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最近の研究成果

高温超電導 2017年4月14日発表

低コスト型高温超電導線材で世界最高の磁場中臨界電流密度を実現-高温超電導の実用化を促進-

高温超電導体のイットリウム系酸化物超電導線材の超電導層の形成プロセスを改良し、現時点で世界最高の磁場中臨界電流密度を実現した。モーターや発電機、MRIや重粒子線加速器といった医療機器など、高い磁場が加えられる環境で使用する機器の超電導磁石には、磁場中でも高い性能を維持できる線材が必要である。イットリウム系酸化物超電導線材は、他の高温超電導材料に比べて磁場中の性能が高いが、線材が高価であることや高温・高磁場では磁場中での臨界電流の性能が十分ではないなどの課題があった。低コスト化のために開発してきた溶液塗布熱分解法では多数回原料溶液を塗布・熱処理を繰り返すが、今回、一回当たりの塗布膜厚を数十ナノメートルに薄膜化することで人工ピン止め点を超微細化して、磁場中の特性を画期的に向上させることに成功した。

液体窒素中(65ケルビン(K))磁場中(3テスラ)での臨界電流密度の比較の図

ミトコンドリア 2017年4月25日発表

細胞内における硫黄修飾の新たな反応機構を解明-ミトコンドリア機能制御の研究に手がかり-

ミトコンドリアは、細胞のエネルギーを生産する重要な細胞小器官です。近年、ミトコンドリアの活動は転移RNAの硫黄修飾と関連が深いことが報告されており、ミトコンドリアの機能を制御する新たな経路が予想されていました。ヒトを含む真核生物の細胞質で硫黄修飾を行う酵素は同定されていますが、その詳細な反応機構は長い間不明でした。本研究は細菌由来の硫黄修飾酵素TtuAに注目し、完全無酸素の条件下での分光学、生化学及びX線結晶構造解析により、TtuAが酸素に接すると崩壊する不安定な「鉄硫黄クラスター」と呼ばれる因子を用いて機能することを同定しました。また複合体構造解析の結果から、TtuAが、鉄硫黄クラスターをあたかもタンパク質の一部のように用いて硫黄を転移する、これまで知られていない硫黄修飾メカニズムを用いることを提唱しました。本研究の成果は、ミトコンドリアによるエネルギー生産の制御機構を解明するための重要な手がかりを与えると期待されます。

硫黄修飾酵素TtuAと硫黄供給タンパク質、鉄硫黄クラスターの複合体の構造モデルとTtuA活性部位中の鉄硫黄クラスターの拡大図

位置情報利用 2017年3月13日発表

業界横断で位置情報の迅速かつ高度な活用を促進するデータアクセス仕様「Moving Features Access」がOGC国際標準として採択-大規模災害時の被災者支援や市民生活の利便性向上へ貢献-

位置情報へのデータアクセス仕様「Moving Features Access」が、地理空間情報の国際標準化団体Open Geospatial Consortium(以下、OGC)の標準仕様として採択されました。Moving Features Accessは、人や車などの移動体(Moving Features)に関するビッグデータを、業界横断で迅速かつ高度に処理・分析することができるよう、データアクセス仕様を国際標準として規定したものです。従来、特定の時間を指定して移動体の位置情報へアクセスする仕様はISOにより標準化されていましたが、今回は、時間に加えて場所を指定してデータへアクセスする仕様を標準化しました。これにより、例えば、災害時に特定の時間に特定の場所を通過した移動体のデータへアクセスし、人や車の密度や滞留に関する情報をよりタイムリーかつ広範囲の業界から収集することが可能になり、被害の経過に応じた避難誘導や物資輸送の計画立案のさらなる迅速化、精密化が期待されます。また、都市部における渋滞緩和策への活用などにより、市民生活の利便性向上を図ることができます。

標準化による位置情報の横断的な利用イメージに関する図

ガス透過率測定 2017年3月31日発表

測定に必要な時間を短縮する新たなガス・水蒸気透過率測定装置を開発

フィルム状試料のガス・水蒸気透過率を測定する従来の等圧法、差圧法とは異なる新たな方法(MA法: Modified differential pressure method with an Attached support)を共同で開発しました。さらに、MA法に基づいた測定装置も開発しました(図)。今回開発したMA法は、水蒸気等の検出器につながるスペース(検出側空間)と測定試料の間に支持体の層を設けたところに特徴があります。支持体層を設け、その構造を工夫することにより、試料交換、ガス・水蒸気の透過中に関わらず常時支持体層を設けたままにすることを可能にしました。その結果、測定試料両側の圧力差が測定試料に与えるダメージ(試料表面に形成されたガスバリア層の損壊等)を最小限に抑え、かつ測定時間を大幅に短縮できるようになりました。さらに、装置の構造が簡素化され、そのため感度も向上しました。

