴があり、標準・計測分野で戦略的選択型が多いことが判明した。また、全体としては共通の構成方法として、本格研究においては「技術的な構成」と呼ぶべきものの方法論が重要であり、その研究成果を社会に導入させて行くためには、さらに「社会導入に向けた構成」と呼ぶべきものも連続して起こすことが特徴の一つであることが明らかになった。その際、前者においても後者においてもフィードバック・プロセスが見られるが、後者においては社会的試用によりフィードバック・プロセスを何回も回していくスパイラル・アップとも呼ぶべきダイナミックな構成方法が観察された。 | 小林 直人 ほか |
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| 家庭用固体高分子形燃料電池の実用的耐久性確保のための技術開発 [PDF:2MB] − 固体高分子形燃料電池の劣化加速試験法のための劣化要因解明 − |
クリーンで小型でも高効率発電が可能な固体高分子形燃料電池を利用し、電気と熱を供給できるコージェネレーションシステムは、家庭内での大幅な省エネルギー化が可能で、その市場化が期待されてきた。市場化には燃料電池の40,000時間の耐久性が目標であった。この実現のため燃料電池の耐久性の技術見通しを立て市場化を目指して、燃料電池メーカー、エネルギー供給会社、大学、産総研がコンソーシアムを形成し、劣化加速手法の確立に取組んだ。産総研は仮説であった劣化機構を実験的に確認することを通して、開発した劣化加速手法の合理性を示した。これにより、開発された劣化加速手法を実際の燃料電池の耐久試験へ適用して実用的耐久性を見通すことができ、家庭用燃料電池コージェネレーションの市場化へ繋がった。 | 谷本 一美 ほか |
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| 報告 | 研究・技術計画学会構成学ワークショップ [PDF:1.3MB] − シンセシオロジー(構成学):知の統合からイノベーションへ − |
2011年10月に山口大学常盤キャンパスにて開催された研究・技術計画学会年次学術大会における構成学ワークショップ「シンセシオロジー(構成学):知の統合からイノベーションへ」の概要をご報告いたします。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
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| 4巻4号 | 研究論文 | フレキシブル太陽電池の高性能化技術開発 [PDF:1.8MB] − 「フレキシブル太陽電池基材コンソーシアム」の運営と成果 − |
フレキシブル太陽電池開発に必要な要素技術課題を明らかにし、課題解決のための産学官からなるコンソーシアム体制を構築した。フレキシブル薄膜シリコン太陽電池の高効率化に必須のポリマー基材への凹凸形成技術を開発し、ガラス基板上と同等の性能をもつ薄膜シリコン太陽電池をポリマー基材上に作製することに成功した。現在は、コンソーシアム研究の段階から企業内での実用化研究の段階に移行している。当該コンソーシアムの設立過程、運営方針、特許戦略さらには若手人材育成の考え方について概説する。 | 増田 淳 |
| 地質学から見た高レベル放射性廃棄物処分の安全性評価 [PDF:1.9MB] − 事象のシナリオに基づく長期予測の方法論 − |
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、閉鎖後の処分システムの安全性評価の対象期間は数十万年を超えるとされるが、そのような長期の安全性をいかに示すのか、いかなる基準を設け規制を課すべきなのかが大きな問題となっている。特に日本は地震や火山活動が活発な変動帯にあり、安全性評価に必要な地質学的課題は多岐に及ぶ。この論文では、火山活動の噴火履歴の解析結果を例にして、一つの出来事がプロセスを経て次々に出来事を誘発するという一連の事象(シナリオ)に基づく課題の抽出と地質事象の成因に踏み込んだ長期の将来予測の方法論を提示した。 | 山元 孝広 | ||
| 圧力計測の信頼性向上と国際相互承認 [PDF:2.6MB] − 工業用デジタル圧力計の計量標準体系への組み込み − |
信頼性の高い圧力の計測は社会と産業のあらゆる活動の基盤をなすとともに、国際貿易の中でも各国が高い関心を払っている。最近工業用デジタル圧力計の特性が進歩し、環境変化および輸送に対する安定性だけでなく、短期・長期の安定性が著しく向上した。産総研ではこれらの進歩に着目し、工業用デジタル圧力計の特性を詳細に評価した上で、それらを計量標準体系のいくつかの局面、すなわち圧力の国家標準の整備、国家標準の国際比較、国内標準供給に組み込んだ。これらの結果、産業現場での圧力計測の信頼性確保が効率的に行えるようになり、また、多くの国際比較を実施して圧力計測の国際相互承認の推進に貢献した。 | 小畠 時彦 ほか |
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| 微生物変換による活性型ビタミンD3の効率的生産 [PDF:1.7MB] − 分子の改良から細胞膜改変までの包括的アプローチ − |
生体触媒を用いた物質変換プロセスは、一般に反応特異性が高く、効率的な物質生産を行う上で極めて重要な技術である。加えて、生体触媒は有害物質の排出が少なく、環境汚染のリスクが少なく、生産過程におけるエネルギー消費量が少ないという利点がある。この論文では、放線菌ロドコッカスエリスロポリス細胞を用いた生体触媒変換系による活性型ビタミンD3の生産に関して記述する。この微生物変換の触媒反応を担う酵素の性能向上は、進化工学および立体構造を基にした手法の組み合わせにより達成した。これにより、活性型ビタミンD3の実生産効率を高めることに成功した。さらに、抗菌物質であるナイシンを用いて細胞を処理することにより、ビタミンD3の細胞膜透過効率を飛躍的に向上させることに成功し、新たなビタミンD3水酸化反応プロセスの基盤開発に成功した。 | 田村 具博 ほか |
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| 座談会 | システムと構成学を考える [PDF:619KB] |
総合科学技術会議の前議員であり、元日立製作所副会長で現日立マクセル名誉相談役の桑原洋氏のもとを、本誌の小野編集長と赤松編集幹事が訪問しました。桑原氏は前号で対談を行った科学技術振興機構(JST)木村英紀上席フェローが主宰したJSTのシステム科学技術委員会の委員でもあり、これまでの多くのシステム開発の実績をもとに、同委員会での提言作りを主導してこられました。そこでシステムと構成学をキーワードとして座談会を行いました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
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| 4巻3号 | 研究論文 | 札幌市庁舎ビルの空調システムの省エネルギー化実証実験 [PDF:2.2MB] − 界面活性剤を用いた流動抵抗低減によるポンプ動力の低減 − |
近年、二酸化炭素の排出量が民生業務部門でも増加している。この実験ではビルの冷暖房用循環水の搬送動力を低減させることを目的として、循環水に高分子や界面活性剤を混ぜると発現する流動抵抗低減効果、いわゆるToms効果を利用し、その有効性を検証した。この効果については、多くの基礎研究やビルへの適用例もいくつかあるが、複雑な配管路から構成される実際のビルの循環水に界面活性剤をどのように注入するか、注入後管内の流動や伝熱の性能はどのように変化するか、さらにこの効果を長期にわたり維持継続する方法等について明確にした報告がなく、この技術の普及の妨げとなっている。この論文では札幌市役所本庁舎の冷暖房システムを使用して行った実証実験で得られた知見を示し、それを一般化してこの技術の普及につなげたい。 | 武内 洋 |
| 人の認知行動を知って製品やサービスを設計する [PDF:1.8MB] − 構成的研究のための認知的クロノエスノグラフィ法の開発 − |
単に開発者のアイデアだけで技術開発を行っていると、人に受容される製品やサービスを実現することは容易ではない。それは、さまざまな個性を持つ利用者が実際にそれを使う状況下で何を考え、何を感じているかを、開発者が正しく知ることが困難だからである。そこで、実際の状況下での人の認知行動を把握する手法である認知的クロノエスノグラフィ法を開発した。この方法は、対象とする人の条件を明確化して選定したエリートモニターを用い、製品やシステムの設計につながる変数であるクリティカルパラメータを事前に検討して、それを統制したうえで実生活場面での行動を記録して、それを基に回顧的インタビューを行うことによって認知行動過程を明らかにする。製品やサービスの設計につながることを指向する構成的な研究プロセスの初期段階に適用する手法である。 | 赤松 幹之 ほか |
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| 緊急時に飲料水を確保するための技術 [PDF:2MB] − 硝酸イオン選択吸着「材」 − |
地下水は古くから清浄な飲料水源として使用されてきたが、近年、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素による汚染のため、飲料水として用いられなくなった井戸も少なくない。緊急時にこれらを活用し、安全な飲料水を確保するため、「機動的浄水システム」の開発を行った。これは、私達の健康リスクとなる物質を除去・無害化するために開発した「硝酸イオン選択吸着剤」と、企業が開発した機能性物質の性能を低下することなく取り扱いが容易な形に成形する「非接触担持成形技術」を組み合わせることによって成し得たものである。 「機動的浄水システム」の技術要素である硝酸イオン選択吸着「材」の開発を中心に述べる。 |
苑田 晃成 | ||
| 自動車用ナビゲーションの総合的開発 [PDF:1.6MB] − 夢の実現のための製品開発と社会受容のための標準化 − |
自動車用ナビゲーションは、電子技術の急速な発展を背景として、目的地に効率的に行きたいというニーズが自動車開発の企画にのり、搭載する多くの技術、通信や道路データ等支える多くの技術が長年にわたる官学民の協力で実現し、普及してきた。またそれらの技術はITS標準化の名の下に国際的な整合が行われている。なかでもナビゲーションは運転中の視認・操作を伴う車載装置でもあり、安全性、特にヒューマンファクタが重要なアイテムになる。この論文は開発の歴史を紐解き、社会受容が可能になるヒューマンファクタの研究と標準化を紹介する。 | 伊藤 肇 | ||
| 軽元素原子を可視化する新型低加速電子顕微鏡の開発 [PDF:2.7MB] − "トリプルC"プロジェクトのねらいと取り組み − |
近年のソフトマター分野における単分子・単原子レベルの構造観察の需要に応えるためには、かつての分解能向上のみを追求した超高圧化とは一線を画する革新的な電子顕微鏡装置の開発が不可欠である。筆者らは低加速電圧の有用性にいち早く着目し、既存装置では到達し得ない大幅な低加速化と高性能化を同時に実現するため、軽元素物質の観察に特化したまったく新しい電子顕微鏡の開発に取り組んでいる。この論文では、球面収差(Cs)補正、色収差(Cc)補正、カーボン(C)ナノ材料、という三つの"C"に重点を置いた、この"トリプルC"プロジェクトのねらいと成果をまとめるとともに、将来の低加速電子顕微鏡の応用について展望する。 | 佐藤 雄太 ほか |
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| 座談会 | システム科学技術の研究開発[PDF:1MB] | 科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センター(CRDS)では、システム科学技術推進委員会を設けて、システム科学技術研究として何を推進すべきかを検討してきました。研究領域が細分化に進むのに対して、システムとは統合することであることから、シンセシオロジーが目指しているところと共通しているものがあります。システム科学技術推進委員会を牽引されてこられた木村英紀上席フェローにお話を伺いました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
