Vol.5 No.4 2012
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委員長:一村 信吾副委員長:小林 直人、瀬戸 政宏幹事(編集及び査読):赤松 幹之、田中 充、立石 裕、富樫 茂子、長谷川 裕夫幹事(普及):内藤 耕幹事(出版):多屋 秀人委員:事務局:独立行政法人 産業技術総合研究所 広報部広報制作室内 シンセシオロジー編集委員会事務局問い合わせ シンセシオロジー編集委員会 〒305-8568 つくば市梅園1-1-1 中央第2 産業技術総合研究所広報部広報制作室内 TEL:029-862-6217 FAX:029-862-6212 E-mail: ホームページ http://www.aist.go.jp/synthesiology●本誌掲載記事の無断転載を禁じます。編集 シンセシオロジー編集委員会発行 独立行政法人 産業技術総合研究所Synthesiology 5巻4号 2012年11月 発行シンセシオロジー編集委員会−289−赤穗 博司、阿部 修治、五十嵐 一男、一條 久夫、上田 完次、餌取 章男、大蒔 和仁、大和田野 芳郎、岡路 正博、小野 晃、景山 晃、久保 泰、栗本 史雄、坂上 勝彦、清水 敏美、千葉 光一、佃 栄吉、中島 秀之、中村 和憲、馬場 靖憲、濱 純、原田 晃、檜野 良穂、松木 則夫、水野 光一、三石 安、村山 宣光、持丸 正明、矢部 彰、吉川 弘之編集後記Synthesiology5巻4号をお届けします。本号には、研究論文を5報掲載しました。そのうち1報は地震・津波に関する論文、2報は燃料電池および有害化学物質と対象は違いますが、国際標準化に係わる論文、1報は計量標準の開発に係わる論文、そして1報は新しい材料開発に関する論文です。いずれの論文も、技術の波及する社会的価値を明確に設定した上で研究開発に取り組んできた成果を、本誌の特色とする構成的なアプローチ法に主眼をおいて書かれています。読者の皆様に読み応えのある論文として、ご満足頂けるものと考えています。その中でも西暦869年に起こった貞観津波を題材とする巨大津波に係わる論文(著者:岡村行信氏)は、東日本大震災を契機として大きな社会的課題となった、災害予測・防災の観点から大きな問題提起を行っています。論文の副題にもなっている“研究成果の社会への周知”という課題です。貞観津波の規模について、「2010年春に産総研から地震本部に研究成果が提出」されましたが、「地震本部で約1年をかけて日本海溝全体の地震について評価の見直しが行われていた」時に東日本大震災が発生したため、「石巻平野、仙台平野、福島県沿岸に巨大津波が来襲する可能性があること」を伝えられなかった事を記述しています(「」内は、論文本文からの引用箇所)。研究開発サイドが自信を持つ研究成果であっても、言わばピアレビューの観点で客観的に評価されない限り、科学的成果とは認められない(従って社会的公表を控える)のがこれまでの基本的な常識です。一方で、“社会の中で、社会のために”が21世紀の科学技術の研究開発の目標の一つと認識されている事を踏まえれば、社会的な波及効果が大きい研究成果ほど、迅速な公表に務める必要性も理解できます。東日本大震災後の、特に地震・津波に関するマスコミ報道が頻繁に目につくのも、その迅速性の観点で研究開発サイドが積極的に動いていることの現れかもしれません。客観的・徹底的な研究成果の検証と、迅速な研究成果の公表・周知は、互いに矛盾する側面を持ちますが、オープンイノベーションのハブとして、技術の社会実証までを視野に入れる産総研にとって、同時に克服しなければならない大きな命題と言えます。Synthesiology誌においても、この問題を取り上げて考えて行きたいと考えていますので、ご意見をお寄せ下さい。併せて、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。(編集委員長 一村 信吾)
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