開発したガス・水蒸気透過率測定装置の図

不揮発性メモリー 2017年5月16日発表

不揮発性磁気メモリーMRAMの3次元積層プロセスを開発-新世代単結晶MRAM製造の可能性を拓く-

次世代の不揮発性メモリーである磁気ランダムアクセスメモリー(MRAM)の3次元積層プロセス技術を開発した。MRAMは垂直磁化TMR素子をベースとする記録ビットと、ビット選択に用いる半導体トランジスタ(CMOS)、金属配線(通常、多結晶の銅配線)からなり、通常、垂直磁化TMR素子薄膜(TMR薄膜)は、CMOS形成後に金属配線上に直接形成される(逐次積層)。MRAMの大容量化には、原子レベルの不均一性や凹凸によるTMR薄膜のバラツキ抑制や、材料の選択が重要だが、多結晶銅配線上へのTMR薄膜形成ではバラツキ抑制や材料の選択肢には限界がある。今回、CMOS形成ウエハー(今回は銅電極形成ウエハーで代用)とTMR薄膜ウエハーを別体形成した後に圧着して接合する、3次元積層プロセス技術によるTMR素子の作製に世界で初めて成功した。この技術開発によりウエハーの別体形成が可能になったことで、薄膜のバラツキが極めて小さく、高性能材料候補の選択肢が広い単結晶材料をMRAM製造に用いる目途が立った。これにより、MRAMの飛躍的な大容量化と高性能化につながると期待される。

3次元積層プロセス技術の概要図

地震周期 2017年5月11日発表

元禄型関東地震の再来間隔、最短2000年ではなく500年

相模トラフ沈み込み帯では1703年に発生した元禄関東地震と似たタイプの地震(元禄型関東地震)が、過去約6300年間に少なくとも5回、500-2800年の間隔で起こっていたことを明らかにしました。沿岸の地下で巨大地震が発生すると地面が隆起するため、過去の巨大地震は海岸段丘という地形とそれを構成する地層中の化石の年代として記録されます。従来、海岸段丘の年代は、試料採取が比較的容易な自然の崖面から得られる化石を用いて推定されてきましたが、その正確性はよく分かっていませんでした。本研究チームは、50cm解像度のデジタル地形情報の取得、解析から段丘地形を正確に把握した上で、従来にないちゅう密なボーリング(掘削)調査を行い、段丘の地下構造を正確に把握しました。また地中から大量の貝化石を採取し、隆起が生じた時期をより的確に示す試料を選別しました。さらにそれらを最新の加速器質量分析装置で年代測定を行うことで、各段に高い精度で段丘年代を明らかにしました。従来の年代値に基づいて平均約2300年間隔とした国の長期評価は、再評価が必要となると考えられます。

1923年大正関東地震(緑枠)と1703年元禄関東地震(赤枠)の震源域の概要図

有機エレクトロルミネッセンス 2017年5月11日発表

次世代有機EL用発光材料の発光メカニズムの謎を解明!-有機ELデバイスの高効率化を目指して-

次世代型の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子用の発光材料として注目される熱活性化遅延蛍光(TADF)を出す分子(TADF分子)の発光メカニズムを解明した。有機ELは、有機分子が電流によってエネルギーの高い励起状態になり、それがエネルギーの低い基底状態に戻る際に発光する現象を利用している。TADFは、室温の熱エネルギーの助けを受けて有機EL分子が放出する蛍光のことで、現在の有機ELに不可欠な希少金属が不要なことから低コスト化、高効率化の切り札とされている。TADF発光には分子の二つの励起状態が関わり、それらの状態間のエネルギー差ΔESTが室温の熱エネルギー近くまで小さいほど、発光効率が高いと考えられている。しかし、室温の熱エネルギーではTADFの発光が困難なはずの分子でも、100 %に近い高い発光効率を示す事例が報告されるようになり、発光メカニズムの詳細な解明が求められていた。今回、産総研が開発した先端分光技術を駆使して、九大が開発したさまざまなTADF分子の発光過程を調べ、TADF発光メカニズムの詳細を解明し、発光効率を大幅に高める分子構造の特徴を突き止めた。今回解明したメカニズムは、次世代有機EL材料の新しい設計指針として貢献するとともに、次世代材料を用いた低コストで高効率な有機ELディスプレーや有機EL照明などの普及への貢献が期待される。

TADF発光の従来考えられてきたメカニズム(左)と、今回明らかになったメカニズム(右)の模式図

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