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| 4巻2号 | 研究論文 | 適応学習型汎用認識システム: ARGUS [PDF:2.3MB] − その理論的構成と応用 − |
近年、映像の監視や目視検査等、さまざまな分野で視覚システムのニーズが高まっている。特に、簡便で高速な実用的な視覚システムの実現が望まれている。この論文では、その目標に向けて筆者がこれまで行ってきた理論研究とその応用について概説する。まずこれまでのアプローチの問題点を指摘し、基礎としてのパターン認識の基本的な枠組、特に特徴抽出理論について言及する。次にその実践として提案した高次局所自己相関と多変量解析手法の2段階の特徴抽出からなる適応学習型汎用認識方式と、その応用事例を示す。実験結果は本方式の柔軟で効果的な性能を示している。 | 大津 展之 |
| ヒューマノイドロボットのコンテンツ技術化に向けて [PDF:2MB] − クリエイターによる多様な表現の創出が可能な二足歩行ヒューマノイドロボットの実現 − |
ヒューマノイドロボットは人間と同様に多様な振る舞いを表現する能力を秘めていることが大きな特徴であり、これをコンテンツ技術として利用することが期待できる。この利用法を実用的にするための技術的課題をロボットハードウエア、動作表現支援、音声表現支援、統合インタフェースの観点から考察し、それらの課題を解決する技術の開発と統合を行った。その結果人間にとても近い外観を有する二足歩行ヒューマノイドロボットHRP-4Cと、その動作をCGキャラクタと同様に振り付け可能な統合ソフトウエアChoreonoidを実現した。また、これらを用いたコンテンツ制作実験により、ヒューマノイドロボットのコンテンツ技術としての可能性を検証した。 | 中岡 慎一郎 ほか |
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| 水素センサーの研究開発 [PDF:2.1MB] − 水素安全技術から国際規格まで − |
水素ステーションでの水素漏れ検知に向けて開発した熱電式水素センサーは、優れた水素選択性と、0.5 ppmから5 %までの広範囲の水素濃度検知性能という特徴を示した。1年間のフィールドテストにおいてこれまでの技術を超える高感度と信頼性を実証し、その技術を実用化することで社会へ還元した。触媒燃焼と熱電変換技術を組み合わせた新しい原理、それを最大限活用するための微細加工技術、ガス燃焼に欠かせない高性能のセラミックス触媒部材、これら三つの構成要素を社会的なニーズという境界条件に合わせて、各要素の特長を最大に引き出すことができた。さらに、開発中に検討したセンサー性能評価技術を国際標準の提案へ発展させた。 | 申 ウソク ほか |
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| 超高精細映像送受信を支える光通信ネットワークの実証実験 [PDF:2.4MB] − ダイナミック光パス・ネットワーク映像配信実験 − |
現在の通信ネットワークを構成する装置群の消費電力、通信容量等の限界を超えるために、産業技術総合研究所(AIST)は、情報通信関連企業5社と共同で、情報通信研究機構(NICT)、NHK放送技術研究所の協力のもと、高精細大容量映像時代を支える新しい光通信ネットワークの実証実験を実施した。この実験は研究開発テストベッド等による光ファイバー線路を用いて東京の秋葉原・大手町・小金井の3点を結び、AISTが中心に開発する「ダイナミック光パス・ネットワーク」を実際の環境下で動作させる試みである。異種間ネットワーク接続としてNICTの光パケット・光パス統合ネットワークと協調すると共に、NHKの超高精細映像の配信も合わせて行っている。この論文では開発された要素技術を用いて行った実証実験について、その目的や狙いとともに、動作結果を得るまでの技術的構成と成果について述べる。 | 来見田 淳也 ほか |
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| 論文補遺:PAN系炭素繊維のイノベーションモデル [PDF:1.4MB] − 励振モデル;研究者の活動とマネージメントの相乗効果 − |
Synthesiology誌第2巻第2号159-169頁にて発表された論文「PAN系炭素繊維のイノベーションモデル」に関して、誤りや不正確な表現があり、著者の意図が必ずしも十分に伝わらず誤解を招く可能性もあったので、以下に正誤表、原論文を補遺するための追加参考文献および追加的な解説を記す。 | 中村 治 ほか |
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| 座談会 | シンセシオロジー創刊3周年記念著者座談会 [PDF:1MB] |
創刊3周年を迎え、これまでに執筆された方々を代表して、各研究分野からお一人ずつ出席していただき、シンセシオロジーだから書けたこと、執筆した論文がどう役立ったか、シンセシオロジーの特徴の一つである「査読者との議論」の感想等について語っていただきました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
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| 4巻1号 | 研究論文 | レーザー援用インクジェット技術の開発 [PDF:2.1MB] − 高スループットとファイン化の両立を目指した配線技術 − |
次世代のエレクトロニクスデバイス製造技術において、多品種、小ロット生産および低コストかつ大面積化に対応できるフレキシブルな製造技術が求められている。この研究では、配線工程における高スループット化とファイン化を目指して、レーザー援用インクジェット技術を開発した。配線の微細化を実現するに当たり、外部からレーザーを照射して液滴を乾燥させ、基板上でのインクの濡れ広がりを抑制するという新たな着想に基づいて、これまでは困難であった高スループット化とファイン化を同時に実現し、配線幅10 µm以下でアスペクト比1以上の微細配線描画に成功した。この論文では、レーザー援用インクジェット技術開発に至る、ニーズに基づく技術開発課題設定、それを克服するための過程等、研究開発の流れと展開について報告する。 | 遠藤 聡人 ほか |
| 研究戦略の形成とそれに基づいた構成的な研究評価 [PDF:2.2MB] − 創造的営みとしての研究プログラム評価にむけて − |
この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。 | 小林 直人 ほか |
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| 有機化合物のスペクトルデータベースの開発と公開サービス [PDF:1.7MB] − 大規模データベースの運用の継続と成功の秘訣 − |
産業技術総合研究所の有機化合物スペクトルデータベース(SDBS)は1982年に開発を開始し、以来30年間変わらない部分と大きな変化を遂げた部分を混在させつつ高度化されてきた。標準スペクトルとして信頼性の高いものを収録すること、1種類の化合物に複数種類のスペクトルを収録することの二つの基本コンセプトと、汎用化合物を対象とする点は、開発当初から現在まで変わらず引き継がれている。一方、データベースを収集するプラットフォームと公開形式は大きく変わった。データのウェブ公開に伴ってユーザーからの声を取り上げ、各種の依頼や指摘に対応するようになったことも、大きく変わった点である。長期間にわたって開発と公開サービスを継続し、現在ウェブを通して多くの研究者、技術者、教育者、学生らによって利用されるにいたった。データベースの全体構想から、構造の設定、データの収集方法、データの公開方法等主要なプロセスを統合的、構成的に記述する。 | 齋藤 剛 ほか |
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| マイクロ燃料電池製造技術開発への挑戦 [PDF:2MB] − 革新的セラミックス集積化プロセスを活用するコンパクトSOFC − |
コンパクトで急速な起動と停止が可能な、高出力かつ高効率の発電モジュール製品の実現が望まれている。新規エネルギー製造産業市場での新たなアウトカム創出を目指して、セラミックス集積化製造技術のプラットフォームを活用し、独創的アイデアから試作および評価へ連続的に直結する開発を行なった。その結果、世界的にも新しいコンセプトに基づく独創的なコンパクトで高出力な低温作動型集積SOFCモジュールをセラミックスの機能から構造融合技術の高度化により実現しており、独創的な技術として関心を集めている。この論文では、下記の構成で、産業ニーズとその製品化に向けた課題を克服するための産学官連携研究でのアプローチや手法等を示す。 | 藤代 芳伸 ほか |
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| 座談会 | 日本のものづくりとシンセシオロジー [PDF:1.8MB] |
日本が優位を保ってきたものづくりに、新たな強みを付加することが求められています。そのためには、研究開発における新たな仕組みを構築する必要があります。日本においてものづくりを主導してこられた方々に、新たなものづくりの戦略とその中でのシンセシスの重要性、また、産総研の目指す本格研究の役割を語っていただきました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 報告 | シンセシオロジーワークショップ [PDF:1.6MB] − オープンイノベーションハブに向けた技術統合の方法論 − |
2010年10月に産業技術総合研究所が主催する「産総研オープンラボ」の講演会の一つとしてシンセシオロジーワークショップを開催しましたので、その概要を報告いたします。 このワークショップでは、シンセシオロジー誌にこれまで掲載された学術論文を題材として構成的研究の類型化を試みるとともに、イノベーション推進の方法論について構成的研究開発を自ら推し進め、多くの実績を挙げてきた産業界の研究者とともに議論しました。 |
シンセシオロジー編集委員会 | |
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| 3巻4号 | 研究論文 | SiC半導体のパワーデバイス開発と実用化への戦略 [PDF:1.8MB] − 新規半導体デバイス開発における産総研の役割 − |
SiC半導体のパワーデバイスの実現は、その省エネルギー効果により大きな期待が持たれている。SiCのような新規半導体のデバイスとしての実用化には、乗り越えなくてはならないいくつもの技術上の壁がある。産総研が関与した国家プロジェクトを中心として15年を越える実用化に向けての研究開発活動を、産総研内の組織の変遷に対応させて、1)研究目標、2)個別課題の設定と解決のための戦略およびその成果、3)戦略の妥当性の評価に分けて記述し、最後に今後の課題について述べる。 | 荒井 和雄 |
| 単結晶ダイヤモンド・ウェハの開発 [PDF:1.6MB] − マイクロ波プラズマCVD法による大型化とウェハ化技術 − |
ダイヤモンドは超高圧安定相であることから大型結晶の合成が困難であり、応用は工具など硬度を利用した用途に限られていたが、大きさとコストの課題をクリアできれば、その用途は計り知れない。特に究極の半導体と称され、半導体開発ロードマップ上では、炭化ケイ素SiCや窒化ガリウムGaNの次に位置している。高温動作が可能であり、物質中最高の熱伝導率が活かせるパワーデバイスが実現すれば、例えば、車載用インバータを冷却フリー化でき、低電力損失と冷却システムの軽量化の両面から省エネに貢献できる。本稿では、大型化が可能な気相合成による単結晶ダイヤモンド合成と難加工材であるダイヤモンドをウェハ形状にする技術開発について述べる。 | 茶谷原 昭義 ほか |
