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海洋深層水で大型海藻を育てる

健康工学研究部門 健康リスク削減技術研究グループ

海洋深層水で大型海藻を育てる概要図

有益な成分の宝庫

ワカメやアサクサノリなどの大型海藻は、陸上植物と異なった有益な成分を豊富に含んでいます。例えば、ワカメからは、ヒドロキシメチルグルタミン酸というアミノ酸、アサクサノリからは、酸性イミノ酸という栄養成分、アミジグサからは、ジテルペノイドという抗菌性成分が得られます。

しかし、こうした大型海藻は、生育時期によって質的・量的変動がありました。これを解決するためこれまでに、室内培養が行われましたが、低い成長率しか得ることが出来ませんでした。

海洋深層水で成長速度は2倍

高知県の室戸市では、室戸岬沖の水深320mの海底から海洋深層水を取水しています。この海洋深層水は、窒素、リンなどの栄養分を豊富に含んでいる、生物がほとんど生存しておらず清潔性に富んでいるなどの特徴があります。

四国センターでは、光、温度、空気などの海藻の生長に係る要因を精密に測ることが出来る装置で、海洋深層水を使って海藻を培養する実験を行いました。この結果、海洋深層水の割合が多いほど海藻の成長速度は速く、表層水に比べると2倍も早いことがわかりました。

有用資源生産工場

この技術を活用することによって、人間の体に有益な成分を含んでいる海藻を早く育てることが出来ます。将来、光や温度などを最適に制御した海藻培養工場などで、有用な海洋生物を大量生産することも可能となります。