Vol.7 No.2 2014
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研究論文:ボールペン技術による家庭用高精細映像光伝送システム開発(当麻ほか)−127−Synthesiology Vol.7 No.2(2014)執筆者略歴当麻 哲哉(とうま てつや)1988年、慶應義塾大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程修了、同年住友スリーエム株式会社入社。2001年米国3M社の製品開発アドバンストスペシャリストとして転籍。 2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授。2014年同研究科博士課程修了。博士(システムデザイン・マネジメント学)。この研究を含む内閣府最先端研究開発支援プログラムのサブテーマ「Face-to-Faceコミュニケーションシステム開発」のリーダーで、光ホームネットワーク開発プロジェクトを指揮し、この論文の全体の調整と執筆を担当した。 瀧塚 博志(たきづか ひろし)1978年慶應義塾大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了、同年ソニー株式会社入社。ホームネットワーク技術の開発に従事し、多くの製品を市場に送りだすとともに、家庭向け光インターフェース規格OP i.Link、広色域規格xvYCC、映像伝送規格HDMI等、さまざまな規格化を推進してきた。2013年6月より、慶應フォトニクス・リサーチ・インスティテュート研究員。この論文では、40 Gbps光伝送システムの作成、ならびにコネクター開発とその評価を担当した。 鳥飼 俊敬(とりかい としたか)1977年3月鳥取大学電子工学科卒業、4月日本電気株式会社(NEC)入社。2004年まで研究所にて光通信デバイス開発に従事。2004年から2013年まで日本航空電子工業株式会社(JAE)にて、コネクタ、光インターコネクション開発に従事。2013年4月より技術コンサルティングとして独立し、三菱鉛筆株式会社顧問。この論文のボールペン型光インターコネクトの共同発明者であり、光電ハイブリッド型コネクターの開発を担当した。 [1]P. Polishuk: Plastic optical fibers branch out, IEEE Commun. Mag., 44 (9), 140-148 (2006).[2]I. Mollers, D. Jager, R. Gaudino, A. Nocivelli, H. Kragl, O. Ziemann, N. Weber, T. Koonen, C. Lezzi, A. Bluschke and S. Randel: Plastic optical fiber technology for reliable home networking: overview and results of the EU project pof-all, IEEE Commun. Mag., 47 (8), 58-68 (2009).[3]J. C. Baker and D. N. Payne: Expanded-beam connector design study, Applied Optics, 20, 2861-2867 (1981).[4]R. J. Pimpinella: A fiber optic connector designed for military optical backplanes, IEEE Trans. Comp. Hybrids, Manufact. Technol., 15 (6), 992-997 (1992).[5]Y. Koike and T. Ishigure: High-bandwidth plastic optical fiber for fiber to the display, J. Lightwave Technol., 24 (12), 4541-4553 (2006).[6]P. J. Decker, A. Polley, J. H. Kim and S. E. Ralph: Statistical study of graded-index perfluorinated plastic optical fiber, J. Lightwave Technol., 29 (3), 305-315 (2011).[7]T. Torikai, T. Yamauchi, S. Mine, N. Moriya, A. Mitsui, H. Suzuki, Y. Watanabe, M. Kanou, H. Takizuka, T. Toma,and Y. Koike: Optical I/O connectors employing ball-point pen type optical collimator lenses suitable for plastic optical fiber communications, Proc. 21st Int. Conf. POF (POF2012), (Atlanta, USA, 2012).参考文献鈴木 等(すずき ひとし)1983年埼玉大学工学部機械工学科卒業、同年三菱鉛筆株式会社入社、機械技術部、米国子会社勤務、横浜研究開発センター シャープペングループリーダーを経て、2005年より横浜研究開発センター所長。2013年4月より取締役。この論文では、ボールペン型光インターフェースの開発チームの統括指揮を担当した。 小木 哲朗(おぎ てつろう)1986年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。同年三菱総合研究所入社。1994年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。1996年東京大学大学院工学系研究科助教授、2004年筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。システム工学、VR、ヒューマンインタフェース等の研究に従事。この論文では研究全体に対する助言とサポート体制の構築を担当した。小池 康博(こいけ やすひろ) 1982年慶應義塾大学大学院工学研究科応用化学専攻博士課程修了。1997年より慶應義塾大学教授。フォトニクスポリマーを専門とし、屈折率分布型プラスチック光ファイバー(GI型POF)、高輝度光散乱ポリマー導光体(HSOT)、ゼロ複屈折ポリマー等を発明。2010年より内閣府最先端研究開発支援プログラムとして、Face-to-Faceコミュニケーションシステム開発の中心研究者としてプロジェクトを指揮。Society of Plastics Engineers (SPE)のInternational Engineering and Technology Award、藤原科学財団藤原賞、紫綬褒章を受章。慶應義塾評議員。この論文の基本的アイデアであるGI型POFとボールペン技術の融合は小池のオリジナルの発明。全体の指揮統括を担当した。査読者との議論議論1 全般質問・コメント(小林 直人:早稲田大学研究戦略センター)この論文は、家庭用高精細映像光伝送システムを実現するにあたり、高性能、簡便、安価、安全等の極めて厳しい要求を満たす技術として、ボールペン製造技術を利用したボールレンズとプラスチック・ファイバーを組み合わせた光インターコネクトを実現し、実際の高精細映像伝送システムの実証実験を行った成果を示しています。要素技術としてもユニークであるとともに、それらを統合してシステムに組み込んで実証したと言う点で十分価値の高い論文であり、シンセシオロジー誌に相応しい論文と考えられます。質問・コメント(石川 浩:産業技術総合研究所)ボールペン技術による低コストの光結合はPOF普及に向けての重要な開発成果だと高く評価します。また、異業種交流の場がこの技術開発のきっかけになったことは興味ある事実だと思います。議論2 シナリオについて 質問・コメント(赤松 幹之:産業技術総合研究所)この技術は、フッ素化GI型POFとボールペン型インターコネクトを組合せによって実現したことがポイントであり、そのシナリオが2章に書かれています。2章の前半の数段落でGI型POFのメリットが書かれ、第6段落で「POFを使ってボールレンズ装着はあり得なかった」としています。第7段落以降ではボールコネクタの話になり、第

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