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| 日本全土の元素分布の調査とその活用 [PDF:1.6MB] − 陸と海を統合した地球化学図の作成 − |
日本全土における海と陸の元素分布を調査し、日本の地球化学図を初めて作成した。これにより日本列島の海と陸のバックグラウンド値が明らかになり、陸から海への元素の連続的な流れを知ることができるようになった。地球化学図作成に用いた試料は、陸では河川堆積物3,024個、海では海底堆積物4,905個で、分析した元素はヒ素、水銀、カドミウムなどの有害元素を含む53元素である。この研究では、特定の地域で確立した方法を適用し、現実的な実施可能性を考慮した発想の転換により一挙に全国カバーへの展開を実現し、陸域から海域、さらに土壌へと対象を拡大している。地球化学図は、人間・産業活動による土壌や海底堆積物の汚染の評価にも使用される。また、結果は出版やweb公開により、社会的なインパクトを与えている。本稿では、日本の地球化学図を作成するために採った研究シナリオを述べ、次に試料採取から試料処理、化学分析・元素濃度測定、地図作成、データ公開に至る一連の研究プロセスを述べる。 | 今井 登 | ||
| いかにしてカーナビゲーションシステムは実用化されたか [PDF:1.4MB] − 開発マネージメントと事業化について − |
日本が実用化の先鞭をつけた車のカーナビゲーションシステムは、今や全世界に広がりたいへん有用なものとなり、日本だけでも約5000億円/年を超える事業規模となっていると思われる。しかし、これを実現するためには、当時にはなかった全国のデジタル地図作成のための仕組みづくりと作成、交通情報を車に流す仕組みや米国によるGPS整備とその利用等環境整備が必要であり、これに多くの労力を割いた。またマップマッチング等位置検出技術、ジャイロセンサー、ディスプレー、メモリー、マイコン等ナビに必要なソフトウエア、ハードウエア開発が必要であった。今ではカーナビゲーションシステムは車載情報通信システムとして発展拡大している。まだ世の中に同システムに必要な要件が整備されていなかったところから始めた開発と事業化について、開発マネージメントの観点から述べる。 | 池田 博榮 ほか |
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| 鋳造技術と粉末冶金技術の融合による新材料開発 [PDF:1.5MB] − 金属間化合物を活用した高機能硬質材料 − |
セラミックス粒子を金属で結合した硬質材料は、わが国の高度加工技術を支える金型や工具の材料として利用されている。しかし、硬質材料は資源的に少ないレアメタルを大量に含むため、新しい材料開発が求められていた。そこで、Fe-Al金属間化合物を結合相とした硬質材料を開発した。この硬質材料は鋳造と粉末冶金の技術を組み合わせたプロセスで合成することにより高硬度で高強度とすることができた。本稿では開発した材料を工業的に利用するための第2種基礎研究への取り組み、さらに異なる専門分野の研究者の融合による効率的な研究開発の方法論について紹介する。 | 小林 慶三 ほか |
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| 対談 | 臨床医学研究とシンセシオロジー [PDF:632KB] |
医学研究の分野においては、基礎的研究の成果を治療というかたちで社会に活かす研究のことを臨床研究と呼んでいます。我が国におけるこの臨床研究の状況がどのようになっているのか、国立精神・神経医療研究センターの樋口理事長と本誌小野編集委員長が対談し、医学領域における臨床研究とシンセシオロジーとの共通の目標などについて話し合いました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
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| 3巻3号 | 研究論文 | 映像の安心な利用を可能にする映像酔い評価システムの開発 [PDF:2.2MB] − 人間特性研究/映像分析技術/映像制作技術の融合による安心・快適な映像を提供するための環境づくり − |
映像制作者が、自ら制作した映像によって生じ得る映像酔いの程度について、その時間推移を確認できる映像酔い評価システムの開発を行った。映像技術の進展に伴い映像酔いに対する社会的認知が広まりつつあり、娯楽や教育、医療など映像の有効な利用に対する可能性を損なわないために、映像制作者に理解を求めるためのツールとして本システムは有効である。この開発には、映像酔いの基礎特性を基盤として、これを一般の映像評価に適用するために、映像解析、映像制作、生体影響計測に関する研究協力が不可欠であった。 | 氏家 弘裕 |
| 戦略的システムデザインによる最適化設計法の提案 [PDF:1.8MB] − 排熱の再利用によるデータセンターと農業のCO2排出量の削減 − |
データセンターはICT(Information and Communication Technology)の重要なインフラであるが、地球環境問題の観点から電力消費の削減およびCO2排出量の削減が重要な課題となっている。しかし、データセンター単独の効率化だけでは大幅なCO2の削減は難しい。そこで、異なるステークホルダー間における「物理システム」と「価値システム」の二層の概念空間と、その中で最適化をはかる「戦略的システムデザイン」の思考を提案し、事例としてデータセンターの排熱をハウス栽培農家で再利用するシステムについて物理面および価値面の両方から考察した。こうした戦略的システムデザイン思考による複合システムの設計は単独のシステムと比較して、CO2排出量削減に効果があり、価値的にも優れたシステムとなることを明らかにした。 | 福田 次郎 ほか |
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| 複雑システムの信頼性を向上させる開発手法 [PDF:2.3MB] − アーキテクチャ設計手法とモデル検査の融合 − |
本稿では、システムの仕様を、システムを構成する要素間による協調動作が整合している構成要素の仕様および構成要素間のインタフェース仕様に分解する開発手法を示す。本開発手法は、システム開発において既に有効性が認められているシステムエンジニアリング標準におけるアーキテクチャ設計手法およびモデル検査を、ブリッジ技術で融合して構築される。産業用ロボットの開発に対して本開発手法を適用した結果を示す。適用結果から、産業界の複雑システムに対して本開発手法が有効であることを示す。 | 加藤 淳 ほか |
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| ものづくり産業の国際競争を支援する電気標準 [PDF:2.4MB] − キャパシタンス標準の実現と計量トレーサビリティ体系の確立 − |
キャパシター(コンデンサー)は電子部品の中でも最も基本的な素子の一つであり、各種電気機器に多数用いられている。電気機器などの産業界において、最近、キャパシターの品質の国際規格への適合要求が強くなっている。特に国家標準への計量トレーサビリティは必須の事項として要望されている。産業界の要望に応えるため、産総研において世界トップクラスのキャパシタンス標準を開発し、それを迅速に供給するための技術開発を行った。具体的には従来法に代わって新たに量子化ホール抵抗に基づくキャパシタンス標準を開発し、また校正事業者の認定を支援して標準供給体制の確立を行った。さらに供給の迅速化、低コスト化のために遠隔校正システムを開発した。 | 中村 安宏 ほか |
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| 遺伝子解析の精度向上と試薬の開発 [PDF:1.9MB] − ライフサイエンスに用いる化学試薬の製品化 − |
遺伝子解析は、複数の要素技術が統合されて構築されている。多くの要素技術の中で、筆者らは化学試薬に着目し、その機能を高度化することで遺伝子解析技術全般の精度を向上させることを目指した。本稿では、遺伝子解析用試薬の開発に関する着想から製品化に至るまでの展開を述べた後、そのプロセスに関して考察する。 | 小松 康雄 ほか |
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| 安全・安心のためのアニマルウォッチセンサーの開発 [PDF:2.1MB] − 無線センサーによる鶏健康モニタリングシステム − |
動物の健康状態をモニターする無線センサー端末と、動物集団の健康管理を行うアニマルウォッチセンサーネットを開発している。特に、パンデミック対策として、鳥インフルエンザ発生の早期発見システムへの応用に主眼をおいた小型・軽量・フレキシブル・メンテナンスフリーな無線センサー端末を実現することで、人への感染防止など、人類の健康と食の安全の確保に資することを目的としている。システム実現のため、特に、これまで培ってきたMEMS技術と、鶏の生体・行動特性やインフルエンザ症状などの解析にかかわる生命分野、無線技術などの情報分野の各技術との融合により、イベントドリブン型の超低消費電力端末や、超短電文化に対応したダイレクトコンバージョン方式の受信システムなどを開発している。 | 伊藤 寿浩 ほか |
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| インタビュー | イノベーションを推進する根本的エンジニアリング [PDF:1.5MB] |
日本工学アカデミーには、社会のための工学という立場から、どのような科学技術政策が必要かを分析し、有効な政策提言を行なう政策委員会があります。その政策委員会のもとで、我が国が重視すべき科学技術のあり方に関する提言が行なわれました。この提言のためのタスクフォースの幹事の鈴木浩さんに本誌赤松幹之編集幹事がインタビューして、ここで提唱されている「根本的エンジニンリング」の考えをうかがい、シンセシオロジーとの関連について話し合いました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 3巻2号 | 研究論文 | サービス工学としてのサイバーアシスト [PDF:2.7MB] − 10年早すぎた?プロジェクト − |
サイバーアシスト計画は2000年に発動し、2001年より2005年まで産総研サイバーアシスト研究センターを中心として研究開発が行われた。これは日本におけるユビキタス・コンピューティングやサービス工学の先駆けであったと同時に、世界的にも先見性を持った計画であった。おそらく、現在であれば高く評価された活動であると考える。ポイントは人間中心の情報システムを謳ったこと、実空間でのサービス提供を行ったこと等である。本稿は同センターが当時残した文書を中心にセンターの目標と活動を再構成する。また、それを受けて今後の研究方向を示す。 | 中島 秀之 ほか |
| 学問分野を超えた「システムデザイン・マネジメント学」の大学院教育の構築 [PDF:2.3MB] − 大規模・複雑システムの構築と運用をリードする人材の育成を目指して − |
環境共生や安全等の社会的価値に配慮した大規模・複雑システムの構築や運用をリードする人材の育成を行うためには、学問分野を超えた文理融合型の「システムデザイン・マネジメント学」教育が必要である。そこで、技術システムのみならず社会システムを含むあらゆるシステムを教育の対象とし、システムのライフサイクルに沿ったデザイン能力、システムの実現に必要なマネジメント能力を身につけることのできる大学院教育を構築した。まず、社会・産業界や関連する国内外の教育研究機関等のステークホルダーと連携し、教育カリキュラムの整備や教員の採用、教育設備や研究拠点の整備、学生の募集、教育の実施、更には成果公表の方法を設計した。設計にあたっては、学生が身につけるべき能力と知識を六つに分類し、それらの能力と知識を身につけることのできる教育研究機関として2008年4月に大学院を開設した。現在まで約2年間大学院教育を実施し、学生の自己評価、外部評価委員による評価、論文等の学生の成果に基づいて検証した結果、構築した大学院教育の有効性を確認した。 | 神武 直彦 ほか |
