Vol.5 No.4 2012
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研究論文:調光ミラーガラスの開発(吉村ほか)−260−Synthesiology Vol.5 No.4(2012)議論6 調光ミラーの耐久性質問(村山 宣光)調光ミラーの実用化においては、スイッチングの繰り返しに対する耐久性は現在1,500回程度とののことですが、耐久性を10,000回程度まで伸ばす見通しはいかがでしょうか。回答(山田 保誠)耐久性については、ごく最近ですが、大きな進展があり、ほとんど劣化しない調光ミラー材料も開発できるかもしれないということがわかってきました。この技術を発展させることで、10,000回程度の耐久性をもつ材料についても、本年度中に開発できる見通しが立ちました。議論7 調光ミラーガラスの実用化のための取り組み質問(村山 宣光)環境調和実験棟にて、調光ミラーガラスの省エネ効果を定量的に実証されましたが、その結果、産業界の調光ミラーガラスのとらえ方はどのように変わりましたか。また、調光ミラーガラスの実用化シナリオとして、企業コンソーシアムの設立等、ご検討されている計画がありましたら教えてください。回答(吉村 和記)調光ミラーについては、2003年頃より特にガラスメーカーの方々に新しい調光材料として注目していただいていましたが、この論文に書いたような歴史的な経緯もあり、本当に使える材料になるかを見定めたいとされていました。そのような状況の中、実際に建物に実装できる調光ミラーガラス窓を作製し、さらに、他の省エネルギーガラスに比較して大きな冷房負荷低減効果があることを実証したことは、かなりのインパクトをもって受け取っていただきました。現在ガラスメーカーの方でも、具体的に共同研究等に進められないかを検討していただいています。調光ミラーガラスを、建物用の窓ガラスとして使える実際の商品までもっていくためには、調光ミラー薄膜以外の部分についても、例えば、実際の窓ガラスで使用できるスイッチングシステムの開発やスイッチング用電源供給システムの開発が必要です。現在、そのための研究を行っていますが、これらが解決できればかなり実用化に見通しがつきます。その段階でガラスメーカーにも積極的にアピールを行い、できればコンソーシアムを組んだような形で、実用化研究を加速的に進めていきたいと思っています。
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