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| 紫外線防御化粧品と評価装置の製品化 [PDF:2.3MB] − 産総研の論理・戦略的方法と工業技術院の経験・試行錯誤的方法を組み合わせた地域連携型の製品化研究 − |
紫外線防御化粧品の製品開発の研究事例を紹介する。最近の化粧品は、UV防御・透明感・使用感の3課題を同時に解決する必要がある。しかし、最適な製法と使用感の評価法は確立していない。本研究は、産総研の戦略的地域連携とAIST認定付与ベンチャー、事前シナリオを設定しない工業技術院時代の即効的な技術指導とを組み合わせ、新製法と新評価法を具現化し、独自性の高い化粧品および粉体評価装置を製品化した。特に社会的要素(地域連携)について、Synthesiology誌の提唱するアウフヘーベン型・ブレイクスルー型・戦略的選択型の研究開発の方法論と、進化論など自然現象とのアナロジーによる人文系のアイデアとを比較検証し、方法論としての一例証を示す。 | 高尾 泰正 ほか |
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| コンパクトプロセスの構築 [PDF:2.4MB] − 高圧マイクロエンジニアリングと超臨界流体との融合 − |
持続可能な発展をめざすためには、大量集中生産方式をベースに構築された産業構造・社会システムおよび技術体系を早期に変革していくことが強く望まれる。必要なものを必要な場所で必要な量、かつ多品種で生産しうる分散適量生産方式の実現に向けて高速で制御性の高いコンパクトプロセスの確立が求められており、そのコア技術としてマイクロリアクタ技術と超臨界流体利用技術の融合が注目されている。これらを実現するためには、急速熱交換や精密な温度制御等高圧マイクロエンジニアリングの基盤確立が初めに必要であり、次にそれに基づいたプロセス開発が行われる。ここでは、超臨界水条件下での有機合成を中心に、無機合成、および二酸化炭素を用いた革新的塗装技術についても議論する。 | 鈴木 明 ほか |
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| 正確性・コストパフォーマンスに優れた遺伝子定量技術の開発と実用化への取り組み [PDF:2.2MB] − 蛍光消光現象を利用した遺伝子定量技術の開発 − |
遺伝子定量技術は医療、農業、水産業、環境、食品等の幅広い分野で利用されており、社会的にも重要な技術である。筆者等は、グアニン塩基との相互作用により蛍光が消光する現象に着目し、それを利用した正確性・コストパフォーマンスに優れた新しい遺伝子定量技術を開発した。本稿では、既存の遺伝子定量技術に内在する問題を克服するために選択した要素技術とその統合・構成による新規遺伝子定量技術開発に関する研究展開を中心に、企業と取り組みつつある開発技術の実用化に関するシナリオについて論じる。 | 野田 尚宏 | ||
| 報告 | シンセシオロジー(構成学):知の統合を目指す学問体系 [PDF:1.9MB] |
2009年12月に横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)が主催する第3回コンファレンスが東北大学で開催されました。その中に「シンセシオロジー(構成学):知の統合を目指す学問体系」という特別企画のセッションを設けていただき、講演と総合討論を行いました。ここでは横幹連合のご了解を得て、基調講演の論文を再掲し、総合討論の概要をご報告します。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 3巻1号 | 研究論文 | 1550 ℃に至る高温度の計測の信頼性向上 [PDF:2.8MB] − 熱電対のための温度の標準体系構築 − |
1990年代後半から、熱電対による1550 ℃までの温度計測のための国家計量標準を整備し、それに基づく標準体系を構築して、高温域の温度計測の信頼性を向上させた。温度の国家計量標準が何段階かの校正の連鎖を経て、実際の計測に使われる熱電対に移転される仕組み(トレーサビリティ体系)を、標準器の利用の容易さ、校正事業者と産総研との役割分担など、多くの要素を考慮に入れて設計した。新しく開発した標準技術と、現在までに民間企業が培ってきた技術とを適切に融合させて、新しい技術の普及を見定めながら、全体として我が国にとって最も望ましいトレーサビリティ体系を構築した。 | 新井 優 ほか |
| マイクロチップを用いたバイオマーカー解析コア技術の開発 [PDF:2.2MB] − POCTデバイスとしてのマイクロチップ基板の可能性を探る − |
近年、「医療現場での臨床検査」Point of care testing(POCT)つまり患者の傍らでの即時検査が求められている。そして疾患関連バイオマーカーの迅速・省サンプルな測定デバイスの構築に向け、各種ナノバイオデバイスを用いたPOCTへの応用研究が多数なされている。我々は、臨床経験を踏まえた生物系ユーザーの立場から、市販のマイクロチップ電気泳動による血液中に存在する糖を対象とした解析への応用や、マイクロ流体を利用したマイクロ流路上での抗原抗体反応による迅速な血中タンパク質検出系の構築を行っている。これらの知見をもとに、本論文ではマイクロチップ基板を用いたPOCTデバイス実用化への可能性を検討した。 | 片岡 正俊 ほか |
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| 石油流量国家標準の確立とわが国の標準供給体制 [PDF:2.3MB] − 信頼性のある効率的なトレーサビリティ体系の構築への取り組み − |
膨大な石油製品の取引や課税の数量の根拠となる石油類の流量測定の計量標準は、通商上、省エネ政策実施の観点、プラントの高度な品質管理の観点から重要である。そこで、標準の信頼性、達成可能な不確かさ、利便性について石油流量の標準供給体制を調査・分析し、わが国に適した国家標準の性能および供給の仕組みを設計した。これに基づいて、校正技術の検討、安全対策と不確かさ低減のための技術開発を行い、中核となる液種と流量範囲で世界最高水準の国家標準を確立するとともに、校正事業者の国家認定制度を利用した標準供給体制の発足を技術的に主導した。さらに、国際比較による国家標準の同等性の検証などを通して本事業の評価を行った。 | 嶋田 隆司 ほか |
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| 臨床情報学のための野外科学的方法 [PDF:2.1MB] − 技術移転の方法論に向けて − |
情報処理に関するリスクを抱える現場に対して、情報学の研究成果を用いてそのリスクを軽減する活動に固有の学術としての臨床情報学を提唱する。本稿では特に、数理的なシステム検証技術のシステム開発現場への技術移転を例にとり、技術移転の過程の体系化を試みる。具体的には、技術移転のシナリオを野外科学的方法論のなかに位置づけ、シナリオで用いるフィールドワークやインタビュー、参与観察などの各要素技術の役割を論じる。 | 木下 佳樹 ほか |
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| 製造現場における熟練技能の抽出に関する研究 [PDF:2.8MB] − 技能の可視化および代替に関する研究 − |
中小製造業の現場にある熟練技能者の技能を抽出し、後継者に円滑にその技能を継承するため、鋳造、鍛造、メッキなどの加工技術について、熟練技能者のもつ判断の技能を抽出する方法を提案する。この方法に基づき、各加工法の個別の技能について、その代替となる実際の加工現場で利用可能な計算機システムを開発した成果を報告する。また、将来の製造業における熟練技能者の在り方についても議論する。 | 松木 則夫 | ||
| 暗号モジュールの安全な実装を目指して [PDF:3.9MB] − サイドチャネル攻撃の標準評価環境の構築 − |
近年、暗号アルゴリズムを実装した暗号モジュールの利用が急速に拡大しており、その実装の安全性評価手法の標準化と、公的機関による評価・認証制度の確立が求められている。特に、暗号モジュールの消費電力や電磁波を解析して、その内部の秘密情報を盗み出すサイドチャネル攻撃が大きな注目を集めている。しかし、各研究機関における独自の実験環境が、その解析結果の追試や評価手法の標準化を妨げていた。そこで我々は、サイドチャネル攻撃の標準評価環境として暗号ハードウエアボードおよび解析ソフトウエアを開発し、世界中の研究機関での利用を進めながら、国を超えた産学官連携により、国際標準規格策定への貢献を行っている。 | 佐藤 証 ほか |
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| 論説 | “社会のための科学”と研究開発評価 [PDF:1.9MB] − プログラム評価の構造とSynthesiologyへの示唆 − |
“社会のための科学”が叫ばれて久しいが、そのような研究開発をどのように評価すればよいのであろうか。本稿では、研究開発評価のそもそもの考え方に立ち戻って概念整理することで、“社会のための科学”研究に有効な評価とは何かについて分かりやすく解説することを試みた。そのポイントは、評価はそれ単独では意味をなさず、研究開発を通じて実現させたいことへの道筋(戦略)と一体となって初めて機能すること、そして評価の役割は、戦略をより良く実行していくために実態をつまびらかにすること、などである。 | 大谷 竜 | |
| 座談会 | 座談会:シンセシオロジー創刊2周年を迎えて [PDF:1.9MB] |
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| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 2巻4号 | 研究論文 | 実時間全焦点顕微鏡の開発・製品化 [PDF:2.8MB] − 微細なものを思いのままに − |
本論文では、マイクロ環境下での光学的なスケール効果の問題を“実時間”で解決する実時間全焦点顕微鏡の構成にあたり、システムを必要となる構成要素に分解し、その構成要素を製品として構築するためのいくつかの試みを紹介しながら、実時間全焦点顕微鏡のシステム構成方法について論じる。実時間全焦点顕微鏡の構成に際しては、マイクロ環境下での作業を前提とし、理論だけにとどまらず、製品化を見据えた実現を視野に入れながら構成した。 | 大場 光太郎 |
| 誰でも作れて携行できる長さの国家標準器 [PDF:2.2MB] − ヨウ素安定化ヘリウムネオンレーザ共振器の機構設計 − |
長さの国家標準として用いられるヨウ素安定化ヘリウムネオンレーザの発振波長は、レーザ共振器の機械的長さで決まる。従来、機械的安定度の高い共振器を実現するためには特殊な材料や素子を使ったり、周囲環境を厳重に管理したりすることは当然と考えられてきた。しかし、レーザの動作や共振器に要求される性能を詳しく調べた結果、レーザ共振器の機構に要求される機械的特性の多くは、市販の汎用部品で十分実現可能であることが明らかとなった。汎用部品を多用して大幅な価格低下を実現しつつ、発振波長の安定度や周囲環境の変動に対する耐性を大幅に向上させることが可能となり、国家標準器として十分な精度で、かつ保守や移送が容易なものを実現した。この設計にもとづくヨウ素安定化ヘリウムネオンレーザは、日本の長さの国家標準として長年用いられただけでなく、民間の校正事業者が持つ標準器として、また発展途上国の国家標準器としても用いられている。 | 石川 純 | ||
| 騒音計測の信頼性をいかに確保するか [PDF:2.3MB] − 音の標準の開発と新しい供給体制 − |
騒音計測をはじめ音響分野での計測結果に対する信頼性を確保するため、産総研は必要となる要素技術を開発し、我が国の計量法に基づいて標準マイクロホンを頂点としたトレーサビリティ体系を整備した。この体系のもとで、新たな音の標準の供給サービスを開始したことにより、我々の日常生活の安全・安心を支えるために社会が必要としている、不確かさの小さな騒音計測が可能となった。 | 堀内 竜三 | ||
| 循環発展的なプロジェクト構造を生むバイオインフォマティクス戦略 [PDF:2.1MB] − 創薬ターゲット遺伝子の網羅的機能解析 − |
大量の生命情報データの情報洪水の中、バイオインフォマティクス技術の役割は高まり、実験上の大きなリスクを軽減し、実験の設計に資する情報を提供する形で貢献することが期待されている。この目的のもと、私たちは細胞膜に存在するGタンパク質共役型受容体(GPCR)を中心に、ゲノム配列から遺伝子を同定してそれらの機能解析を行うための計算パイプラインを構築し、その応用結果を網羅的な機能解析総合データベース(SEVENS)として練り上げてきた。このコア技術が共同研究の呼び水となり、その後循環発展的に展開しながら今日も続いている。この流れは、三つの要素(長期熟成されたコア技術、実験研究者との密な連携、技術インキュベーションを生む環境)を駆動力として進む研究の方向性と、進展の速いライフサイエンス分野の方向性の相互作用として進み続けるダイナミックな形態である。 | 諏訪 牧子 ほか |
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| バイオ燃料を木材からナノテクで生産する [PDF:2.8MB] − セルロースの構造特性を利用した酵素糖化前処理技術 − |
現在、木質バイオマスを原料として、セルロース成分等を酵素加水分解して糖に変換した後、発酵してエタノールを製造する技術が注目されている。そのプロセスではセルロースの反応性を高める前処理が必要となる。粉砕処理は効果的な前処理技術の一つであるがコスト高が課題であった。近年我々は、経済的な粉砕前処理方法として湿式メカノケミカル処理技術を開発した。この技術ではセルロース成分をナノサイズの繊維にまでほぐしている。生成したナノ繊維は、セルロースの結晶性が保持され、さらにリグニンが残存していても、高い酵素反応性を示した。我々が開発した前処理技術は、木材やセルロースが持つナノ構造の特徴を活用した方法である。 | 遠藤 貴士 | ||
| 最先端の地質研究と国土の基礎情報 [PDF:3.9MB] − 5万分の1地質図幅の作成 − |
地質図幅は、地層や岩石など国土の構成物を表した図面であり、人間が自分の周囲の地球環境を科学的に理解するための基本的な情報が記載されている。資源、防災、立地、環境、学術など、多種多様な用途がある。大学や企業が作成する地質図は、それぞれが興味をもつ特定の地層・岩石を対象にすることがほとんどであるが、産総研が作成する地質図幅は、その地域に分布するすべての地層・岩石に関わる調査結果を、その地域の形成史を矛盾なく表せるよう1枚の図面に統合したものである。地質図幅は個々の研究成果を統合して作成していくが、これまで作成の考え方と過程を記した研究論文がないので、著者が関わった5万分の1地質図幅を例に地質図幅の作成方法論を示す。 | 斎藤 眞 | ||
| インタビュー | インタビュー:工学の克復とシンセシオロジー [PDF:1.9MB] |
日本工学アカデミーは工学に関するさまざまな事項を高い見地から検討・議論し提言をまとめていますが、その中の「工学の克復研究会」は現代における工学のあり方をさまざまな角度から検討しています。工学のあり方はシンセシオロジーの理念とも深く関係していますので、研究会メンバーのお一人である長井寿さんに本誌小野編集委員長がインタビューして「工学の克復」に関する考えを伺い、シンセシオロジーとの関係を話し合いました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 2巻3号 | 研究論文 | 活断層からの地震発生予測 [PDF:2MB] − 活動セグメント固有カスケード地震モデルによる活断層の活動確率予測 − |
活断層の過去の活動から将来の地震発生を予測するため、活断層を固有の活動繰り返しを持つ活動セグメントという単位に区分し、それぞれの活動セグメントがあるときは単独で活動し、あるときは隣接する活動セグメントが連動するという「カスケード地震モデル」を採用した。これにより、野外での調査結果に矛盾することなく、統一的な基準により活断層の将来の活動確率を評価することが可能となった。その成果を「全国主要活断層活動確率地図」として公表した。 | 吉岡 敏和 |
| 2タイプのリード・ユーザーによる先端技術の家庭への導入モデルの提案 [PDF:1.8MB] − IH技術に対する調理システムの開発と普及 − |
本研究は、induction heating(IH)技術の家庭への普及に関する実証分析により、企業と独立した多様なリード・ユーザーが先端技術を家庭へ普及・導入に貢献するモデルを提案する。大企業がIHを開発しても、家庭が導入するときは、調理道具またレシピ等、付随する調理システムが必要になる。活躍するのは異なった2タイプのリード・ユーザーである。技術に通じ技術の機能性を追求する論理的リード・ユーザーは機能性の観点から調理システムを開発する。一方、技術内容には関心が薄い感性的リード・ユーザーは製品価値に対する社会トレンドの影響に対して卓越した直観力を持っており、調理システムを魅力的にすることによって製品の普及に貢献する。今後、例えばロボットなどのように普及に成功していない先端技術を家庭へ導入するためには、既存技術にはない新しい価値を提示する必要があり、そのためには、産業また大学・公的研究機関が組織から独立した多様なリード・ユーザーと柔軟に連携し、製品を魅力的にすることによって普及を推進する必要がある。 | 久保 友香 ほか |
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| スピントロニクス技術による不揮発エレクトロニクスの創成 [PDF:2.1MB] − 究極のグリーンIT機器の実現に向けて − |
不揮発エレクトロニクスによる究極のグリーンIT機器の実現を目指して、スピントロニクスの本格研究を行った。不揮発エレクトロニクスの中核となる大容量・高速・高信頼性の不揮発性メモリを実現するために、酸化マグネシウム(MgO)を用いた高性能の磁気抵抗素子とその量産技術を開発した。この技術を用いた超高密度ハードディスク(HDD)磁気ヘッドはすでに製品化され、現在究極の不揮発性メモリ「スピンRAM」の研究開発が精力的に進められている。 | 湯浅 新治 ほか |
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| ガス中微量水分測定の信頼性の飛躍的向上 [PDF:2.1MB] − 計量トレーサビリティの確立と計測器の性能評価 − |
産総研で確立した微量水分の国家標準をもとにして、ガス中の微量水分測定の信頼性が近年になって飛躍的に向上した。その結果、従来の微量水分測定法の問題点が明らかになった。本稿では、微量水分測定の信頼性向上を目標に産総研が策定したシナリオ、世界的にも独自の方法による我が国の微量水分国家標準の開発、国家標準を産業現場につなぐ計量トレーサビリティ体系の整備、そして国家標準との比較測定によって明らかとなってきた市販計測器の課題を述べる。微量水分測定の信頼性の飛躍的向上により、産業現場で使われる高純度ガスの適確な評価が可能になった。 | 阿部 恒 | ||
| 乾電池駆動可搬型高エネルギーX線発生装置の開発 [PDF:2.1MB] − X線非破壊検査におけるイノベーションを目指して − |
電子加速器の小型化及び省エネルギー化、乾電池駆動超小型電子加速器という産総研の有する要素技術と、企業が開発したカーボンナノ構造体電子源の技術を統合することによって、単三乾電池1個で駆動し、100 keV以上の高エネルギー高出力X線を発生でき、高精細なX線透過像を得ることができる実用的な可搬型X線発生装置の開発に成功した。本稿では、これらの要素技術について述べるとともに、各要素技術がいかに成果に結びついたかについて考察する。 | 鈴木 良一 | ||
| 報告 | 学問と技術の統合 [PDF:1.5MB] − 横幹連合・統数研・産総研合同ワークショップ − |
狭い技術分野に限定した研究開発だけでは、社会や学問の現代的要請に応えられないとの認識が強まっています。2009年1月19日(月)産総研臨海副都心センターにて、産総研シンセシオロジー編集委員会、特定非営利活動法人横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所(統数研)の3機関が合同で、「学問と技術の統合」に関するワークショップを開催しました。構成的研究方法論の理解や促進のために、また各機関の研究上の理念共有のために、本ワークショップにおける6名の講演概要を紹介します。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 2巻2号 | 研究論文 | 遺跡が語る巨大地震の過去と未来 [PDF:1.8MB] − 境界領域「地震考古学」の開拓 − |
考古学の遺跡発掘調査で地震の痕跡が見つかることが多いが、従来は調査の対象とされずに見逃されていた。筆者は、1988年に「地震考古学」を提唱し、遺跡の地震痕跡を用いた研究方法を広く普及させた。これによって、考古学と地震関連分野との境界領域が開拓されて様々な成果が得られた。南海トラフで発生する巨大地震について過去2千年間の発生年代がわかり、次の発生を考える基礎資料となった。内陸の活断層による地震痕跡も数多く見出されており、京阪神・淡路地域では1596年慶長伏見地震での地盤災害が詳しくわかった。液状化現象についても、遺跡での観察結果から新しい知見が得られた。また、地震痕跡は一般市民にも理解しやすいことと、マスメディアにも取り上げられる機会も多いことなどにより、地震災害軽減のための活動へ大きく寄与している。 | 寒川 旭 |
| ものづくり産業を支える高精度三次元形状測定 [PDF:2MB] − 計量トレーサビリティ体系の構築と標準化 − |
近年、製造業では効率的なものづくりを行うため、設計、製造、評価の全過程で一貫したデジタルデータによる作業が行われている。製品の形状の評価に多用される三次元測定機は製品の質を確保するための重要な要素の1つであるので、形状測定の信頼性を向上させるため、長さの国家標準にトレーサブルな校正体系を我が国に構築し、あわせて校正方法の標準化を行った。この中で産総研は高精度の国家計量標準を開発するだけでなく、三次元測定機の校正事業者のための技術基準を作成し、また地域の公設研究所に技術支援を行って我が国全体の三次元測定の信頼性を向上させた。これらの活動は、我が国産業界における三次元測定の精度を世界トップレベルとすることに貢献している。 | 大澤 尊光 ほか |
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| 安心・安全な次世代モビリティーを目指して [PDF:2.6MB] − 全方向ステレオカメラを搭載したインテリジェント電動車いす − |
全方向のカラー画像と三次元情報を同時かつリアルタイムで取得する能力を持つ「全方向ステレオカメラ」を電動車いすに搭載することにより、高齢者や障害者はもちろん、全ての人が安心で安全に、しかも最小限のエネルギー消費かつ低公害で、歩行者とも共存しながら移動可能とすることを目指した新しい知的モビリティーを提案する。 | 佐藤 雄隆 ほか |
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| 部材の軽量化による輸送機器の省エネ化 [PDF:1.7MB] − 難燃性マグネシウムの研究開発 − |
輸送機器の分野では、省エネルギーと二酸化炭素排出量の低減に直結する技術革新が喫緊の課題となっている。この要求に対して機器の軽量化は直接的な効果をもたらすことから、軽量で高機能の構造材料が求められている。マグネシウム合金は、その有力な候補として長らく期待されてきた材料であるが、容易に発火するという致命的な問題を有していた。難燃性マグネシウム合金は、発火性を抑制して金属材料としての実用性を飛躍的に高めた材料である。これを低環境負荷の基幹材料として育成することは、輸送機器の軽量化のための技術革新に大きく貢献する。本稿では、実用化に関わるさまざまな技術課題の解決を通じて、新素材の産業化のための1つの方法論を述べる。 | 坂本 満 ほか |
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| セラミックス製造の省エネプロセスの確立を目指して [PDF:1.7MB] − 新規バインダー技術の開発 − |
地球環境保全の観点から、セラミックス産業においても製造プロセスにおける投入エネルギーの削減が強く望まれている。本研究では、現在稼動しているセラミックスの製造プロセスを対象にした省エネプロセスについて検討を行った。研究開発にあたっては、既存プロセスへの適用、既存装置の利用、低コスト化、機能・特性の維持等の条件を設定した。適用可能なプロセス技術の検討および抽出により、セラミックスの製造プロセスの省エネ化には有機バインダー量の低減化もしくはゼロ化が極めて有効であり、その結果新規バインダー技術の開発を進めた。得られた知見は民間企業との共同研究を通じて既存生産ラインへ適用され、投入エネルギー量の大幅な削減に生かされている。 | 渡利 広司 ほか |
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| 高感度分子吸着検出センサーの開発 [PDF:1.7MB] − 高度な診断・診療のためのバイオ分子検出技術の開発 − |
特定の物質の存在を高感度で検出するセンサーは、医療や創薬、環境などの分野でその高機能化が切望されている。我々は、診断、診療のための高性能なセンサーを目指し、基本技術として導波モードを用いた高感度分子センサーの開発を行った。本センサー開発において、我々は、ナノ穴形成技術の適用、光学シミュレーションと実験結果のフィードバック、検出板作製工程の見直しを経て、センサーの高感度化、安定化に成功した。本稿では、これらの研究シナリオ及びシナリオ実現に用いた要素技術、各要素技術の構成方法とそれにより達成したセンサー技術の特性に関して述べる。また、ブレイクスルーによって得られた飛躍的な検出性能の向上についても報告する。 | 藤巻 真 ほか |
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| PAN 系炭素繊維のイノベーションモデル [PDF:1.4MB] − 励振モデル;研究者の活動とマネージメントの相乗効果 − |
公的機関の研究成果が社会に認知され、大きな影響を与え、産業変革につながっていった「PAN系炭素繊維」を取り上げ、この顕著なイノベーションの過程の中で、その核心にある旧大阪工業技術試験所および研究者の行動を中心に、@研究者の意識、A研究テーマ設定に係る研究者と研究管理者(マネージメント)の意識、B研究成果の発信と受け手の態勢、C研究成果活用のための人的及び情報ネットワーク、の観点から、その実相を検証した。さらに、一連のプロセスの構造化を図ることにより、イノベーションモデルとして『励振モデル』を提案する。 | 中村 治 ほか |
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| インタビュー | インタビュー:米国の固体照明による省エネ政策と標準研究 [PDF:1.2MB] |
米国立標準技術研究所(NIST)で測光標準の研究をされているヨシ大野さんが2008年12月に産総研を訪問された機会に、シンセシオロジー編集委員会の小野委員長と田中委員がインタビューしました。照明分野で今後大きな省エネルギー政策を実行していこうとする米国政府の意欲的な計画と、それに応えていく標準研究者の意気込みが伝わるお話が聞けました。またNISTでの大野さんの研究と産総研の本格研究との間に多くの共通点があることが印象的でした。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 座談会 | 産総研イノベーションスクール生との座談会:シンセシスな研究について [PDF:1.2MB] |
産総研では、所内のポスドクをイノベーション人材として育成する「産総研イノベーションスクール」を2008年7月31日に開講しました。本座談会は、最終講義の一つとして2009年3月に実施したものです。スクールの受講生に、これまで刊行されたSynthesiologyの中から興味を持った論文を選んで読んでいただきました。自分の研究に関係あるテーマを選んだ人もいますし、全く違う分野のテーマを選んだ人もいますが、ユーザーの視点や、製造するためのコスト、安全性、環境負荷等々の広い観点から、自分の研究を見る手がかりになっています。ここでは、なぜその論文を選んだのか、論文のポイントは何か、普段読んでいる学術論文とどう違うのか、Synthesiologyから何を読み取ることができたか、価値ある点はどこか、今後、Synthesiologyに何を期待するかについて討論しました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 2巻1号 | 研究論文 | 大規模データからの日常生活行動予測モデリング [PDF:1MB] − 実サービスを通じたベイジアンネットワークの学習と推論 − |
ベイジアンネットワークの統計的学習、確率推論技術とユーザモデリング技術、大規模データ収集技術を要素技術として構成した生活行動予測モデルの構築技術について述べる。また因果的な構造をグラフィカルモデルであるベイジアンネットワークを状況や文脈も含んだ大規模データから構築するための必然から生まれた「実サービスを通じた調査・研究」の概念についても議論する。 | 本村 陽一 |
| 食品・環境中の有害成分分析のための有機標準物質の拡充 [PDF:1.4MB] − 定量NMR法による効率的な計量トレーサビリティの実現 − |
食品や環境中の有害成分の正確な分析には標準物質が不可欠であるが、特に有機化合物に関しては、多様かつ急増するニーズに標準物質の供給が追いつかない状況にある。そこで、分析技術を高度化することによって、1つの基準となる物質から多様な有機化合物の定量を可能とする方法を開発した。具体的には、水素原子を対象とする核磁気共鳴法に着目し、異なる化学シフトの水素原子の信号量を精密に比較できるように改良することで、水素原子の基準から多様な有機標準物質に対して実用的な不確かさでの校正を可能とした。この成果により、国家標準物質の種類を最小限にできる効率的な計量トレーサビリティの実現の見通しを得た。 | 井原 俊英 ほか |
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| 産業技術の社会受容 [PDF:1.4MB] − 既存の3モデルを統合した環境製品普及評価モデルの構築 − |
技術開発を通じて社会の変革を実現するためには、技術の社会受容を評価・分析することも重要な課題になる。本研究では特に温暖化対策に資する環境製品を対象にして製品普及の評価モデルの構築を行った。長期の普及分析と各種普及促進策の効果分析をともに実現するために、これまで個別に議論されてきた3つのモデル、すなわちBassモデル、消費者選好モデル、学習曲線モデル、を統合した評価モデルを構築した。本稿では、研究の目的、既存モデル、構築した統合モデル、統合モデルと必要データ組み込んだツール、分析事例を示す。 | 松本 光崇 ほか |
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| グリッドが実現するE−サイエンス [PDF:751KB] − 地球観測グリッド(GEO Grid)の設計と実装 − |
本稿では、新たな科学技術手法として注目されているE−サイエンスの実装例として、地球観測グリッド(Global Earth Observation Grid、 GEO Grid)の情報処理基盤の設計と実装について報告する。GEO Gridは、グリッド技術を用いて複数の組織の有するデータや計算を統合し、仮想的な研究環境を構築して提供する。幅広い応用分野のコミュニティにグリッドを用いたE−サイエンスの実例を提示するとともに、多数のソフトウエアコンポーネントを組み合わせて大規模システムを構築する手法を示す。 | 田中 良夫 | ||
| ユビキタスエネルギーデバイス開発のための材料基礎解析 [PDF:1.3MB] − リチウムイオン電池正極材料、燃料電池電極、金触媒での展開 − |
ユビキタスエネルギーデバイスの鍵を握る機能材料開発では、材料基礎解析(電子顕微鏡観察、表面科学手法、第一原理計算)を有効に組み合わせることが重要である。本格研究における材料基礎解析の役割を議論し、材料開発グループとの緊密な連携研究を成功させるため様々な取り組みを行ってきた。リチウムイオン電池、燃料電池、触媒系のための独自の電顕観察技術や第一原理計算技術を構築し、材料開発に重要な貢献をするとともに、各種受賞など学術的にも高いレベルの成果が得られた。 | 香山 正憲 ほか |
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| 蒸留プロセスのイノベーション [PDF:811KB] − 理想状態からの「デチューニング」によるプロセス強化 − |
本稿では、プロセス強化を実現する1つの方法論として、理想状態からの 「デチューニング」という概念による省エネルギー化技術開発のアプローチ法を示し、内部熱交換型蒸留塔(HIDiC)を含む蒸留プロセスの開発を例として議論した。まず、典型的なエネルギー多消費プロセスである連続蒸留の特徴及びその理想状態である可逆蒸留操作の概念について説明した。次に、可逆蒸留を出発点として「デチューニング」により様々な省エネルギー型蒸留プロセスを導出することができることを示した。その1つであるHIDiCの特徴を他のプロセスと比較して議論し、NEDOプロジェクト等によるHIDiC技術開発の経緯と産総研の役割を論じた。 | 中岩 勝 ほか |
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| 創薬の効率を飛躍的に高めた化合物スクリーニング計算 [PDF:792KB] − 3次元構造の化合物データベースの開発 − |
毎年、医薬品探索向けに数百万種類の化合物が、それらの構造式のカタログとともに販売される。我々はこれら構造式から3次元構造化合物データベースを作成するソフトウェアを開発し、2004年以降、化合物データベースの構築・配布を行ってきた。また、多数の蛋白質と、これら化合物をドッキングさせた結果もデータベース化して配布している。これらのデータベースをバーチャルスクリーニングに用いることで、我々は複数の標的蛋白質で高い確率で活性化合物を発見してきた。 | 福西 快文 ほか |
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| 座談会 | 新ジャーナル座談会:システムデザイン工学と構成学 [PDF:422KB] |
慶應義塾大学理工学部は1996年にシステムデザイン工学科を発足させ、10年以上にわたって工学の新しい教育を行い、卒業生の活躍が注目されています。シンセシオロジー(構成学)とシステムデザイン工学の共通点に興味を持って、編集委員会から小野委員長と赤松編集幹事が2008年11月10日横浜市の矢上キャンパスを訪問し、学科長の菱田公一教授と学科創設のキーパーソンの1人である谷下一夫教授に加わっていただき座談会を開きました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 座談会:シンセシオロジー 創刊一周年を迎えて [PDF:816KB] |
シンセシオロジーを創刊してから1年が経ちました。その間4号を発行し、全部で24編の研究論文を掲載しました。これまでとは異なる表現形式でオリジナルな研究論文を書く試みをしてきたわけですが、各界の読者、著者、査読者から大変ポジティブな評価をいただいています。創刊一周年を機に編集に携わっている関係者でこの1年を振り返り、シンセシオロジーの今後を展望しました。 | シンセシオロジー編集委員会 | ||
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 1巻4号 | 研究論文 | ナノテクノロジーから大容量・高出力型リチウム電池の実用化へ [PDF:1.3MB] − 異分野融合と産学官垂直連携によるイノベーションの“短距離化” − |
ナノテクノロジーとエネルギー技術の分野融合を図り、ナノ結晶電極をベースとした大容量・高出力型リチウム二次電池の研究開発を行った。また、基礎研究成果を迅速に実用化に結びつけるため垂直連携型の産学官プロジェクトを実施した。この産学官連携では大学、産総研、電池メーカーと自動車メーカーの川上から川下に至る4つの参画機関による垂直連携型のプロジェクトにより大学・産総研の革新的成果の最短距離での実用化を目指すことができた。電池メーカーの協力を得て、ナノ結晶活物質を用いた高出力(3kW/kg )・大容量型(30 Wh/kg)の高性能リチウム二次電池が試作できた。異分野融合と産学官垂直連携の組み合わせはイノベーションの“短距離化”を実践する有効な研究開発プロセスである。 | 本間 格 |
| ホタルの光の基礎研究から製品化研究へ [PDF:1.1MB] − 生物発光タンパク質に基づくマルチ遺伝子発現検出キット − |
ヒトを含めた生き物の生命現象は、細胞内の多くの分子とその複雑な化学反応のネットワークにより制御されており、近年、このネットワークを解析する技術の開発が望まれていた。我々は発光色の異なるホタル(甲虫)の発光タンパク質(ルシフェラーゼ)に着目し、細胞内の複数の遺伝子発現を同時に検出する技術を開発した。開発した技術は実用化研究を経て、企業による製品化に結びついた。現在、本研究成果は、第1種基礎研究などへの回帰を経て、新たな実用化研究へと進展中である。 | 近江谷 克裕 ほか |
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| 粘土膜の開発 [PDF:793KB] − 出会いの側面から見た本格研究シナリオ − |
粘土を主成分にした膜の本格研究事例を紹介する。粘土は環境にやさしく、国内でも豊富に採れる資源である。これを膜化することにより耐熱ガスバリア材料として利用することができ、持続可能な産業に寄与できると期待される。粘土膜の発明から実用化にいたる過程の技術開発、広報、知的財産、技術移転の方法を述べるとともに、人あるいはグループの出会いが開発にどのように生かされてきたか分析する。さらに統合開発型イノベーションモデルによってコンソーシアムの有効性を議論する。 | 蛯名 武雄 | ||
| 土壌・地下水汚染のリスク評価技術と自主管理手法 [PDF:1.2MB] − リスク管理の実践に向けた構成学的研究アプロ-チ − |
土壌と地下水の汚染が人の健康に与えるリスクを評価するための手法を開発した。種々の要素研究を基盤として、評価システム全体を最適に構成した。このため、分野融合型の研究計画を立案して、要素研究の実施からリスク評価システムの開発までを行い、さらに産業や社会で利用可能な形にした。本報告では、研究開発において採用した要素技術の統合と構成のシナリオ、リスク評価の実践におけるスパイラル的な研究展開を中心に、目標達成に至るまでのプロセスについて論じる。 | 駒井 武 ほか |
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| 光触媒技術の開発と応用展開 [PDF:929KB] − 持続可能な環境浄化技術の産業化 − |
光触媒は光の照射によって難分解性の有害有機化学物質を水や二酸化炭素などに分解・無害化し環境を浄化することができる。実際の用途や経済性、法規制などを考慮しながら高機能光触媒の開発を行い、それを用いて環境分野へのさまざまな応用展開を行った。その結果、現在さまざまな製品が市場に出ている。 | 垰田 博史 | ||
| ロータリエンコーダに角度標準は必要か[PDF:1.9MB] − 角度偏差の「見える化」を可能にしたロータリエンコーダの開発 − |
ロータリエンコーダは360度の分度器のように円周上に目盛スケールが刻まれ、それを検出することにより角度位置情報を出力する装置である。しかし、ロータリエンコーダの目盛スケールのずれや、回転軸の偏心の影響により理想的な角度位置から偏差が存在するため、ユーザーはエンコーダから得られる角度情報の信頼性をどのように確保して良いのか困っていた。この問題を解決するべく、さまざまな角度偏差の要因を、自分自身で検出し角度校正値として出力することができる自己校正機能付きロータリエンコーダ(SelfA: Self-calibratable Angle device)を開発した。このエンコーダはこれまでブラックボックス化していた角度偏差要因を検出、分離し、そしてそれら要因を定量的に評価できる「見える化」を実現した。 | 渡部 司 | ||
| 論説 | 構成的研究の方法論と学問体系 [PDF:884KB] − シンセシオロジーとはどういう学問か? − |
分析的科学に関してはデカルトの方法序説、クーンのパラダイム論、ポパーの反証可能性の議論など様々な定式化がなされているが、Synthesiology(構成的な学問体系)に関してはいまだにそういったものが存在しない。ほぼ唯一の例外は吉川による一連の取り組みであろう。ここでは吉川が第2種基礎研究と呼んでいるものを中心に、それは構成的な研究のことであるという主張をし、その学問体系としての方法論の定式化を試みる。 | 中島 秀之 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 1巻3号 | 研究論文 | 実用化をめざしての再生医療技術開発 [PDF:1.1MB] − 安全を担保したヒト細胞操作プロセス構築と臨床応用 − |
近年、細胞を培養増殖・加工して種々の疾患治療に用いるという再生医療技術が注目されている。この技術を臨床応用するためには、これら培養プロセスの安全性のみならず用いる細胞の有用性の担保も必要である。これらプロセス構築にかかわる問題点を整理して解決し、実際の治療応用への展開に成功した。 | 大串 始 |
| 輸送用クリーン燃料の製造触媒の研究と開発 [PDF:1.5MB] − 触媒の基盤研究から製品化に向けた触媒共同開発へ − |
輸送用燃料のクリーン化、特に硫黄分の大幅低減は自動車排出ガスの低減に有効であり、また、新規高性能排出ガス処理装置の開発支援に繋がる。我々は、軽油のサルファーフリー化(硫黄分<10ppm)用脱硫触媒の開発を行い、触媒調製法の切り口から新規展開を図り、次いで触媒メーカーとの共同研究を通して新規脱硫触媒の製品化に成功した。 | 葭村 雄二 ほか |
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| 実用化へ向けた有機ナノチューブの大量合成方法開発 [PDF:1.2MB] − 分子設計・合成技術と安全性評価の統合により市場競争力のある材料へ − |
有機ナノチューブは両親媒性分子が溶媒中で自己集合化して形成する中空繊維状の物質であり、その内部にナノ微粒子やタンパク質等を包接することができることから、幅広い分野への応用が期待されている。有機ナノチューブを実用化するために、大量合成、用途、価格、安全性等の種々の条件を満たす戦略的なシナリオを立案し、分子設計・合成技術と自己集合化技術の統合により、最適な有機ナノチューブ合成用分子を設計・合成するとともに、有機ナノチューブの大量合成法を開発した。 | 浅川 真澄 ほか |
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| フレキシブルプリンタブルデバイス製造技術の開発 [PDF:1.4MB] − 「どこでもデバイス、だれでもデバイス」の実現に向けて − |
IT技術の裾野拡大を目指し、情報端末機器のユーザビリティー向上をもたらすべく、使用者の個性が活かせる端末機器の製造技術として、フレキシブルプリンタブルデバイス製造技術の開発に取り組んできた。ディスプレイ等の情報端末を含む新たな情報機器関連分野を切り拓く技術となるだけに、その技術の展開、普及のための開発シナリオとして、社会要求仕様の分析、個別開発要素技術の位置づけの明示、材料・製造・デバイスの各要素技術のセット化による全体像の提示、関連技術の連続的開発などを描き、それを実践していった。 | 鎌田 俊英 ほか |
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| 水に代わる密度標準の確立 [PDF:1.2MB] − シリコン単結晶を頂点とする密度のトレーサビリティ体系 − |
物質の密度、あるいは、体積や内容積、濃度といった物理量を計測するための基準として従来は水が広く用いられていた。密度だけではなく比熱や表面張力など他の物性の基準としても水が用いられることが多い。しかし、水の密度はその同位体組成に依存して変化したり、溶解ガスの影響を受けるため、1970年代からはシリコン単結晶など密度の安定な固体材料を基準として密度を計測することが検討されるようになり、特に最近では計測のトレーサビリティを確保し、製品の信頼性を向上させるために、より高精度な密度計測技術が産業界からも求められるようになってきた。このような背景から産総研では密度標準物質としてシリコン単結晶を用い、従来よりも高精度な密度標準体系を整備した。密度の基準を液体から固体にシフトすることは、単なる精度向上にとどまらず、薄膜のための新たな材料評価技術や次世代の計量標準技術の開発を促すものである。 | 藤井 賢一 | ||
| 製造の全行程を考慮した資源及びエネルギー利用の合理化指針 [PDF:928KB] − アルミニウム鋳造工程のエクセルギー解析 − |
製造効率を高め、環境負荷を少なくするには、1つの過程を起点として全体に広がる資源やエネルギーの消費と排出の過程を知ることが必要である。本稿では、まず、アルミニウム溶湯中で使用されるヒーターチューブを鉄とセラミックスで作製した場合のエクセルギー解析とその比較を行い、次にアルミニウム鋳造の全工程についてのエクセルギー解析を行った。これらの結果から資源とエネルギーを有効に利用するための鋳造プロセスにおける合理化指針を得た。 | 北 英紀 ほか |
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| 論説 | シンセシオロジー発刊について [PDF:529KB] − イリノイ大学日本人研究者らとの討論を通じて − |
本稿では、ジャーナルSynthesiologyの創刊とその背景にある産総研の理念について、イリノイ大学計算機分野の日本人研究者らと討論した様子を紹介する。また、議論を通じて得られた質問や意見をもとに、ジャーナルを取り巻く問題や、今後検討すべき課題を明らかにする。 | 大崎 人士 ほか |
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| 総説 | 「シンセシオロジー」創刊記念シンポジウム ― 個の「知」から全の「知」へ [PDF:1.3KB] − そのシナリオの共有と蓄積について − |
2008年5月13日、秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区)において、「シンセシオロジー―構成学」創刊記念シンポジウム“個の「知」から全の「知」へ―そのシナリオの共有と蓄積について”が開催され、産業界を中心に330名を超える方々にご参加いただきました。シンポジウムでは、小野 晃 シンセシオロジー編集委員長の挨拶の後、野間口 有 三菱電機株式会社取締役会長から「基礎研究、その今日的意義」と題し、また中島 秀之 公立はこだて未来大学学長から「構成的方法論と学問体系」と題してご講演いただきました。引き続き、経済ジャーナリスト柏木 慶永氏をモデレーターに、広瀬 研吉 科学技術振興機構理事、木村 英紀 横断型基幹科学技術研究団体連合会長、上田 完次 東京大学教授、前田 拓巳 株式会社島津製作所技術推進部長、持丸 正明 産総研デジタルヒューマン研究センター副研究センター長、赤松 幹之 シンセシオロジー編集委員会編集幹事をパネリストに、「技術の統合と共有の方法論について」をテーマとしたパネルディスカッションが行われました。最後に、吉川 弘之 産総研理事長が総括・閉会挨拶をしました。当日の各挨拶、ご発言、コメント等の要約(本誌編集委員会作成)を以下に記します。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | ||
| 1巻2号 | 研究論文 | シームレスな20万分の1日本地質図の作成とウェブ配信 [PDF:1.7MB] − 地質図情報の利便性向上と有用性拡大を目指して − |
地域ごとに異なる時代に作成された地質図を、統一した最新の凡例のもとに再構成し、同時に区画の境界を連続化して日本全体をカバーするシームレスなディジタル地質図を作成した。その研究過程を中心に、地質学の基礎研究から社会への情報発信技術に至る研究シナリオを構想した。また第1種基礎研究の成果としての地質図を、誰でも容易に利用できる情報に加工し、インターネットを通じて相互運用性の高い情報として国内外に発信するまでの第2種基礎研究としての研究方法を創出し、地質図研究における本格研究への道筋を提案した。 | 脇田 浩二 ほか |
| 熱電発電を利用した小型コジェネシステムの開発 [PDF:887KB] − 新たな酸化物材料が拓く高温廃熱回収システム − |
エネルギー、環境問題は日々深刻になり、生活スタイルの改善と共に、産業分野でのエネルギー利用率向上の必要性が増している。廃熱から発電できる熱電変換技術の実用化のために高温耐久性と高い安全性を有する酸化物熱電材料を新たに開発し、773〜1173 Kで機能する小型コジェネシステムのプロトタイプを民間企業との連携により開発した。 | 舟橋 良次 ほか |
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| だれでも構築運営できるコラボレーションシステムの実現 [PDF:711KB] − qwikWebを用いたコミュニケーション・パターンの実践 − |
だれでも構築運営できるコラボレーションシステムの実現のために、ユーザがグループ活動形態に適したシステムを容易に構築することを可能とするコミュニケーション・パターンを設計思想としたqwikWebを提案する。また、本システムをデザイン、実装、運用改良し運用データの分析を行うことで本システムの妥当性と有効性を示す。 | 江渡 浩一郎 ほか |
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| サービス工学序説 [PDF:657KB] − サービスを理論的に扱うための枠組み − |
サービスを理論的かつ体系的に論じるための枠組みを提起する。その枠組みでは、一人の人(ドナー)が他の一人の人(レセプター)にするサービスを原始サービスとし、ドナーから発現したサービスをレセプターが受容することによって生じる結果をサービス効果とする。一般のサービスはそれが媒体によって増幅されたものであるが、経済の仕組みと関係なく存在する原始サービスが道具や様々な社会の仕組みによって増幅され、サービス産業を作り出す。 | 吉川 弘之 | ||
| タンパク質のネットワーク解析から創薬へ [PDF:882KB] − 超高感度質量分析システムをどのように実現したか − |
生体を構成するそれぞれの細胞の中には、10万種類以上の様々なタンパク質が機能し生命現象をつかさどっている。これらのタンパク質はグループや組織を構成し、ネットワークとして機能している。毎分100ナノリッターという超低流速の液体クロマトグラフィー技術を独自に開発することにより、大規模なタンパク質ネットワーク解析を高感度で再現性高く、かつ高効率に行うことを可能にした。解析から得られた大量の結果は、生命現象の解明にとどまらず、疾患の発症メカニズムを分子レベルで理解することに貢献し、新たな診断・治療法の開発や、重要な創薬のターゲット発見へと直接的に連なる本格研究へと発展した。 | 夏目 徹 ほか |
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| エアロゾルデポジション法 [PDF:1.5MB] − 高機能部品の低コスト、省エネ製造への取り組み − |
エアロゾルデポジション法(Aerosol Deposition method: AD法)は、最近開発された粉末材料の噴射加工技術の1つであり、セラミックス微粒子を高温で焼結することなく、常温で固化・緻密化できる革新的なコーティング手法である。これにより、機能部品の製造プロセスにおいて、高機能化と大幅なエネルギー消費の低減、工程数の削減、ひいてはコストダウンをもたらすと期待される。このようなAD法の持つ特徴が、技術競争力と環境負荷低減という観点から、どのように位置づけられ、また、どのような可能性を持っているかを原理や具体的検討事例とともに、本格研究の視点から検証する。 | 明渡 純 ほか |
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| インタビュー | シンセシオロジーへの期待:MITレスー教授へのインタビュー [PDF:428KB] − 教授へのインタビュー − |
MITのRichard K. Lester教授は、イノベーションの実践において産業界や大学などの各セクターが果たす役割について豊富で深い調査に基づく独自の考えをお持ちです。その際、明確な問題を設定しその解決を図る従来からの分析的アプローチに加えて、会話によって方向性を探っていく解釈的アプローチが大切であることを主張しておられます。今回は、第2種基礎研究に関する論文を中心として新たに創刊した学術誌『シンセシオロジー』についてインタビューし、色々のご意見を伺いました。 | シンセシオロジー編集委員会 ほか | |
| トヨタ自動車グループにおける基礎研究から製品化への流れについて [PDF:347KB] − 技術統括部 梅山部長へのインタビュー − |
トヨタ自動車(株)は世界最大級の自動車メーカーであり、日本で最も成功している製造業であるといっても過言ではないであろう。技術的には世界に先駆けてハイブリッド自動車を実用化するなど、社会のあるべき姿をにらみながら、従来の自動車という概念にとらわれずに新しい技術の社会への導入を行っている企業である。自動車に関係しない技術はないといわれるほど自動車は様々な技術の集合体であり、豊田中央研究所を含めたトヨタグループ自動車全体の技術の開発を統括しているのが同社の技術統括部である。その技術統括部の梅山部長にインタビューを行い、トヨタ自動車における基礎研究から製品化までの流れや、『シンセシオロジー』に対する期待などの話をうかがった。 | シンセシオロジー編集委員会 ほか | ||
| 座談会 | 新ジャーナル査読者座談会:新しい形式の論文を査読して [PDF:476KB] |
第1巻2号の発行にあたって、1号および2号の論文の査読者が集まって座談会を開きました。従来にない新しい形の論文を査読するということは、査読者にとってもなかなか難しい作業でした。この座談会では新ジャーナルを査読した印象から、査読者の新たな役割、論文のオリジナリティ、論文の執筆要件の合理性など、多岐にわたる課題について忌憚ない意見を述べていただきました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
| 新ジャーナル記事< | 要旨 | 著者 | 1巻1号 | 発刊に寄せて | 第2 種基礎研究の原著論文誌 [PDF:1.2MB] |
吉川 弘之 |
| 研究論文 | 不凍蛋白質の大量精製と新たな応用開拓 [PDF:2MB] − 実用化を指向する蛋白質研究 − |
不凍蛋白質は北極や南極に生息する動植物に固有の生体物質と考えられてきた。我々は日本国内で捕獲される多くの食用魚類が不凍蛋白質を有することを発見し、それらの筋肉から実用化に必要な量の不凍蛋白質を精製する技術を開発した。筋肉から精製された不凍蛋白質は複数の異性体の混合物であり、遺伝子工学や化学合成から得られる単一の異性体よりも優れた機能を発揮した。現在、不凍蛋白質を用いた様々な実用化技術が検討されている。 | 津田 栄 ほか |
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| 高齢者に配慮したアクセシブルデザイン技術の開発と標準化 [PDF:1.5MB] − 聴覚特性と生活環境音の計測に基づく製品設計手法の提供 − |
近年の少子高齢化に伴い、消費生活製品等の設計において、高齢者を含むより多くの人々のためのデザイン(アクセシブルデザイン)が求められるようになってきた。筆者らは、高齢者の聴覚および視覚機能に関わる日本工業規格(JIS)の作成をとおして、アクセシブルデザイン技術の開発とその普及に努めてきた。本論文では、報知音の音量設定方法に関するJIS S 0014を例にとり、アクセシブルデザイン技術の標準化に至るまでの研究過程を本格研究の観点から論じる。 | 倉片憲治 ほか |
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| 高機能光学素子の低コスト製造へのチャレンジ [PDF:1.8MB] − ガラスインプリント法によるサブ波長周期構造の実現 − |
光の波長以下の周期構造からなる「サブ波長光学素子」において、製造コスト等の実用化を阻害してきた要因を、日本が得意とするガラスモールド法と、新たな成型プロセスとして知られるインプリント法との融合によって解決することを試みた。材料メーカー、家電メーカー、大学、産総研が役割分担を明確にして垂直的に連携することにより、波長板機能、反射防止機能などをガラス表面に形成することに成功した。 | 西井 準治 | ||
| 異なる種類のリスク比較を可能にする評価戦略 [PDF:1.6MB] − 質調整生存年数を用いたトルエンの詳細リスク評価 − |
化学物質のヒト健康に対するリスク評価に関して、社会のニーズを、1)基準値や規制値の導出、2)リスクの懸念のないものを選り分けるスクリーニング評価、3)異なる種類の化学物質同士のリスクの比較や排出削減対策の費用対効果の評価、の3つに区別したうえで、1)と2)に応える形で設計された現行のリスク評価手法はそのままの形では、新たなニーズである3)を満たすことができないこと示し、トルエンを例に、3)を満たすための新しいリスク評価手法を提案した。質調整生存年数を健康リスクの指標とすることで、異なる種類の化学物質同士、さらには事故や疾病等の他のリスクとも比較することが可能となる。 | 岸本 充生 | ||
| 個別適合メガネフレームの設計・販売支援技術 [PDF:1.7MB] − あなただけの製品をだれにでも提供できるビジネス創成を目指して − |
あなただけに適合する製品を、だれにでも提供できるようなユニバーサルデザインビジネスの創成をグランドチャレンジとして、メガネフレームを具体例に、効率的にサイズ分類された製品の中から、ユーザ個人の顔のサイズに適合し、かつ、個人の感性に適合するフレームを選び出すシステムの研究について述べる。顔形状計測、サイズ適合、感性適合の要素技術は、すべて頭顔部相同モデルデータベースを基盤として統合した。このシステムが実店舗で運用されれば、それによりデータベースが拡充し、その統計データが製品設計・販売に再利用されるという持続的な循環が産み出される。 | 持丸 正明 ほか |
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| 耳式赤外線体温計の表示温度の信頼性向上 [PDF:1.7MB] − 国家標準にトレーサブルな新しい標準体系の設計と導入 − |
1990年代後半赤外線を用いた耳式体温計が開発され、国内において急速に普及するとともに、表示される温度の信頼性が一般消費者から問われるようになった。産総研ではこの新型体温計の校正・試験の基準となる国家計量標準を新たに開発するとともに、我が国の産業界・消費者のニーズに適合する標準供給体系を設計・整備し、その技術的検証を行って表示温度の信頼性を向上させた。また、ドイツ、イギリスとの間で国家計量標準の比較を行い、それらの同等性を実験的に検証して信頼性を国際的に確保した。 | 石井 順太郎 | ||
| 論説 | 科学と社会、あるいは研究機関と学術雑誌:歴史的回顧 [PDF:1.6MB] |
赤松 幹之 ほか |
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| 座談会 | 創刊号著者座談会:新しい形式の論文を執筆して [PDF:1.4MB] |
第1巻1号の研究論文の査読が一巡終了した11月初めに、著者と編集委員とで座談会を開きました。第2種基礎研究の成果とプロセスを研究論文として書き下すことは誰もやったことがない試みでしたので、著者の側には大きな苦労をかけたと思います。また査読者自身このような論文を書いたことがないのですから、著者とのやりとりにも試行錯誤が多かったと思います。座談会では、それぞれの執筆の跡を著者に振り返ってもらいました。 | シンセシオロジー編集委員会 | |
